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何が出るかな?お宝袋!

―2015年7月22日から袋がなくなり次第終了の企画
visit:2015/07/26
中身を見ないで本を選ぶ「お宝袋」

図書館のお勧め本といえば、図書館だよりに書名・著者・内容などの情報を載せていたり、館内で本の実物のそばにPOPが添えてあったりするのが一般的。でも、書名も著者も教えないお勧め方法があるってご存知ですか。夏のある日、江戸川区立図書館公式twitterアカウントのツイートを見ていたら、江戸川区立松江図書館で本2冊を袋詰めにして中を見えないようにした「お宝袋」を貸し出す「何が出るかな?お宝袋」を実施していると知り、さっそく見に行ってきました。

そのツイートでは、小学生読書クラブの子も中身の本を選んでいるとあったので、子どもだけを対象にしているのだろうと思いつつ、もし行ってみて大人向けもあったら借りようと少しだけ期待していったのですが、残念ながら対象は幼児から小学生向け。自分の子どものためという振りをして借りることもできたでしょうが、そこまでして子どもたちの楽しみを奪うひどい大人ではないので自粛しました(笑)。

お宝袋が置いてあるのは、カウンター前の検索機が2台並んでいるそばの展示コーナー。冒険物語の挿絵などでよくみる金銀財宝がたくさん入っていそうな箱があり、その中に袋がぎっしりつまっています。まさに「お宝袋」に相応しい飾りつけ。それぞれの袋には、中身のヒント・中身を選んだ人が誰に読んでもらいたいか(幼児・低学年・中学年・高学年の選択肢に丸)・選んだ人が書かれており、それらをヒントに袋を選んでカウンターに持っていけば借りられるというわけ。それぞれの袋には本が2冊入っており、一度に借りられるのは1人1袋。また、お宝といっても図書館の蔵書なので、貸出期限は一般の蔵書と同じです。ただ、返す時は2冊一緒でなくてもいいし、紙袋は返す必要はありません。

さて、仕組みがわかれば、気になるのはどんな袋があるのかですよね。私が行ったのは、この企画が始まった5日目の2015年7月26日でしたが、まだまだ金銀財宝箱にお宝袋がたくさん詰まっていました。このときあった袋のヒントをメモしてきたので、お子さんがいらっしゃる方はお子さんが好きそうな袋があるか、ぜひ見てみてください。

なかみのヒント
1さつ目は、どうぶつがすきな人におすすめ。どうぶつのひみつがいっぱいのってるかも。2さつ目は、まじょやかわいいものがすきな人がおすすめ。
だれによんでもらいたいか
低学年
選んだ人は
3年生
なかみのヒント
ヘンテ・コスタさんとい生物でてくるかも…
お父さんがリレーにでることになったら…
だれによんでもらいたいか
低学年中学年
選んだ人は
4年生
なかみのヒント
こわいおはなしが好きな人におすすめ!読みたい本がない人におすすめ!
だれによんでもらいたいか
中学年
選んだ人は
4年生
なかみのヒント
一つ目はフクロウの話
二つ目は作曲家の本です。
だれによんでもらいたいか
中学年
選んだ人は
五年生
なかみのヒント
七本の短刀をもった大どろぼうがくる物語で冒けん好きな人におすすめです
だれによんでもらいたいか
中学年高学年
選んだ人は
6年生
なかみのヒント
おしごとをしているくまさんと、かわいいどうぶつがたくさんでてくるほん。
だれによんでもらいたいか
幼児
選んだ人は
としょかんのひと
なかみのヒント
昔の職人さんはどんなことをしていたのかな?
だれによんでもらいたいか
高学年
選んだ人は
としょかんの人
なかみのヒント
カレーだけじゃないんです。インドの食べものや暮らしにきょうみがある人に。写真がいっぱいのっている本です。
だれによんでもらいたいか
中学年高学年
選んだ人は
図書館の人
なかみのヒント
くまさんの出てくるみじかいおはなしの本。ねる前によんでもらうのにぴったりです。
だれによんでもらいたいか
幼児低学年
選んだ人は
図書館の人
なかみのヒント
かわいい絵本だよ。かいた人は、親子です。
だれによんでもらいたいか
幼児
選んだ人は
図書館の人
なかみのヒント
ありえない!?きそうてんがいなおもしろワールドにつれていってくれる本。短いお話が何個か入っています。
だれによんでもらいたいか
中学年高学年
選んだ人は
図書館の人
なかみのヒント
ヴァイオリンやピアノのおけいこをがんばっている子に。たまには息抜きしてね。1冊は物語です。もう1冊は…??
だれによんでもらいたいか
中学年高学年
選んだ人は
図書館の人

いかがでしょう。気になるものはありましたか。私もそうですが、自分で本を選ぶとついつい自分の好きな作家の作品に偏って、未知の作家に手がのびなかったり、いつも同じジャンルの棚しか見なかったりしますよね。こういう企画があると、見知らぬ作家に出会えたり、存在さえ知らなかった本に出会えたりして、読書の幅が広がります。ぜひ、多くの子どもに借りて楽しんでほしいです。

上に挙げたのは2015年7月26日の20時過ぎ時点であった袋なので、その後誰かが借りて今はもうない袋もあると思います。ただ、これまで私がいろんな図書館の「本の福袋」企画(こうした企画はこう呼ばれることが多い)を見てきた中では、一度に展示コーナーに並び切れる以上に用意していて、展示コーナーにある袋が減ったら補充するようにしていることもあります。松江図書館のこの企画もそうだとしたら、この先ここにはない袋も出るかもしれないので、ぜひ松江図書館に行ってどんなお宝袋があるのか確かめてみてください。この企画は用意した袋がなくなり次第終了なので、借りてみたい方はお早めに!

小学生読書クラブとは

このように中身を見せずに袋詰めにした本を貸し出す企画はあちこちの図書館で実施しており、当サイトの図書館のイベント・展示訪問記一覧で「福袋」という文字を検索すると、同種の企画の訪問記がたくさん出てきます。ただ、今回の松江図書館の企画のユニークなところは、図書館職員さんだけが袋を作ったのではなく、松江図書館小学生読書クラブ会員の子どもたちが袋を作っていること。上の一覧の「えらんだひと」が○年生となっている袋がそれです。また、図書館の人が選んだ袋も「としょかん」がひらがなで書いてあったりするのを見るに、ヒントを手書きして袋詰めするという作業も小学生読書クラブの子どもたちがしたのかもしれません。

この小学生読書クラブ、館内掲示を見ると月に1回松江図書館に集まって活動をするクラブのようで、今は会員募集をストップしているそう。おそらく定員いっぱい参加者が集まっているのではないかと思います。本が好きな子が集まって、こうしたお宝袋を作ったりするなど、読書を楽しむ活動をしているんでしょうね。面白そう。募集を再開するときは館内掲示などで告知するそうなので、松江図書館を使っている本好きの子は、行くたびにそうした告知がないか要チェックです。また、小学生読書クラブとは別に、ティーンズ向けの読書部もあるようで、そちらは現在も参加者募集中。中学生・高校生の皆さん、ぜひご検討ください。

本の福袋企画の中身を選ぶというのは、私も豊島区立目白図書館の「本の福袋 大募集」という企画(2013年度版の様子2014年度版の様子)でやってみたことがあるのですが、とても面白いです。袋のテーマを考えるのも楽しいし、私が作った袋が誰かが借りてくれるのかどうかもドキドキ。本の福袋企画だけでなく、福袋の中身選び企画も増えたらいいと思っていたのですが、松江図書館ではこの楽しみを小学生読書クラブの子たちに体験させてくれたんですね。展示実施中の今、子どもたちは自分の袋が借りてもらえるかどうか、ついついチェックしてしまっているのではないでしょうか。

本を勧める楽しさ、見知らぬ本に出会える楽しさを提供してくれる松江図書館の「何が出るかな?お宝袋」、お勧めです。せっかくの夏休みですし、普段は松江図書館以外の館を利用している子どもも、ぜひこの機会に松江図書館へ!