墨田区立図書館 寺島学校発祥之地ブックポスト

墨田区立図書館 寺島学校発祥之地ブックポスト 訪問記

喜楽里すみだ工房の敷地入口脇に墨田区立図書館の本・雑誌を返却できるブックポストが設置されています。ちなみに「寺島学校発祥之地ブックポスト」と書いていますが、特にブックポストに名前はなく、場所がわかるように当サイト内の呼称として私が名付けました。読んでいただければこう名付けたくなる理由がおわかりいただけるかと思います。

寺島学校発祥之地は、東武線の曳舟駅や京成曳舟駅から北西方面に10分程度歩いた辺り、東京都立墨田川高校のそばにあります。地蔵坂通りを曳舟から北西に進むと、東京都立墨田川高校裏門の先に喜楽里すみだ工房があり、そこの敷地入口に銀色のブックポストが立っています（Google Mapに写真をUPしておきました）。

そばに図書館があるわけでもなく、区の施設があるわけでもないところになぜ図書館のブックポストが？その理由は、ブックポスト向かって左にある寺島学校発祥之地の説明を読むとわかります。明治12年にこの場所に寺島村立寺島小学校が創立され、通りを挟んだ反対側にある現・第一寺島小学校へと発展、旧制中学校も誘致してこちらも現・東京都立墨田川高校へと発展したとのこと。この辺りはいわば古くからの学びの中心地だったんですね。

そうやって子どもの学び環境を整えた後、大人の学びの場として1929年、現在喜楽里すみだ工房が建つ場所に寺島町立図書館が開館しました。開館から戦争を経て墨田区立寺島図書館へと続く歴史は、閉鎖前の墨田区立寺島図書館訪問記「実は、激動の時代を生き抜いた図書館なのです」の節に詳しく書いてあるので、ご興味ある方はご覧ください。

その寺島図書館とあずま図書館が統合して、現在のひきふね図書館が開館し、寺島図書館とあずま図書館はともに閉館となりました。その際に、それぞれブックポストだけは設置しておいて、返すだけなら今までと同じ場所でできるようにした。時が経って、寺島図書館跡地には喜楽里すみだ工房が新しく建ち、あずま図書館が入っていた建物は千葉大学墨田サテライトキャンパスへと改修されましたが、ブックポストだけは残っていてそこに図書館があった記憶を留めている、というわけです。
※旧・あずま図書館のブックポストは、現在は300mほど南の文花出張所に場所を移しています

ブックポストそのものよりその設置場所に思いを馳せた文章を綴ってしまいましたが、使い方は閉館時間に返却できるように図書館に設置されているブックポストと同様に、本・雑誌のみが投入可能。CDやDVDなどの視聴覚資料は破損する恐れがあるのでブックポストには入れてはいけません。もちろんCD・DVDが付属している図書もNGで、それらの資料は図書館が開いている時間にカウンターへ返却する必要があります。また、墨田区立図書館を通じて貸出した他の自治体の資料も不可。ブックポストに返却できるのは、墨田区立図書館の本と雑誌だけです。

また、図書館とは別の場所に設置されたブックポストだからこその注意点があり、回収されるのが1日1回なのでブックポストに入れてから実際に返却処理が行われるまでにタイムラグがあります。翌日に図書館に行く予定があるなら、図書館とは別の場所に設置されたブックポストに返却するより、翌日に図書館に返却する方が早く返却処理されることもあります。ブックポストがある地蔵坂通りを曳舟駅方向に700m進んでいけばひきふね図書館があるので、どちらに返却するかは場合によって使い分けるといいでしょう。

新しい住民には図書館ではない場所にポツンとある謎のブックポストかもしれませんが、寺島図書館を利用したことがある身としては記憶がよみがえる懐かしい場所。曳舟からブックポストに向う途中に「東西南北」という小料理屋さんがあるのですが、その看板を見てから私の脳内にTHE 東西南北というバンドの「内心、Thank You」（1986年リリース）という曲が流れ、その曲の懐かしさと相まって、一人タイムスリップ状態に浸ってしまいました。いや、寺島図書館と「内心、Thank You」は何も関係なく、ただ私の中で両方とも「懐かしい」というだけなんですけどね（笑）。

墨田区立図書館 寺島学校発祥之地ブックポスト データ

住所	東京都墨田区東向島3-34-4　喜楽里すみだ工業敷地入口脇　→Google Mapで見る
Tel	03-5655-2350（ひきふね図書館）
利用時間	24時間利用可能
最寄駅	東武伊勢崎線・東武亀戸線 曳舟駅から徒歩8分 京成押上線 京成曳舟駅から徒歩10分 東武伊勢崎線 東向島駅から徒歩12分
駐輪場	なし
駐車場	なし