本の福袋
visit:2014/01/05
図書館の「本の福袋」ってご存知ですか?中身が見えないように本を1~数冊袋に入れており、利用者は何が入っているかわからないまま借りるという企画です。でも、中身が全くわからないというわけではなく、中身のヒントになるようなキーワードやテーマが袋に書いてあり、借りたい人はそれを頼りに借りる袋を選ぶかたちです。
「福袋」といっても、お買得の商品を入れたお店の福袋とは違い、あくまでも「中身を隠して貸し出す企画」なので、中に入っている本は期限までに返却する必要があります。ただ、返却の際は普通の貸出本と同様に1冊ずつで構わないし、紙袋は返却する必要はありません。この企画は多くの図書館で、年末年始、夏休み、秋の読書期間などによく行われるイベントです。
その「本の福袋」が豊島区上池袋図書館でも実施されると知り、私も行ってきました。図書館に入って左の雑誌ラックの端を見ると、大きな白い封筒がずらっと並んでいます。封筒には、「お寺に行ってみよう」「本屋エピソード」「暦と天文のふしぎな関係」「紅茶の世界にひたりませんか?」「なつかしい鉄道の旅」「おひとりさまご用達」「語る・語る!」「メンズ・ファッション」「お寺に行ってみよう」「かわいいものは好きですか」「小さなことから人生は変わる」といった袋のテーマが書かれており、中身は全て2冊。この中から好きな袋をカウンターに持っていって借りるというわけです。
私は本の福袋企画が好きで、利用登録している図書館で開催しているのを知ったら必ず足を運んで借りるのですが、上池袋図書館の福袋企画は「福」に関するテーマの比率が多かったです。具体的にあったテーマを挙げると「幸せをつかむ顔・心」「幸せを呼ぶスポット」「福を呼ぶ小物」「幸せになる!風水・かたづけ」「福を呼ぶ ゆらゆら・くるり お守り文様」「福をさずける神々 招き猫コレクション」「神様に出会うお守りをさがす」という袋があり、並んでいる袋のうち1/3程度が「福」関連というかたちです。
また、こちらに並んでいるのは大人用福袋で、これとは別に子ども用の3冊入り福袋も用意されているんです。そちらは児童コーナー入ってすぐ右の棚、ここは普段はオススメ本を展示している棚なのかな、そこに本が入っている紙袋が並んでいます。子ども用のほうは、「3,4歳向け おさんぽ」「1,2年生向け カレーライスのお話」といったように対象年齢が書かれており、お子さんの年齢にあった袋が選べるようになっています。このほかには、「3,4歳向け きこえるかな?」「5,6歳向け びっくり・すごい」「5,6歳向け くるま・じどうしゃ」「3,4年生向け 話をする動物たち」「5,6年生向け 変わった仕事」などの袋がありました。
ずらっと並ぶ袋の中から私が選んだのは、写真の「語る・語る!」です。実は「おひとりさまご用達」に目をつけていたのですが、子ども用福袋を見にいった2,3分間のうちにどなたかに借りられてしまいました。私が福袋の前にいた数分の間にも立ち止まって福袋を見る方が多かったし、やはり人気があるんですね。好きな袋を借りたい方は、どうぞお早めに貸出手続きしてください。
豊島区立図書館のシステムでは貸出レシートに借りた本が印刷されてしまうので、貸出手続きの際には職員さんが貸出レシートを裏返して渡してくれました。そういう点では、「本の福袋」企画にとって、貸出本の詳細を印刷してくれる図書館システムは邪魔モノかも(笑)。
ちなみに、同じく豊島区で福袋企画を行っていた駒込図書館では、福袋企画用に返却日だけを押印した昔ながらの貸出票を用意しており、福袋を借りた人には通常の貸出レシートではなく、そちらを渡してくれました。いろんな図書館で開催している福袋企画ですが、細かいところで各館の特徴があるのが面白いです。
さて、何が出るかな、何が出るかなと開けてみた中身がこの写真。入っていたのは、大竹しのぶ対談集『この人に会うと元気になれる!』と佐野洋子対談集『ほんとのこと言えば?』の2冊。個人的には両方対談集ではなく違うジャンルの本の組み合わせの方が面白いようにも思いますが、どちらも読んだことがないし、この機会がなかったらこれからも読まないであろう本なので、読むのが楽しみです。
図書館ってあらゆる本がある場所なのに、頻繁に利用している人でも特定の棚ばかり見てしまいがち。本の福袋企画は、そんな偏りを越えていつもとは違うジャンルの本に出会うきっかけになると思います。そういう意味では、普段手に取らないジャンルが入っていそうな袋を選んでみるのもいいかもしれませんね。図書館資料の幅広さが体験できる「本の福袋」、ぜひ皆さんも楽しんでください。