図書館で自習していいの?
図書館で自習するのが、許されているか、許されていないか。これは図書館によって、方針が分かれています。
基本的には、図書館は所蔵している資料を読んだり調べたりするところ、という位置づけです。だから、自分の問題集などを持ち込んでの勉強(受験勉強や試験勉強ですね)は、ダメということになります。自習を許可している図書館の場合でも、「閲覧室(席)」とは別の「学習室(席)」を用意していたりします。それ以外では、本来的には自習禁止だけど、それ明確に示さず、実際に自習者を見つけても咎めないという消極的な方法で、自習を実質的に許可してしまっている図書館もあります。
ご自分の利用する図書館の自習に関する方針が知りたい場合、直接聞いてみるのが一番です。通常は学習室がなくても、夏休み期間中だけ設置してくれる図書館もあるので、学習室の有無を確認する際は、それを含めて問い合わせしてみることをお薦めします。私が知っている限り、中央区立図書館や目黒区立図書館の一部で夏休み期間の学習室設置をしています。
そして、図書館側も自習に対する方針をもっと明確にして欲しいところです。最も困るのは、明確に自習禁止と示していないのに、何かあったときに自明の理として自習禁止を持ち出すような運営方法。現実的に自習OKかNGは、どちらが圧倒的多数というよりは、対応が割れています。それを踏まえて、自習に対して自館ではどのような方針をとるのか、図書館の方から周知すべきです。
当サイトにも「自習ができる図書館リスト」のリクエストなどをいただきますが、上に挙げた「本来的には自習禁止だけど、それ明確に示さず、実際に自習者を見つけても咎めないという消極的な方法で、自習を実質的に許可してしまっている図書館」の扱いが難しいです。「明確な学習室を設置している図書館リスト」なら作れるけど、現実に自習ができる図書館とは大幅に異なるリストになってしまうこと必至ですね。
自習に関しては、区市町村によっては、図書館とは別に自習用施設を設けている場合もあります。文化センターや地区センター的な施設にあることが多いようなので、自習室を探している方はそういったところに問い合わせてみるのもいいと思います。
私の意見としては、図書館とは別の自習施設を充実させて欲しいです。図書館の席が自習者で埋まって、図書館資料を見たい人の席がないというのは本末転倒。でも、実際そういう状態に陥っている図書館も少なくありません。かといって、自習するなというだけでは自習者は減りません。最近、昔に比べて駅前の自転車違法駐輪が減りましたけど、それは取締りの強化だけで得た成果ではなく、公共駐輪場が増えたことが大きいように思います。それと同様に、自習施設の充実が図書館の自習者を減らすでしょう。
自習する人にとっても、堂々と自習できる場所があった方が気分よく利用できますよね。「図書館での自習」が咎められても、「自習」自体は全く悪いことではない。公立のスポーツ施設と同様に、公立の自習室はあっていいと思います。図書館と切り離した自習専用の施設にすることで、使い終わった問題集を交換できるサービスを行うとか、家庭教師をやりたい人・探している人の仲介をするとか、図書館ではできないサービスを実現できる可能性も広がりますよね。
こうした自習施設の設置は、図書館だけで対応できることではなく、自治体の他の部署も関わらないと実現できないことでしょうが、各自治体にはぜひ検討して欲しいです。そして、既に設置されているところはぜひ利用しましょう。自習施設を設置している自治体では、図書館でもその情報を持っている場合が多いです。図書館の自習に対する方針を問い合わせる場合は、それも含めて問い合わせしてみてくださいね。