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赤レンガ図書館の冒険

―2014年3月24日から4月5日までのイベント
visit:2014/04/01
§ 図書館での脱出ゲーム

この文章はインターネット上のサイトにUPしているものなので、読んでいただいている方は皆、パソコンやスマートフォンをネットにつなげていることでしょう。電子書籍での読書も珍しいものではなくなっており、情報端末は私たちの生活に溶け込んでいます。もし、その情報端末が全て使用不能になったら…そんなSF的な設定のもとに繰り広げられる脱出ゲーム風イベントが、2014年春に北区立中央図書館で開催されており、私も参加してきました。

SCRAPさんが全国各地で開催しているリアル脱出ゲームは、本当に閉じ込められた場所からの脱出に挑戦するイベントですが、図書館で開催される脱出ゲームは一般の利用者がいる館内で謎解きを行います。2013年春に書泉グランデで開催された「本屋迷宮からの脱出」、同年10月に江戸川区立東部図書館で開催された「ミステリークエスト~東部図書館からの脱出~」、そして書泉ブックタワーで2014年春開催中の「漫画迷宮からの脱出」も同様の形式で実施されました。開催時期に、イベントのことを知らずに北区立中央図書館に来た人は、館内にある怪しい掲示物にびっくりしたのではないでしょうか(笑)。

イベントに参加するには、北区立中央図書館3階にある区民活動コーナーへ。イベント用の受付に行くと、ルール説明と注意点(走ったりしない、騒がない、ネタバレさせない、など)を書いた紙を見せられ、同意して申し込みすると、最初の案内が渡されます。この案内の設定が冒頭に説明したようにSF的な凝った内容になっており、西暦2XX4年、進化増殖する機械化ウィルス“ガラパゴス”によって世界が停止の危機にあるというもの。情報端末が全て使えなくなった世界で、「知の宝庫」として世界各地に残された「図書館」のどこかに、危機を回避する“何か”があるらしい。その“何か”を探して世界の停止を阻止できるか、“ガラパゴス”に立ち向かう“バスター”としていざ挑戦です。

§ 館内を回って謎を解け!

“何か”に辿りつくまでの謎は何段階もあり、最初に渡される案内をもとに謎を解いては職員さん(ライブラリアン)に持っていき、正解ならば次の案内がもらえるという仕組みです。いえ、このイベントのなかでは、ライブアリアンも、普通に勤務しているけど、実は精巧にできたアンドロイドということになっています(笑)。実際、通常業務を行っている職員さんに答えを持っていくことになるので、利用者ではなくバスターだと名乗らなければいけないのが少し恥ずかしい気もしますが、そこは羞恥心を捨ててバスターになりきるべし。

謎についてはネタバレになってしまうので詳しいことは言えませんが、謎を解くうちに、図書館にこんな設備があるのか、赤レンガ倉庫にこんな秘密があるのかと、北区立中央図書館のことがわかるのも楽しいです。イベントタイトルにもなっている赤レンガとは、戦前の陸軍兵器工場だった赤レンガの建造物のことで、北区立中央図書館は赤レンガ倉庫を改増築して建てられた図書館なのです。北にある公園側から建物をみると、歴史ある赤レンガと現代的な建築がミックスしているのが面白いです。

謎の中には、こんな細かい赤レンガの秘密に気付く出題者の職員さんにびっくりしてしまうようなものも。発見できるかどうかが勝負のものもあれば、頓智を効かせた謎もあり、最後まで辿りつけない人もいるそうです。ただ、このイベントは参加したその日に全ての謎解きをする必要はなく、会期中ならいつでも続きを始められるので、最終日まで挑戦し続ける人もいるんじゃないかな。バスターの皆さん、ぜひ最後まで頑張ってください!

個人的には、北区のコミュニケーション・マークが貼られた蔵書が好きなので、それについての問題があったのも嬉しかったです。私は、特に借りたいものが決まっていない状態で北区立図書館に来たときは、つい北区コミュニケーション・マークが貼られた小説に手が伸びることが多いです。そのマークがついているのはどんな本なのか…謎解きを進めるとわかるので、ぜひそこまで進んでください。

§ 果たして世界の停止は回避できるか?!

そんなかたちで次々と謎が出題されるなか、私は一つだけヒントが見つけられずに勘に頼ったものの、何とか謎を解いて、開始から40分後にゴール!たぶん、普段から北区立中央図書館を利用している人なら、これくらいの時間で解けると思います。このイベントに参加するのに北区立中央図書館に初めて来た人は、もう少しかかってしまうかな。中央図書館のことを知っているかどうかに関係ない頓智問題をクリアできるかも重要ですね。

そして、最後の謎を解いてライブラリアンに正解を認めてもらってゴール!と思いきや、そこから図書館内のとある場所に案内されます。そう、この謎解きは、世界の停止を回避する“何か”を探し出すためでした。“何か”によって停止していた世界が動き出すかどうか…この先は、最後の謎を解くことができた人だけのお楽しみです!全てを見届けた後には、図書館利用の際に(そして図書館利用以外でも)使えるオリジナルグッズもいただけるので、ぜひ最後まで辿りついてくださいね。

終わってみて振り返るに、謎解きを楽しみながら図書館に関する知識も身に付くイベントで、とっても面白かったです。北区立中央図書館には何度も来ているので、よく知っているつもりでしたが、まだまだ知らないことがあることにも気づかされました。ぜひまた開催して欲しいけど、謎解きを作るのが大変かな(笑)?

残り日数僅かですが4月5日まで開催しているので、ご興味ある方はぜひ挑戦してみてください。北区立中央図書館は月~土曜は20時まで開いていますが、このイベントは17時までなので、その点だけご注意ください(日祝は図書館自体も17時まで)。20時まで挑戦できたらとも思いますが、陽がある時間に利用したい場所にもヒントがありますし…おっと、余計なことを 言うとネタバレになってしまいますね(笑)。世界のために立ち上がるバスター達よ、いざ北区立中央図書館へ!