トップ図書館訪問記今はない図書館移転前の旧・板橋区立中央図書館 > 2018年板橋区立図書館全館合同クイズラリー 1日目

2018年板橋区立図書館全館合同クイズラリー 1日目

―2018年10月20日から11月25日までの企画
visit:2018/11/13

2018年度の板橋区立図書館全館で実施しているクイズラリーに参加しました(と言っても、まだ途中なのですが)。板橋区立図書館では、いたばしボローニャ子ども絵本館も含めた12館を巡るクイズラリー兼スタンプラリーを隔年秋に実施しています。各館で地域や図書館に関する問題を1問ずつ出していて、正解するとスタンプがもらえるかたちですが、児童向けに問題を無視したスタンプラリーとしての参加もOKです。

このクイズラリーは、図書館に行けばわかりやすいヒントがあるような簡単なものではなく、図書館を使って調べないとわからないような問題が多くて、図書館の企画としてとてもいい内容です。私は板橋区民ではありませんが、2012年、2016年とこの企画に挑戦したおかげで、板橋区に関する知識が増えました。ぜひ他の自治体にも広がって欲しい企画です。

§ 1日目の1館目 小茂根図書館

スタンプラリーとしてなら、朝からスタートしてシェアサイクルなどを利用すれば、12館を1日で回ることも可能かと思いますが、クイズを解く時間も考えると1日で回るのは難しい。なので、1日目は半分の6館を目標に小茂根図書館から回り始めました。板橋区立図書館は、その半分ほどが都営三田線沿いにあって次々と回りやすいので、回りづらい館を1日目に済ませておこうという魂胆です。

カウンターで問題用紙をもらうと、「1枚目」と書いてあります。一緒にいただいたクイズラリーのルールを読むと、「台紙は2種類。2枚目は、1枚目を全館制覇した後にお渡しします」とのこと。問題用紙が1種類しかなかった過去のクイズラリーで図書館を回っていたとき、職員さんが「2周目、3周目と回る人もいるんですよ」とおっしゃっていたので、今回はそういう人のために2種類の用紙を用意したんですね。ちなみに、問題用紙に12館分の出題が全て記載されていますが、答え合わせは出題した館のみ。3問正解するごとに記念品をもらえます。

さっそく小茂根図書館の問題を見ると、「小茂根図書館の床に敷かれたカーペットには、一部赤いところがあります。何を意味しているでしょうか?」。これは小茂根図書館が建っている場所に関係する問題なのですが、意識することなく利用している人にはわからない、いい出題だと思います。カウンターで答え合わせをしてもらったら無事正解。有楽町線で成増図書館へ向かいます。

§ 1日目の2館目 成増図書館

成増図書館の問題は、成増駅北口にある歌碑に関するもの。成増駅北口は、成増図書館に行くときはもちろん、赤塚図書館に行くときにも通っているのに、そんな歌碑があることを初めて知りました。最初は地域資料の棚で手掛かりがあるかと探してみましたが、歌碑だと文化財にはならないのか、文化財関係の資料を見てもそれらしきものに関する情報は見つからず。歌の方から探そうと、参考資料(事典類)コーナーに移動して『日本童謡事典』で答えを見つけました。

ちなみに、クイズラリーの問題はネットで検索すれば答えがわかるものも多いですが、図書館の企画なので私は図書館を使って答えを調べることを自分に課しています。答えを探す過程で「こんな本があるんだ」「こんな情報を知ることができた」という発見があるのも楽しく、このときも成増図書館の参考資料コーナーを初めて見て、音楽に関する事典だけでもたくさん所蔵していることをあらためて認識しました。

§ 1日目の3館目 赤塚図書館

お次は成増駅からバスで行ける赤塚図書館です。ここでの問題は、赤塚図書館のキャラクター「あかりん」がモチーフにしている果物は何でしょうというもので、図書館資料を使って調べるというより、図書館のどこかにあるであろう説明を探すことになります。

あかりんちゃんは、赤塚図書館Facebookページのアイコンになっている女の子。あかりんちゃんの可愛らしい雰囲気からしてイチゴかなと思っていましたが、クイズで出題されてあらためて考えると、イチゴの赤とは少し違う気もする。そして、館内のどこを探せば正解があるのか、キャラクターだから児童室?図書館全体のことだから入口付近?…と館内をさまよった結果見つけました(場所は内緒)。正解を知ると、確かにそれっぽい赤だと納得します。

このクイズラリーでは、回る過程で3問正解するごとに記念品がもらえます。私の場合、赤塚図書館が3館目だったので、ここで記念品をいただきました。過去のクイズラリーの記念品はブックカバーだったのですが、今回は図書館の名前が入った鉛筆。そして、後に6問目の正解をしたときに気付いたのですが、過去の記念品が全館共通だったのに対し、今回は各館ごとに違う記念品を用意してくれたようです。

板橋区立図書館クイズラリー2018 赤塚図書館記念品
§ 幻の4館目 西台図書館

板橋区立図書館の中では、赤塚図書館と西台図書館が鉄道駅から離れており、全館を巡るというミッションのハードルを高くしています。ただ、この2館はバス1本と徒歩で行ける位置にある。そこで、赤塚図書館の次に西台図書館へ向かい、図書館の中へ入ろうとしたら…休館でした。

実は、このクイズラリーの実施期間である2018年10月20日から11月25日までの間に、2つの図書館の改修工事による休館が入っています。志村図書館が10月いっぱい休館、西台図書館が11月5日から25日まで休館で、全館回るには11月4日までに西台図書館に行き、11月以降になってから志村図書館に行くことが必要というわけ。また、蓮根図書館も特別整理期間なのでそれほど長くはないけど、11月12日から17日まで休館です。図書館巡りの企画なのに図書館が使えない期間にかかるというのは、とても残念です。

私がクイズラリーを始めたこの日は11月13日で、時すでに遅く、実施期間内に西台図書館で答え合わせができないことは確実になってしまいました。東京図書館制覇!内には23区立図書館の新設・移築・改築予定リストというページがあり、西台図書館の改修工事による休館のことも載せていたのに、クイズラリーを始めたときにはすっかり忘れていました…。

願わくば、せめて11月末日までこの企画を延長して欲しいところですが、さすがに西台図書館が休館した後は他の図書館でも答え合わせしてくれるだろうと、勝手な期待をすることに。気を取り直して、次の高島平図書館へ向かいます。

§ 1日目の4館目 高島平図書館

高島平図書館の問題は、「高島平団地ができた時、テレビや新聞で<東洋一の●●●●団地>と呼ばれていました」の●部分を答える問題。これを図書館資料で調べるのはかなり難しく、『板橋区史』『目で見る練馬・板橋の100年』『昭和30年・40年代の板橋区』など板橋区の歴史を振り返る資料にも記述なし、『高島平三丁目自治会10年誌』など団地の人による資料をざっと見ても見つかりません。高島平に関する資料ではなく新聞記事から探そうかとも思いましたが、高島平図書館で使えるデータベース「聞蔵IIテキスト」(朝日新聞の記事検索データベース)は1985年以降の記事の収録なので、高島平団地ができた1972年当時の記事は見られない。結局、「図書館の資料で答えを探す」という自分ルールを破って、自分のタブレットでネット検索し、答えを見つけました。

後になって考えると、「聞蔵IIテキストは1985年以降の記事だから、この問題の答えは調べられない」という判断が間違っていて、それ以降の記事にも「できた当時は~と呼ばれていた」のようなかたちで載っている可能性がある。実際、自宅で有料の新聞・雑誌記事横断検索を使って、「"高島平団地"と"東洋一"の両方の言葉が載っている朝日新聞の記事」という条件で検索したら、2013年1月7日の記事でまさに「当時は~」という書き方で答えが載っていました。私の図書館での調べ物スキルはまだまだ低いと反省してしまいました。

ただ、この問題の答えを求めて地域資料を読むなかで、知らなかったことをいろいろ知ることができたのが面白かった。『高島平 その自然・歴史・人』という本では、課長クラス以上の入居者を想定して分譲価格・賃貸価格を設定したものの、実際に入ってきた世帯の多くは若い世帯だったという実態を紹介。広い家を確保できたことで子どもを作る一方、家賃が高いので共働きが必要になり、まずは保育園が足りない、しばらくたつと学校が足りない…と、一気に世帯数が増えることによる弊害が表れてきたので、その後に開発された団地は、少しずつ開発するかたちにしたそうです。また、団地の住民による資料を読むと、この高島平図書館も住民の強い要望で作られたこと、それがなかったら高島平図書館がある辺りにも団地の棟が建ったかもしれないことがわかり、住民の皆さんの行動に感謝しました。

答えの調べ方がうまく思いつかなかったのと、調べる中で見つけた本をしばし読みふけってしまったことで、気付いてみれば高島平図書館で1時間半ほど過ごしており、閉館時間が迫ってきたので1日目はここで終了しました。できれば、2枚目の問題用紙まで制覇したいと思っているのですが、実施期間内に制覇できるでしょうか。1日目が終わった状態の問題用紙は空欄がいっぱいで、もう少し埋めていきたいところです。

板橋区立図書館クイズラリー2018 問題用紙1日目