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江戸川区立松江図書館

江戸川区立松江図書館は、2024年10月1日(火)から2025年1月2日(木)まで、設備改修工事等のため休館しています。休館期間のうち2024年10月5日(土)から11月4日(月)、及び、11月14日(木)から12月30日(月)までは、予約受取・返却ができる臨時窓口を松江図書館駐車場側入口に設置しています。

江戸川区立松江図書館 訪問記

last visit:2015/09/09

江戸川区立松江図書館は、松江通り商店街の近くにある松江区民プラザ1階の図書館。小学生読書クラブ、ティーンズ対象の読書部もあり、本を通じて楽しい活動ができる図書館です。

§ 図書館の場所

松江図書館は都営新宿線の船堀駅から伸びる船堀通りと、一之江駅の北から北西方向に伸びる今井通りの交差する辺りにある図書館で、どちらの駅から行っても歩きでは20分強かかります。距離では船堀駅の方が近いですが、バスで行くなら一之江駅から行く方がバスの本数が多いです。「松江」停留所を下りるとすぐ目の前、といっても「松江」停留所がいくつかあるのですが、アーケードがない通りの停留所に降りた場合は、停留所のすぐそばに松江区民プラザがあります。アーケードがある通りの停留所で降りた場合は「同潤会通り入口」交差点で曲がって70mほど進むと、道の左側に松江区民プラザが建っています。松江区民プラザの1階が松江図書館です。

上で「アーケードがある通り」と書いたのは「今井通り」で、かなり長いアーケードつき商店街です。Wikipediaの江戸川区のページによると、当初は「江戸川区」ではなく「松江区」という名前が検討されたというくらいなので、当時は区の中心地だったんでしょうね。今はのんびりした雰囲気の商店街ですが、そうした知識を持って歩いてみると、想像力が膨らんできます。

§ 図書館内の様子

上でも書いたように、松江区民プラザの1階が松江図書館、2,3階がコミュニティ会館という複合施設になっています。松江区民プラザは2008年4月に建てられた比較的新しい建物で、太陽光発電・雨水利用などの技術を取り入れています。建物入口を入ると、正面に区民プラザの受付があり、その左に図書館の入口があります。図書館エリアの中に入ると、左に児童エリアがあり、右先にカウンター、奥の一帯が一般書架です。一般書架の手前の方にCDコーナーがあり、右奥に新聞・雑誌コーナー。児童コーナーとカウンターの間あたりには、ICタグ式自動貸出機も設置されています。

松江図書館は、清心町鹿骨の2つのコミュニティ図書館と篠崎子ども図書館を除いた江戸川区の普通の図書館の中では、最も面積が小さいです。なのに、蔵書数でいうと篠崎図書館小松川図書館の方が少ないんです。この数字だけ見ると本棚がぎっしり詰まった空間を想像してしまいますが、実際に行ってみるとそんな印象はなく、ゆったりと本棚を見ることができます。ただ、閲覧席が少ないので、利用者の多い日時だと座席が確保できないことがあるかもしれません。

§ 児童エリア

児童コーナーと一般書架は壁で仕切られていたりせず開放的です。カーペットが、児童コーナーはピンク、一般書架は緑と分けられているので、それが何となく区切りになっているかたちです。棚の見出しも床に合わせていて、児童コーナーがピンク、一般書架が緑となっています。

児童コーナーの中の配置は、入口に近い付近に絵本などの入った背の低い棚があり、奥のほうに年齢が上の子どもが読む児童読み物やちしきの本が並ぶというかたちです。手前左方には靴を脱いで座って本を読める絨毯敷きのコーナーがあり、絨毯にはアンパンマンのキャラクターが描かれています。このスペースには、幼児向けの小さい絵本があるほか、布絵本やリングカード(大きい単語帳のようなもので、英単語や国旗が掲載されています)、仕掛け絵本もあるので、物語を読むだけでなく手触りなども楽しめますよ。

そうそう、このコーナーの壁に「なんのおはなし?」という物語のワンシーンをアップリケしたタペストリーがあるのですが、私は真ん中の段の左側の物語が何なのかわからなくて、職員さんに教えてもらいました。タイトルは何と言われると、右下のアップリケも難しいかも。ぜひ子どもも大人も考えてみて、知らない物語にも出会ってくださいね。

絵本は、日本のおはなしも外国のおはなしも合わせて、絵を描いた人の頭文字で分類されています。同じ頭文字の中では、主だった絵を描いた人の絵本を見出しをつけて並べ、その後に見出しのない絵を描いた人の絵本を並べているようなかたちです。例えば、頭文字が「す」の絵本作家さんだと、「スズキコージ」「すずきまもる」「すえざきしげき」「ス そのほか」と見出しがあり、この3人の以外で頭文字が「す」の作家の作品は「ス そのほか」に並んでいます。

児童読み物の並べ方はもう少し複雑で、日本の作家の作品は、絵本と同じスタイル。苗字の頭文字で分類して、同じ頭文字の中では、主要な作家が個別見出し、それ以外の作家は「その他」のなか、という並べ方をしています。外国人作家の作品は、「イギリス・アメリカ」「ドイツ」「フランス」といったように、著者の国・地域別に分類した上で、著者の苗字の頭文字で分類しています。

松江図書館の児童向け企画としてご紹介したいのが、「小学生読書クラブ」。毎月1回、素敵な本の紹介や本にちなんだ工作などを行う会員制クラブですが、2015年7月現在、新規メンバーの募集を一時停止しているほどの盛況ぶり。小学生だったのが遥か昔である私は参加できないので、読書クラブの様子はわかりませんが、先日、小学生読書クラブの子どもたちも中身選びに参加した「何が出るかな?お宝袋!」を見てきました。こんな風に図書館イベントの裏方としても参加できるなんて、面白そう。

§ ティーンズコーナー

奥の一般書架の中で、児童コーナーとの仕切りになっている棚の一画にあるティーンズコーナーは、華やかで可愛らしい装飾に、大人の私も惹かれてしまいます。私、2008年4月にリニューアル開館した現在の松江図書館に初めてきたときは、ティーンズコーナーが小さくて、あまりパッとしていなくて、そのように訪問記にも書いたのですが、今は松江図書館の行くとワクワクする雰囲気の象徴の一つといってもいいくらい。実際、リニューアル開館当初と比べて今はスペースが広がっています。面白そうな本がたくさん並んでいるのはもちろん、ティーンズ向け図書館だより、ティーンズ向け企画の紹介など、情報満載の明るい本棚になっています。

ティーンズ向けの図書館だよりは、江戸川区立図書館が発行している「PATTER PATTER PAPER」とは別に、松江図書館独自で発行している「ピーノ」があり、本の紹介や図書館からティーンズに向けてのお知らせなどが躍る楽しい記事でいっぱいです。大人が読んでも面白い(「PATTER PATTER PAPER」ユーススタッフのKahoちゃんとHinaちゃんの記事などは毎回楽しく、私も愛読しています)なので、ぜひ手に取ってみてください。

ティーンズを対象にした松江図書館独自の企画で目に付くのは、「読書部(サークル)」と「おとくいさま帖」。「読書部」(「部」と書いて「サークル」と読む)は2015年4月に発足した部で、「本を使っていろいろやってみよう!」を活動内容に月1回集まっているそうです。残念ながら私は年齢を30くらい差し引かないと入れませんが(笑)、部員も随時募集中とのことなので、江戸川区の本好きな十代の皆さん、ぜひ私の分まで楽しんでください。

また、おとくいさま帖は、ティーンズ向けの松江図書館オリジナルポイントカード。貸出で1ポイント、返却で1ポイント、1日最大2ポイントというかたちでポイントがつき、ポイントに応じてプレゼントがもらえるそう。ポイントカードの有効期限はないので、勉強や部活で忙しい人も、コツコツ利用すればポイントが貯まるのでは。プレゼントは時期によって変わる可能性もありますが、2015年7月26日時点では、15ポイントでオリジナルしおり、30ポイントで文庫サイズブックカバー、40ポイントで貸出券入れ、50ポイントでクリヤーホルダー、60ポイントでメモ帳、70ポイントでペン立てがもらえるとの掲示が出ていました。

一般的に中高生は図書館利用が少ないと言われており、各館で中高生の利用を盛り上げる工夫をしていますが、松江図書館のティーンズ企画はどれも、「大人が中高生に本を読ませる」感じではなく、中高生と図書館が同じノリで読書や本を楽しむ雰囲気。正直、松江図書館の近くに住んでいる中高生が羨ましいです。大人の私としては、中高生に負けずに図書館を楽しまないと!

§ 一般書架

一般書架は、同じ向きにずらっと書棚が並ぶシンプルなかたちでわかりやすいです。一番奥の壁沿いにある文庫本の棚は、かなり高い段まで使っていますね。本のある一番上の棚は、163cmの私が背伸びすれば取れないことはないくらいの高さ。踏み台もありますが、上段の本は職員さんに取るよう声を掛けてくださいと書いてあるので、取りづらい方は遠慮なく頼みましょう。

小説本のうち、直木賞・芥川賞受賞作には、本の背に赤地に黒文字で「直木賞」「芥川賞」と書かれたシールが貼られています。どれを読もうか迷ったら、こうしたシールを手掛かりに本を選ぶのもいいですね。

本選びの手掛かりとしてもう一種類、江戸川区が登場する本には、黄色地に黒で江戸川区の紋章が印刷されたシールが貼られています。これは、小説(例えば、東野圭吾『容疑者Xの献身』)に限らず、実用書、芸術の本、食べ物の本でも、江戸川区が登場する本には貼ってあります。江東区民の私でさえこのシールに反応してしまうので、江戸川区民なら「ウチの近くのが登場する本」として読みたくなりません?宝探し感覚で、江戸川区シールの本を探してみてください。

旅行ガイドは、「タビハナ」「大人の街歩き」「くちこみサーベイ」「楽楽」「地球の歩き方」「新個人旅行」など、さまざまなシリーズを取り揃えたものを、地域別に分類しています。例えば、旅行ガイドの「韓国」のところを見れば、いろんな旅行ガイドシリーズの韓国のものを見比べられるというわけ。「ディズニーリゾート」というピンポイントの分類もあり、2015年7月26日に行ったときにはディズニーリゾートのガイド本だけで23冊ありました(貸出中のものもあると思うので、蔵書としてはもっと多いかも)。

料理や裁縫など、家事関連の本は分類が細かいです。料理だったら、「西洋料理」「日本料理」のように料理の地域による分類もあれば、「卵・乳製品」「豆・豆製品」といった材料別、「スープ・鍋・煮物」「保存食・手作り食品」といった調理法による分類もあるといった具合。料理本などは薄くてタイトル文字が小さい本も多いので、こうして細かく分類してくれるのは嬉しいですね。

その他の棚は基本的には3桁の分類記号と著者名頭文字で並べています(例えば、坪川信貴が書いた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』なら、幼児・初等・中等教育の376と著者頭文字を合わせて「376 ツ」になる)が、3桁の分類法だと多岐にわたる内容が含まれてしまうジャンルでは、著者名頭文字の代わりに項目名でまとめているところがあります。例えば、「673 経営・販売」の本のうち、企業に関する本は「673 キ」、営業に関する本は「673 エ」、クレーム対応に関する本は「673 ク」にまとめていたり、「627 園芸(草花)」の本のうち、サボテンに関する本は「627 サ」、盆栽に関する本は「627 ホ」にまとめているといったかたちです。そのような項目わけをしている棚は板面にその旨テプラで説明があるので、本探しの際に活用してください。

書架を回っていると面白そうな本が次々目に入るのでじっくり本を読みたいところですが、座席は図書館全体で机25席、椅子13席(児童用座席を除く)と少なめです。ただ、最寄駅から徒歩20分以上とアクセスがよくないこともあり、座席争いが激しい印象も受けません。机席のうち、新聞・雑誌コーナーの奥にある5席は、1席ごとにデスクライトがついています。この5席にはコンセントもあるので、将来的には持参PCを使えるようになったりするのかな。今はコンセントが塞がれていて使用できません。

§ 中に入るとワクワクする図書館

道のりのところでも書きましたが、今井通りのうち松江図書館そばの付近は長~い商店街で、ゆっくりできる喫茶店があったり、本屋もあったり、昔ながらの商店街という感じでいいんです。そんな立地に2008年リニューアル開館した松江図書館は、まだ新しくてきれいで、本も輝いているように見えます。座席が少ないのがやや難ですが、商店街の喫茶店で読書というのもいいですね。私は、松江図書館から今井通りに戻って右に少し進んだところにある壱番館さんに入ったことがありますが、これまた昔ながらの喫茶店という感じで居心地よく、お薦めです。

それに、リニューアル開館してしばらく経った今は、面白そうな企画をいろいろ行っており、その告知ポスターを見ているとスケジュールの調整に忙しくなってしまうくらいです(笑)。小学生読書クラブやティーンズ対象の読書部も、地域の住民と図書館が活動を通じて仲良くなっている印象を受け、地域に根付いた図書館だと感じます。図書館の雰囲気が明るいので、歩いているだけで面白そうな本がどんどん目に飛び込んできて、飽くなき読書欲をかきたてられる松江図書館。これからもたっぷり楽しんでいこうと思います。

江戸川区立松江図書館 特集・行事・図書館だより感想記

―2018年3月3日から4月8日までの企画
開館中の図書館を巡って謎を解く企画に参加してきました。ティーンズ向けの企画ですが、ティーンズ以外の人も参加できます。実施期間が1ヶ月あり、期間内ならいつでも参加できるので、謎解き好きな方はぜひ挑戦してみてください。
―2015年10月27日からの企画
中身がわからないよう2冊セットで包装された本を、包みに貼られたヒントを手掛かりに借りる「やみ鍋Book」。中身は利用者や職員さんが選んでいます。私も一袋借りてみましたが、確かにヒントの通り、何も考えずに笑える本。自分ではなかなか手に取らない本との出会いがあります。
―2015年9月初め頃から9月30日までの企画
読書週間に実施する「秋の夜長のやみ鍋Book」(中身を見ないで利用者や職員さんのお薦め本を借りて楽しむ企画)に向けて、やみ鍋Bookの中身となるお薦め本を募集しています。私もたくさん投稿してきました。
―2015年7月22日から袋がなくなり次第終了の企画
幼児から小学生向けに本2冊を袋詰めにして中を見えないようにし、お勧め文を手掛かりに袋を選んで貸し出す「本の福袋」的企画です。袋の中身は、図書館職員さんだけでなく、松江図書館の小学生読書クラブの子も選んでいます。

江戸川区立松江図書館 データ

江戸川区立松江図書館は、2024年10月1日(火)から2025年1月2日(木)まで、設備改修工事等のため休館しています。休館期間のうち2024年10月5日(土)から11月4日(月)、及び、11月14日(木)から12月30日(月)までは、予約受取・返却ができる臨時窓口を松江図書館駐車場側入口に設置しています。
住所東京都江戸川区松江2-1-10 松江区民プラザ1階(休館中の臨時窓口は松江図書館駐車場側入口に設置) →Google Mapで見る
Tel03-3654-7251
開館時間9:00~21:30
定休日第4月曜
12月31日~1月2日
最寄駅
都営新宿線 船堀駅から徒歩26分
駐輪場建物入口向かって左と、建物向かって右側面に駐輪場あり
駐車場一般用駐車場なし。建物向かって右に障害者用駐車場1台分あり。
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数105,111冊
2023/04/01現在、出典『江戸川区図書館 事業概要 令和5年度』
CD所蔵数4,361点
2023/04/01現在、出典『江戸川区図書館 事業概要 令和5年度』
カセット所蔵数なし
2023/04/01現在、出典『江戸川区図書館 事業概要 令和5年度』
DVD所蔵数20点
2023/04/01現在、出典『江戸川区図書館 事業概要 令和5年度』
ビデオ所蔵数なし
2023/04/01現在、出典『江戸川区図書館 事業概要 令和5年度』
設備
ブックポスト建物入口向かって右の壁面にブックポストあり。開館中の使用は不可。
自動貸出機ICタグ自動貸出機2台あり
自動返却機なし
2016/09/22に確認
セルフ予約受取なし
2016/09/22に確認
音声試聴設備CD試聴機1台あり
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
映像視聴設備なし
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
ネット閲覧PCネット閲覧ができるタブレット型端末の利用可能
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
持参PC利用不可
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
LAN接続
  • 館内に「ソフトバンク wifi」のアクセスポイントあり。緊急時(災害などのとき)は他の携帯電話会社のユーザーにも回線を開放するとのこと。
2022/04/01に江戸川区図書館事業概要令和4年度にて確認
飲食設備等
  • 2階ロビーに飲料自販機1台あり
  • 蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)の飲料に限り、館内での摂取可能。但し、飲むとき以外は鞄にしまってくださいとのこと。