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世田谷区立池尻図書室

世田谷区立池尻図書室 訪問記

last visit:2013/01/24

世田谷区立池尻図書室は、池尻三丁目公園のそばの建物にある小さな図書室です。

§ 図書室への道のり

池尻図書室は池尻大橋駅から徒歩10分ほど。駅から行く場合は、改札を出て左に折り返すようなかたちで西口に出ます。目の前を通る国道246を右(三軒茶屋方面)に向かい、300m弱のところにある「池尻」交差点(左先に池尻稲荷神社がある交差点)で右折します。200mほど行った道の左側にスーパーのOzekiがあるので、Ozekiの次のマンションの先で右折、この道が奥まったところにある公園に続いているのですが、公園の左に池尻図書室が入っている建物があります。

池尻大橋駅は世田谷区と目黒区の境目にあり、駅からは目黒区の大橋図書館も近いです。この辺にお住いのかたは、池尻図書室と大橋図書館の両方を使っている人もいるのでは。

§ 図書室の様子

池尻図書室が入っているのは、区の出張所や集会所などが入っている複合施設。といっても、それほど大きな建物ではありません。図書室は建物の2階にあり、木枠の扉を押して中に入るかたちの部屋になっています。中に入ると右先にカウンターがあり、カウンターの正面から奥にかけてL字に書架エリアが広がっています。手前側が一般書架、奥が児童コーナーや新聞・雑誌コーナーという配置で、CDなどの視聴覚資料はありません。

図書室なので図書館に比べたら小規模ですが、世田谷区にある5つの元まちかど図書室の中では希望丘図書室に次ぐ広さだと思います。「思います」というのは、喜多見図書室がリニューアルしたばかりで面積がわかる資料が手元にないからなのですが、見た限りでは池尻まちかど図書室のほうが広いです。棚と棚の間も広いのでゆったりと本が探せますよ。

蔵書としては日本の小説の割合が大きいです。一般書架の各ジャンルの棚を見ても、専門書というよりは日々の暮らしに役立つ本が多い印象ですね。料理の本なども、「食品(魚、肉、野菜)別料理」「洋食」「和食」「カレー・男の料理」「弁当」「パン」「お菓子」等々細かく分類されていて、目当ての本を見つけやすいです。辞典も、大活字本の国語、漢和、英和、和英、ことわざ、カタカナ語辞典と揃っているので、細かい字が苦手な人でも使いやすいです。

日本人の書いた読みものは、小説とエッセイを一緒にして著者姓名の五十音順に並んでおり、複数作家による作品集は「ん」に分類され、日本の小説・エッセイの並びの最後にあります。外国の小説は、国別分類はせずに“外国文学”でひとまとめにして、日本の小説と同様に著者姓名の五十音順。複数作家による作品集も日本の小説・エッセイと同様に「ン」に分類されています。

雑誌は女性誌に割合が高いです。雑誌コーナーが児童用のソファのすぐそばにあるので、お子さんが絵本を読んでいる間にお母さんが雑誌を眺めるといった利用もしやすいです。絵本や紙芝居もあるので、小さいお子さん連れできても楽しめるものがいろいろあります。

絵本は、日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、「小さい絵本」「大きい絵本」「(普通サイズの)絵本」に分類したうえで、タイトルの頭文字で分類されています。児童読みものは、日本人作家のおはなしと外国人作家のおはなしを別にしたうえで、著者の苗字の頭文字で分類されています。

§ システム導入されていないアナログ図書室
※2016年4月1日から、池尻図書室にも世田谷区立図書館ネットワークが導入されています。以下は、導入前の様子です

喜多見まちかど図書室を除いた4つの世田谷区まちかど図書室は、世田谷区立図書館ネットワークに入っておらず、区立図書館の利用者カードを持っている人もこの図書室を使う場合は別途登録する必要があります。登録してみるとわかるのですが、貸出の仕組みも昔ながらの方式で、1人3枚貸出券が発行されて、貸出券1枚をカウンターに預けるとそれと引き換えに本が1冊借りられ、本を返すと利用者カードが戻ってくるという仕組みです。

こう書くと、どうして喜多見まちかど図書室だけ世田谷区立図書館ネットワークに入っているんだと思う方もいるかもしれませんが、喜多見まちかど図書室も以前は別登録する仕組みだったところ、2012年に改築工事を終えてリニューアル開館した際に区立図書館システムを組み込んだのです。『世田谷区立図書館ビジョン第2期行動計画』という資料には、「まちかど図書室への図書館情報システム導入により、区民の利便性の向上を図る」とあるので、こうしたかたちで残りのまちかど図書室も順次区立図書館ネットワークに組み込まれると思います。

現時点では他館からの取り寄せなどができないので、図書室の少ない蔵書の中からしか借りられない、開館時間も17時までと短い、などのデメリットがありますが、逆に言うと、どんな人気本でも池尻まちかど図書室に来れる人しか借りることができないというメリットもあります。つまり、区立図書館では予約待ちが何人もいるような本が平気で棚に並んでいたりすることもあります。現に私が2006年に池尻まちかど図書室に行ったときには、当時世田谷区立図書館での予約数が239件にもなっていた高村薫の『新リア王』が誰にも借りられずに棚に置いてありました。

こうしたメリットは使わない手はないですよね。検索機を使った検索などはできないので、自分が読みたい人気本を図書室で所蔵しているかどうかを知るには実際に図書室に行かないとわかりませんが、掘り出し物を探すつもりで利用するとちょうどいいかもしれません。池尻に来られる人だけの特典みたいなものですね(笑)。

道のりのところで書いたように、目黒区の大橋図書館や、世田谷区立図書館の中では下馬図書館が近いので、それらと併用して上手な図書館利用をしたいところ。公園のそばにあるのでお子さん連れで公園と図書室へのお出かけをするのもいいし、スーパーにも近いから買い物ついでに図書室へ行くこともできます。ぜひ、暮らしの中で図書室をぜひ楽しんでください。

世田谷区立池尻図書室 データ

住所東京都世田谷区池尻3-27-21 2階 →Google Mapで見る
Tel03-3413-3396
開館時間9:00~17:00
定休日月曜(祝日と重なる場合は開館し、翌日を休館)
12月29日~1月3日
最寄駅 東急田園都市線 池尻大橋駅から徒歩10分
駐輪場建物入口手前右に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数18,535冊(2021/03/31現在、出典『世田谷のとしょかん 令和3年度版』※団体貸出センターの図書数は中央図書館の図書数に加算
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物入口向かって左の壁面にブックポストあり 。開館中の使用は不可。
自動貸出機自動貸出機あり
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用不可
LAN接続なし
飲食設備等なし