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板橋区立小茂根図書館

板橋区立小茂根図書館 訪問記

last visit:2012/10/25

板橋区立小茂根図書館は、小竹向原駅の近くにある図書館です。遺跡が発見された場所に建てられた図書館で、日本史の資料の収集に力を入れています。

§ 図書館の場所

小茂根図書館の最寄り駅は小竹向原駅。3番出口から地上に出たら、階段で出てきた方向から折り返すように進み、最初の信号「小竹向原駅前」交差点で右折、台橋通りを道なりに進んでいきます。道がやや登り坂になってきた辺り、「小竹向原駅前」交差点から300m弱ほどのところで、道の右側にある白い建物が小茂根図書館です。

小竹向原駅は板橋区と練馬区の境にあり、駅から練馬区側に同じ距離を進むと、練馬区小竹図書館があります。この付近に住む方は、どちらの図書館も使えるわけですね。羨ましい!

§ 図書館内の様子

道のりで書いたように、ゆるやかな坂になっている場所に図書館が建っていて、図書館入口は路面からやや上がったところにありますが、図書館の裏側は路面の公園とつながっているようなかたちになっています。公園から図書館に直接入れる入口もあるのですが、残念ながら施錠されています。

建物はV字型のワンフロアで、「V」の字の尖った辺りが入口になっていて、左に延びているエリアが児童エリア、右に延びているのが一般書架です。V字に挟まれたあたりが上で書いた公園にあたるかたちですね。カウンターは一般書架の手前にあり、入口入ってすぐ右の通路に入っていくと、自販機コーナーや視聴覚室があります。

§ 児童コーナー

児童コーナーはそれほど装飾などもなく、ずらっと本棚が並ぶ空間。奥の靴脱ぎスペースにはひょうたん型のテーブルがあったり、区切りのいい時間になると鳩時計がなったり、シンプルだけど設備が可愛らしいですね。

絵本は日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、タイトルの五十音順に並んでいます。但し、赤ちゃん絵本に関しては、出版社の五十音順に並んでいます。紙芝居もタイトルの五十音順に分類されていて、絵本の棚の間に点在して置いてあります。児童読み物は、日本人作家のおはなし、英米作家のおはなし、ドイツ人作家のおはなし…といった具合に国・地域別に分けたうえで、著者姓名五十音順になっています。

面白いのが、「こもちゃん新聞」という児童向けの図書館新聞。「こもねのゆかいななかまたち」という4コマ漫画があり、図書館職員さんの人柄がわかる内容なんです。私の手元には2012年10月24日号しかないのですが、この号の掲載分が「こもねのゆかいななかまたち」No.9なので、たぶん毎号連載しているんじゃないかな。ちなみに、この2012年10月24日号は、犬に似ている職員さんの話。小茂根図書館の常連さんなら、ここに出てくる人たちが実際誰なのか知りたくなるのでは。

§ 一般書架

一般書架エリアは、V字の内側の窓際に沿って新聞・雑誌があり、外側の方に書架がずらっと並んでいます。CDはカウンターに沿った棚に並んでいますが、手前側に透明な仕切りがあり、利用したいCDを職員さんに言って取り出してもらう半閉架システムになっています。また、閉架でLDも所蔵しており、館内閲覧できますよ。公園側にはテラス席があり、天気がいい日には屋外で読書することもできます。

日本の小説は著者名の五十音順、但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に五十音順の並びに入れられています。例えば、川田弥一郎(カワダ ヤイチロウ)が書いたの本の隣に、6人の作家による『川に死体のある風景』(カワニシタイノアルフウケイ)という本が並び、その隣に河畑孝夫(カワバタ タカオ)が書いた本がある、といった具合になります。外国の小説は、「英米文学」「ドイツ文学」といった具合に国・地域別に分類したうえで、著者の姓名の五十音順に並んでいます。

パソコン利用については、カウンターに近い付近にネット閲覧PCが2台あるほか、公園に面して出っ張っているスペースがパソコン利用優先席になっています。ガラス張りの空間で、天気のいい冬などはぽかぽかして居心地よさそうだけど、夏は暑いかもしれません。

書架を見ていて、区境に近い図書館ならではと思ったのが、雑誌バックナンバーのラックに、板橋区の広報だけでなく練馬区の広報もあったこと。実際にどちらの区民も利用している現れでしょうね。練馬区がいいサービスをしたら、板橋区でもやるべきだという声が出そうだし、両方の広報があることが双方の高めあいにつながるといいですね。

書架を見ていると、見出しが多くて本を見つけやすいです。例えば、料理の棚は「お弁当」「おもてなし」「健康食」「和食」「野菜料理」「肉料理」「魚料理」「豆腐・豆」「簡単料理」…と言った具合でかなり細かいです。いや、家事関連本は利用が多いので細かく分類してくれる図書館も多いのですが、小茂根図書館は一般書架全体にしっかり見出しをつけてくれています。

§ 遺跡があった場所に建てられています

今はひっそりとした住宅街である小茂根ですが、実は旧石器時代から江戸時代、太平洋戦争時に至るまでの遺跡が発掘された場所なんですよね。図書館のV字の内側にある公園は根ノ上遺跡緑地で、公園の真ん中に遺跡が残っています。図書館が建っている場所も遺跡が発掘された場所で、児童エリア手前左に土器の複製が展示されているほか、建物の位置と遺跡の位置を重ねた図があります。図によると、ちょうど環濠が通っていた場所に、図書館が建っているかたちですね。

その関連で、図書館資料としても日本史の資料に力を入れて収集しています。上で小茂根図書館の書架は見出しが多いと書きましたが、日本史の棚を見ると一見見出しが少ないように見えるんです。でも、棚の内容をよくみたら、見出しが少ないのではなく、同じ分類に該当する本の冊数が多くて、そのせいで見出しが少ないように見えていたんです。古代、中世、近世、近代…と時代ごとに分類されているのですが、どの時代も地域館にしてはかなり多いといえる冊数で、日本史好きの方にはお薦めです。

図書館は新しい資料から古い資料まで揃っていて、情報を通じて過去へと辿っていける施設ですが、建物が建っている場所自体が遺跡があった場所だと更にそうした過去への想像が膨らみますね。石器時代に獲物を狩る生活の途中で人が短期間とどまった場所、集落を作って暮らした場所に、現在はまた違ったかたちで人が集まっている…。この先また何百年と時が経ったら、今からは想像もつかないような新しい空間になっているかも?!本・情報を通じてタイムトリップできる図書館という空間、想像力を働かせて楽しみましょう!

板橋区立小茂根図書館 データ

住所東京都板橋区小茂根1-6-2 →Google Mapで見る
Tel03-3554-8801
開館時間9:00~20:00
定休日第3月曜(祝日は開館し、翌日を休館)
月末日(土・日曜・祝休日は開館し、直後の平日を休館。但し、3月31日は土・日曜・祝休日でも休館)
12月29日~1月4日
最寄駅
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線 小竹向原駅から徒歩7分
駐輪場建物北側(小竹向原駅から遠い側)に駐輪場あり
駐車場なし
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数137,435冊(2023/03/31現在、出典『板橋の図書館 令和5年度版』)
CD所蔵数11,461点(2023/03/31現在、出典『板橋の図書館 令和5年度版』)
カセット所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『板橋の図書館 令和5年度版』)
DVD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『板橋の図書館 令和5年度版』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『板橋の図書館 令和5年度版』)
設備
ブックポスト図書館正面入口向かって右の壁にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備CD試聴機1台あり
映像視聴設備LD視聴機1台あり
ネット閲覧PCネット閲覧PCあり。利用は1回1時間、次の予約がなければ更に1時間延長可能。利用申込受付は9:00~19:45、利用可能時間は9:00~19:55。板橋区ウェブサイト、データベースについては白黒1枚10円、カラー1枚50円で印刷可能。
2021/06/23に確認
持参PC利用パソコン利用優先席(2席)で持参PCの利用可能。電源あり。座席の利用は1人1時間、次の予約がなかったら1時間延長可能、1日の利用時間は2時間まで。
飲食設備等
  • 図書館正面入口入ってすぐ右の通路の先に飲料自販機1台あり。自販機のそばに椅子が3つあり、その付近では飲食可能。
  • 蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)の飲料に限り、閲覧席での摂取可能。但し、飲むとき以外は鞄にしまってくださいとのこと。