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改築休館中に設置されていた世田谷区立代田図書館仮事務所

旧・代田図書館から現・代田図書館への改築のため休館した際、2009年11月3日から2014年3月20日まで、仮事務所が臨時に設置されていました。

以下は、改築休館中に設置されていた世田谷区立代田図書館仮事務所の訪問記です。

改築休館中に設置されていた世田谷区立代田図書館仮事務所 訪問記

last visit:2013/03/06
§ 事務所までの場所

代田図書館仮事務所は、京王井の頭線新代田駅から北へ300mほどの、世田谷区守山(まもりやま)小学校の敷地の一画を利用した施設です。新代田駅の改札を出たら目の前を通る環七を右へ進み、最初の歩道橋のすぐ先の路地で右折します。この曲がり角に「代田図書館仮事務所→」の看板が出ているので、すぐわかると思います。そこから70mほど進むと、道の左側に仮事務所があります。

この仮事務所は、守山小学校の校庭に作った施設なのですが、小学校の敷地に入る必要はありません。校庭の塀を少し変更して、校庭の隅っこを塀の外側にして、そこに仮事務所を建てた形になっています。校庭内であることさえ意識せず、道路から直接仮事務所に入ることができます。

ちなみに、新代田駅の北隣にある工事現場が新しい代田区民センター・代田図書館になるので、通りがけにぜひ覗いてみてください。工事現場の塀の一部がのぞき穴のある板になっていて、工事の様子を覗くことができます。当初の予定では2013年5月まで休館するということでしたが、2013年3月に覗いてもまだ地下部分の基礎工事を行っていたのでちょっと心配。改築工事中に震災もあったので、影響を受けているのかもしれません。新しい図書館ができるのを楽しみにしているので、碁関係者の皆さん、ぜひしっかり丈夫な建物を作っていただけるようお願いします。

§ 事務所内の様子

仮事務所に入ると、正面にカウンターがあり…というか、仮事務所なのでカウンターがメインの施設です。でも、本当にカウンターのみというわけではなく、検索機2台に、本棚が3つ。より詳しく説明すると、3段の可動棚1台と、2段の細い本棚が2つあります。お手洗いも男女別に設置されているし、オストメイト対応の多機能トイレまであるのも素晴らしい。図書館の仮事務所としてはもちろんのこと、車椅子の方や人工肛門・人工膀胱の方は、オストメイト対応の多機能トイレのある場所として、この仮事務所の場所を覚えておくといいと思います。

わずかな本棚の中身を見ると、大人向けは文庫中心、子ども向けは絵本が多いなど、限られた空間に多くの冊数を置けるよう選んでいる様子が伺えます。もちろん、ここにない本も、2台の検索機を使って検索・予約できます。この辺にお住まいの方は、読む本が決まっている場合は代田図書館仮事務所で取り寄せ、棚のなかからあれこれ本を選びたい場合は、他の図書館へと使い分けるのがいいと思います。この仮事務所から一番近い世田谷区立図書館は梅丘図書館、また、隣の区になってしまいますが、渋谷区の笹塚図書館も近いです。

このほか、玉川上水をたどった写真があったり、2012年6月に行ったときには、井の頭線東松原駅でのあじさいのライトアップの情報が掲示されていたり、地域の情報も積極的に発信しています。奥の方には、世田谷文学館が作成した「シモキタザワ 猫町散歩」も掲示されていて、仮事務所を出たら下北沢まで足を伸ばしたくなります。私も一度、この仮事務所から下北沢まで歩いたことがありますが、道ががなり入り組んでいる住宅街なので、初めて歩く場合は地図が必須です!

こちらの仮事務所、普段は静かな様子ですが、守山小学校の子どもが下校する時間になると大賑わいです。ある意味、仮事務所ではないきちんとした図書館だと一般の利用者もいるから大騒ぎはできないけど、座席もない仮事務所なら長く滞在する人が少ないし、子どもたちが少しくらい騒いでも大丈夫。職員さんとお話したり、友達と話ながら本を選んだりできるし、仮事務所であることがかえって子どもたちと職員さんとの距離を縮めているかも。私もちょうど下校時間にいたことがあるのですが、先頭切って仮事務所に入ってきて検索機に駆け込んだ子どももいれば、皆の合間を縫ってそっと検索している子もいたりして、うまく使っているなあと感心しました。

§ 仮事務所なのにここまでするとは!

代田図書館仮事務所は、単なる長期休館中の仮事務所の域を出て、いろんな工夫をしてくれているんです。まず、世田谷区立図書館ここにありと思ったのが、入口入った正面にあるリサイクル本コーナー。世田谷区立図書館は、全館にリサイクル本コーナーを設置していて、図書館の除籍蔵書だけでなく、利用者が古本を持ち寄ったりもらったりすることができるんですね。ただ設置されているだけでなく、実際置かれている古本も多いのですが、それを図書館改築中の仮事務所にもちゃんと設置するとは。世田谷区といえば、北条氏政の時代から続いているボロ市が有名ですが、そんな土地柄を反映しているのかもしれません。

また、3つの棚のうち1つを使って、ダイタンのちびっ子読書検定という企画を行っています。物語の中身にまつわる問題が出題された問題用紙と一緒に、問題になっている本が置いてあるので、その場で読んだり借りて読んだりすることができます。詳しいことは上記リンク先の記事に書きましたが、図書館が問題を作っているだけでなく、代田図書館仮事務所を使っている子どもも問題の作り手になっているんです。検定には大人も参加できるので、家族みんなで参加できますよ!仮事務所でこうした企画を行うのも珍しいですよね。

猫町散歩の掲示なども、下北沢から一番近い図書館ということで、下北沢に関する資料を収集しているようです。仮事務所でもできることをしているというより、既に新図書館ができた後のことまで見据えて、仮事務所を運営しているんですね。仮事務所でもいろいろな企画を楽しめるし、新しい図書館への期待もますます盛り上がります。新しい図書館ができたらこの仮事務所がなくなると思うと残念に感じてしまうくらい(笑)。普段は別の世田谷区立図書館を利用している方も、ぜひ一度代田図書館仮事務所を利用してみてください。下北沢散歩とからめた利用などお勧めです!

改築休館中に設置されていた世田谷区立代田図書館仮事務所 特集・行事・図書館だより感想記

―2010年からの企画
ダイタンのちびっ子読書検定は世田谷区立代田図書館の改築工事中の仮事務所で行っている読書検定です。図書館が問題を作成しているだけでなく、利用者の小学生が作成した問題も配布しています。