トップ図書館訪問記江戸川区江戸川区立松江図書館 > 謎解き企画「イースターラビットと伝説の卵」

謎解き企画「イースターラビットと伝説の卵」

―2018年3月3日から4月8日までの企画
visit:2018/03/19
§ 開館中の図書館を巡って解く謎解きイベント

江戸川区立松江図書館は、ティーンズ限定の読書部の活動を毎月行っていたり、ティーンズ限定ポイントカード「おとくいさま帖」を作るなど、中高生が図書館利用を楽しめる企画をいろいろ行っている図書館です。2018年の春、そんな松江図書館がティーンズ向けの謎解き企画を行っており、ティーンズ以外の人も参加できると聞いて、私も挑戦してきました。

松江図書館ではこれまでも謎解き企画を実施してきましたが、過去には決められた日時に制限時間内で謎を解くタイプのイベントを実施しており、参加したくても都合が悪くて行けなかった人もいたと思います。でも、今回の謎解き企画は、2018(平成30)年3月3日から4月8日までの図書館が開いている時間ならいつでも参加可能。問題用紙をもらうときと、答え合わせをするときだけカウンターに行けばいいので、何日間かかけて謎を解いても構いません。

§ 謎解きのテーマは「イースター」

まずは問題用紙をカウンターでもらいます。用意した職員さんは「ティーンズ向けなので、大人には簡単かもしれません」とおっしゃっていましたが、特にひらめきを要する問題などは、必ずしも大人の方がわかるとは限らないので、この言葉に油断せずに問題に挑戦です。

いただいた問題用紙のタイトルは「イースターラビットと伝説の卵」。2018年のイースターは4月1日で、それに絡めた企画になっています。そういえば、館内には卵を模した飾り付けがちらほらあり、これが謎解きにも関係ありそうな…。

問題用紙を開くと5つの問題があり、それらの答えを並び替えて意味のある文章にしたものがこの謎解きの最終的な答えになります。問題を一つ一つ見ていくと、江戸川区立図書館を使っている人ならすぐにわかる問題もあれば、一見した限りでは何から手をつけていけばいいかわからないような問題もあり、難易度もさまざま。江戸川区立図書館のことを知っていれば解ける問題が1問ある以外は、どれも問題用紙を見ただけでは解けず、館内にある何かを手掛りにして解くようになっています。

ちなみに私は、その江戸川区立図書館に関する問題も一部即答できないものがあったので、図書館の本を使って正解を調べました。ネットで江戸川区立図書館ウェブサイトを見たりしても解ける問題ですが、図書館の謎解き企画ですし、私としては答えを調べるのにも図書館の蔵書を使うことをお薦めします。松江図書館の中で江戸川区に関する本はどの棚にあるか知っておけば、学校で課せられる調べ学習などにも活用できますから、江戸川区のティーンズさんならぜひこの機会に棚の場所を知っておいて欲しいです。

そうやって解くこと40分、最終的な答えを書いてカウンターに持っていき、答え合わせをしてもらったところ、見事正解していました!正解者には、記念品と何人目の正解者かの証明書をいただけるのですが、図らずも一番最初の正解者となってしまいました。この企画のメインターゲットであるティーンズを差し置いて、1番手を奪ってしまってすみません…。というか、ティーンズの皆さん、40代大人に負けずに、最終問題の正解を導き出してください!

§ 謎解きを通じて図書館のことがわかる

こうした謎解き企画のよさは、謎を解くことで自然と図書館に関する知識が身に着くこと。例えば、松江図書館では、同じ種類の資料の一部だけを少し離れた棚においてあるものがあり、それが今回の謎解きにも組み込まれています。●●の棚はここだけではなくて、あそこにもあるということを知らなければ、必要なヒントを全部得ることができません。松江図書館に限らず、収納の都合や分類の仕方などで、同じ種類のものが離れた棚に置かれるケースはありますが、やはり目立つ棚の方に目が行ってしまうもので、一部だけ離れてしまったものは見逃されがち。謎解きを通じて、別の場所にも●●があると知れば、普段の図書館利用にも役立ちます。

別の問題では、3桁の分類記号だけでは分類しきれないジャンルを、更に細かく項目立てして本を探しやすくしてくれている棚が、謎を解く手掛りになっています。中高生でこのジャンルの本を使う機会は少ないかもしれませんが、働くようになったら多くの人が関わることになるジャンルなので、図書館がこんなふうに細かく分類して資料を揃えていることを覚えておくと役立つかもしれません。

このように楽しみながら松江図書館のことがわかる企画なので、メインのターゲットである中高生はもちろん、それ以外の人もぜひ挑戦して欲しいです。1番手の正解者になったときに職員さんに聞いてみたところ、問題用紙ははけているので参加者は確実にいる、でも皆最後まで辿り着けていないよう。確かに一つ、ひねりひねって解かなければならない問題があり、おそらく何らかのひねりが必要だということは皆わかるけど、どうひねったものか悩んでしまうのでしょう。実際、私も、その問題に最も時間を取られました。いろいろな可能性を試せば、意味のある言葉が見つかるはず。

いつもは別の図書館を利用している人が、企画をきっかけに松江図書館に来るのもいいですね。松江図書館は鉄道駅から少し離れていることもあり、過度に混雑することもなく席も確保しやすいです。1951(昭和26)年に設立された図書館ですが、2008年に建物を全面改築しており、明るい館内を歩いていると面白そうな本がいろいろ目に入ってきます。何より、実施期間の中盤にして全問正解者が1人というのは寂しすぎるので、我こそはという方は4月8日までにぜひ松江図書館へ。謎解き企画とともに、居心地のいい松江図書館も楽しんでください。