改築休館中に設置されていた足立区立東和ミニ図書館
東和図書館が改築のため休館した際、2016年7月1日から2017年7月30日まで、既に工事が終わった部屋を使ってミニ図書館が設置されていました。
以下は、改築休館中に設置されていた足立区立東和ミニ図書館の訪問記です。
改築休館中に設置されていた足立区立東和ミニ図書館 訪問記
足立区立東和図書館は、亀有駅から北西に900mほどの東和センターの中にある図書館です(亀有駅からの道のりはこちら)。現在、この東和センターが建物全体の改築中で、東和図書館も2016(平成28)年5月31日から2017(平成29)年8月31日まで休館していますが、建物のうち既に改築済みの部分に図書館カウンターと本棚を少し設置したミニ図書館を開設しています。
亀有駅といえば、記憶に新しいのが『こちら葛飾区亀有公園前派出所』200巻刊行記念の駅ジャック広告でしょう。亀有駅に近い図書館としては、駅の南南西に葛飾区立亀有図書館があり、こちらには漫画『こち亀』も蔵書として所蔵しているのですが、東和図書館では漫画を所蔵していません。ただ、亀有図書館が1981(昭和56)年に開設された比較的古い図書館であるのに対し、改築工事が終われば東和図書館は新しく生まれ変わったきれいな図書館になる。東和図書館と亀有図書館は、徒歩で移動するには少し遠いですが、自転車などを使えばそれほど時間はかからないので、亀有付近にお住いの方にはぜひ目的に合わせて2つの図書館をフル活用して欲しいです。
改築前の東和学習センターは、道路に面したところに東和地域学習センターと東和住区センターの入口があったのですが、今は前の入口があったところが工事中で塞がっていて、道路から見て左奥に東和住区センターの入口があります。でも、こちらから入ると東和図書館仮事務所には行けないので要注意。東和住区センターの入口に向かって右の外壁を見ると、小さな扉の脇に「東和図書館仮事務所」という立看板があるのが仮事務所への入口です。ここから2階へあがり、通路に沿って進むと受付が見えますが、これは東和地域学習センターの受付。ここで左に曲がって更に進んだ両脇にある2つの部屋を使って、休館中のミニ図書館を開設しています。
2つの部屋のうち、右側がカウンターと一般書架、左側が児童エリアとなっています。児童エリアに絨毯コーナーはありますが、2部屋ともに座席はないので、基本的には本を読んで過ごすというよりは貸出中心の施設です。大きさとしては、一般書架側の部屋が大会議室、児童エリア側が小会議室程度の大きさですが、一般書架側の半分は職員さんが使う事務所になっているので、利用者として使う分にはどちらも小部屋という印象です。
まずは、一般書架側に入ると、部屋に入ってすぐ右にカウンターがあり、そこから部屋の右半分がバックヤード、そして左半分に書架が並んでいます。座席がないので新聞・雑誌もなく、資料としては図書のみですが、限られた空間で手に取って選べる本を1冊でも多くするために、2つの部屋の間の通路にも文庫本の棚があるので、そちらもお見逃しないようにしてください。ラインナップとしては一般書架のうち半分程度は小説が占めています。
カウンター前に検索機も1台あるので、他の足立区立図書館の蔵書を検索・予約して、この仮事務所で受け取ることも可能です。注意すべきなのが、東和図書館が休館中の間は東和図書館の蔵書全てが検索対象から外しているので、仮事務所の本棚に並んでいる本も検索結果には出てきません。裏を返すと、仮事務所にある本は、来館した人だけが存在を知っている本ということ。だからといって特別な本が並んでいるというわけではなく、むしろ、人気作家の作品などを多く揃えていますが、よく見ると太田出版発行『家畜人ヤプー』などもあり、こういう幅広さが図書館の面白さだと感じます。
児童エリアは、入った目の前に絨毯コーナーがあり、その右に本棚があるという配置で、こちらも限られた空間に紙芝居・絵本・児童書を取り揃えています。一般書架と別部屋なので絵本の読み聞かせも気兼ねなくできるし、特に絵本はお子さんに絵を見せてお気に入りを探したいという点からも、絨毯コーナーを用意してくれているのは嬉しいです。
利用にあたって気を付けて欲しいのが、図書館が20時まで開館していたのに対し、この仮事務所は18時で閉まってしまうこと。私も一度、部屋違いとはいえ同じ場所にある仮事務所だし、開館日も図書館と同様なので、開館時間も変わらないだろうと思い込んで、18時過ぎに行ったら閉まっていた…という目に会いました。そのときに別の利用者さんも閉まっているのを知って呆然としていたので、この思い込みは私だけではないはず。私達のようなむなしい思いをせずに済むよう、ご注意ください。
足立区では、この東和図書館の改築による休館と同じ時期に、江北図書館も休館していたのですが、江北図書館が仮事務所も開設しない完全休館であるのに対し、東和図書館では既に改築が終わっているエリアを使って仮事務所を開設してくれています。おそらく、建物の設計や工事の順序などの問題で、仮事務所設置ができる場合とできない場合があり、不便な思いをしている江北地域の方には申し訳ない気もしますが、東和地域の方はせっかくの仮事務所をぜひ利用して欲しいです。
しかも、この手の仮事務所によくある「工事中の建物の一画にどうにか仮スペースを確保した」空間ではなく、「既に工事が終わった部分を活用している」空間なので、新しい施設を先取りして使っている気分になります。建物の改修工事が完了したら、東和図書館は元の場所と同じ、建物の2階南側にリニューアル開館するので、この部屋に本棚が並ぶのは改築工事のみ。期間限定のミニ図書館にぜひ足を運んでみてください。