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北区立中央図書館

北区立中央図書館は、利用者用エレベーターが、2024年7月31日の大雨による浸水で故障して利用できない状態で、再開の時期が未定とのことです。この件に関する図書館からの公式情報はこちらです。

北区立中央図書館 訪問記

last visit:2013/04/09

北区立中央図書館は、王子駅北西の自衛隊十条駐屯地の東隣にある図書館。戦前の陸軍兵器工場だった赤レンガの建造物を利用した建物で、新旧をうまく調和させたデザインです。中の様子も、新しい設備やカフェが充実している一方で、北区の歴史がわかる「北区の部屋」があったり、新旧の資料が揃っています。

§ 図書館の場所

北区立中央図書館は陸上自衛隊十条駐屯地の東、駅でいうと王子駅・十条駅・東十条駅のどこからも等距離にあたる場所にあります。3つのどの駅からも行けるけど、どの駅からもやや歩かなければならないという微妙な立地なのですが(笑)、それが滞在型のいい雰囲気にもつながっていています。歩くのを避けたい方は、王子駅と駒込駅を循環する北区コミュニティバスに乗り、「中央図書館」停留所で降りれば、中央図書館の目の前で降りられます。

3つの駅の中で一番乗降客の多い王子駅からの道のりを書いておくと、JR王子駅だったら北口を出て左に行き、道路に出たところで線路に沿って右に進みます。最初の十字路で左折して坂を上っていくと、片側二車線の道路と交差するので、その交差点で右折します。100mほど進むと左側に「花辰」という花屋さんがあるので、その手前の道に入り、突き当りを左へ。200mほど進むと左側に中央図書館が現れます。

王子駅からの最短徒歩ルートは上のようなかたちですが、特に桜の季節は音無親水公園を通るルートがお薦め。王子駅北口を左に出ると、目の前に川沿いを歩くかたちの公園があるのがそれです。また、中央図書館から離れる方向ですが、音無親水公園の南東に伸びる飛鳥山公園は、落語などにも登場する桜の名所ですし、王子に来て中央図書館に直行してしまうのはもったいない気もします。時間があるときには、ぜひ王子散歩も楽しんでください。

§ 図書館の外観・中の配置

上の王子駅からのルートで建物の東側に辿りつくと灰色の低い建物に見えてしまう中央図書館ですが、段差がある場所に建てられており、東側の路面は建物の2階にあたります。中央図書館の外観を楽しむなら、東側から建物に入らずに、北の公園に降りてみてください。すると、建物西側が赤レンガのシックな建物になっているのがわかります。赤レンガ部の手前にはフリースペース(飲食できる空間)のテラス席もあり、本が好きではない人も来たくなりそうなくらいのいい雰囲気。

北区立中央図書館は、昔は京浜東北線を挟んだ反対側にあって、今の場所に移ったのは2008年6月。その際、戦前の陸軍兵器工場の一部として使われていた赤レンガの建造物を利用するかたちで建築しており、内部の鉄骨も当時のものをそのまま活かしています。北区中央図書館の愛称もそこからとって「赤レンガ図書館」といいます。中央図書館の西隣には自衛隊十条駐屯地があり、塀沿いから敷地内を覗くと、駐屯地内にも赤レンガ倉庫の名残が記念に残されているのが見えます。

そんな北区中央図書館、建物としては3階建てで、1階が一般書架、2階がこども図書館、3階が閉架書庫、ホール、区民活動コーナーという配置です。フロア構成はシンプルですが、面積が広いので、各フロアでさまざまな資料や設備を有しています。この広い施設を図書館以外の施設との複合施設ではなく、図書館だけの施設にしてくれたのが何とも贅沢で嬉しい限り!いろいろな棚をみて回りたい方は、ぜひ歩きやすい靴で来てください。

§ 一般書架

特に1階の一般書架の広さは圧巻です。1階の配置をざっくり説明すると、公園側(北側)の入口から入って、すぐ右にカフェ・フリースペースがあり、その先が書架エリア入口となっています。一般書架エリアを入るとすぐ左に返却カウンターがあり、正面に総合カウンター。この総合カウンター前の広場が建物の中心で、左右どちらにも広い書架が広がっています。総合カウンター前の広場から頭上を見上げたところは、2,3階を抜けて陽がふりそそぐ天窓「光の井戸」になっています。一般書架フロアは、資料の場所を探しやすいいように1番区、2番区…とエリア分けしているのですが、それが6番区まであるということが中央図書館の広さを物語っています。

まず、東側(図書館エリア入っての左)のエリアから紹介しますと、中央に中庭状の読書テラス(ここでも本を読める)があり、それを囲むように、新聞・雑誌コーナー、CD・DVDコーナー、小説、家事関連本、中高生コーナー、公開書庫があります。読書テラスは総合カウンターとは反対側の中高生コーナー側から出入りするかたちで、ドアが重いので出入りする際はそのつもりでどうぞ。

そして、西側(図書館エリア入って右)のエリアは、赤レンガ倉庫の構造を活かした空間で、社会科学・自然科学、地域資料、外国語図書が並ぶ低い本棚がずらっと並んでいます。ネット・データーベース閲覧PC、CD・ビデオ・DVD試聴機、研究個室など各種設備も揃っています。書棚を見るとところどころで関連した分類の案内があり、本探しの手助けになります。たとえば、「383.9 住生活史」の棚には「521.86/527 にも関連図書があります [2番区 書架No.42/43] 」という案内、「336.55 文書整理・ファイリングシステム」の棚には「014 にも関連図書があります [1番区 書架No.1] 」といった具合に、棚番号も示してくれているので、これらを使いこなして多くの本に出会いたいです。

西側の壁沿いには、「ビジネス情報コーナー」「法律情報コーナー」「教科書」「特別支援教育」「科学教育」「地球環境」「闘病記」といった常設コーナーもいろいろあります。例えば、「法律情報コーナー」なら、「近隣トラブルに関する本」「多重債務問題」「離婚問題」「相続・遺言に関する本」「借地・借家の法律問題」など、身近な暮らしにかかわる本が並んでいます。一般書架にも法律に関する本はたくさんあるので、こちらの常設コーナーで目当ての本がなければ一般書架の方へも手を広げるなどしたほうがいいですね。レファレンス(調べもの相談)カウンターも西側にあるので、目当ての本がなかなか見つからなかったら、遠慮なく相談しましょう。

蔵書はICタグで管理をしており、1階カウンターの対面に自動貸出機が並んでいます。北区の自動貸出機は他の図書館で使われているものとは少し違っており、台の上に本を置いて読み取るタイプではなく、ブックスタンド状のものに本・CDを立てかけて読み取るかたちです。このブックスタンド状の仕切りは、よくみると北区のコミュニケーション・マーク(桜の花びらで「K」の文字をかたどっている)になっています。そういえば新聞・雑誌コーナーのテーブルや新聞書架台のそばにあるソファも桜の花びらをかたどっているので、席が空いていたらぜひ座ってみてください。

日本の小説は著者姓名の五十音順、但し、複数の著者による作品集は「913.68 複数著者の作品集」という分類になり、五十音順の並びの隣の本棚(71番)にタイトル五十音順に並んでいます。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別に分類したうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。

また、これは中央図書館だけでなく北区立図書館全体で行っている表示ですが、本の背に北区のコミュニケーションマーク(桜の花びら3枚で「K」の文字をかたどっている)が貼られているものがあり、このマークがついている本は作中に北区が登場します。中央図書館の蔵書の中では、谷口桂子さんの『ケンカこでまり』や堀江敏幸さんの『いつか王子駅で』などに北区マークが貼られています。星新一さんの『祖父・小金井良精の記』が上下巻あるうちの上巻にのみ北区コミュニケーションマークが貼ってあるところを見ると、上巻だけに北区が登場するのでしょうか。

視聴覚資料としては、開架の棚にCDとDVD、閉架でカセットを所蔵しています。DVDはジャンルも様々で、一般の映画はもちろん、「北の国から」「大地の子」といったテレビドラマ、児童向けアニメ、風景散歩、芸術、落語、歌舞伎、相撲など、さまざまなジャンルが揃っておます。館内にDVD試聴機もあるので、ご自宅にDVDプレーヤーがない方も図書館内で見ることができま す。

§ パソコンサービス

ネット閲覧PCは15台と台数が多いですが、PDFファイルが見られるPCと見られないPCがあるんですよね。本来は全てPDFファイルが見られるようになっているはずと聞いたので、設定を全てしっかりして欲しいところです。また、2008年11月に利用したとき、使い終わったら利用者が再起動するように言われて、これは2008年8月に利用したときには言われなかったので、そのように運用が変わったようです。

ネット閲覧PCは、ページ印刷(A4サイズで1部のみ。1枚10円)やダウンロードもできるんですね。但し、印刷は行政機関の広報ページや研究機関の研究成果公表ページなど、ダウンロードは「印刷の対象となるサイトで、CSV形式によるデータのダウンロードが用意されている場合」「国および地方自治体等が提供している各種手続き・申請書等の様式類」といったように、条件を満たしたページ・データに限ります。印刷・ダウンロードをしたい場合は、申込書にサイト名やページのアドレスを記入してカウンターに出せば、それを職員さんが印刷・ダウンロードするという仕組みです。ダウンロードの場合は、FD等の記録媒体を自分で用意してくる必要があります。

また、音漏れやキーボードを打つ音がうるさくないよう配慮すれば、一般書架内のどの席でも持参PC使用が可能です。無線LAN設備もあり、図書館カードを持って1階総合カウンターに申し込むと、アクセスポイントのSSIDとパスワードが印刷された利用票が渡され、それにしたがって無線LANを利用できます。パスワードは、9:00~11;00、10:00~12:00のような00分区切りの2時間有効で、おそらく1人1日何回までといった制限はないので、パスワード有効期限が切れてもまだ使いたい場合は、再度申し込めば使えると思います。

無線LANの電波が届いているのは、1階の読書テラス(総合カウンター向かって左の中庭)を囲む席のうち北側付近。小説コーナーの机席辺りも届いています。詳しくは、無線LAN申し込みの際に、電波状況が示された座席表を見せてもらえるので、そちらでご確認ください。

§ 個室研究室

ネット閲覧PCがある辺りから、北区の部屋の方へと向かう途中には、個室研究室が5室あります。「学習室・読書室としてのご利用はできません。18歳以上の方が個人的な研究テーマによる調べもの等にご利用いただけます」という説明があり、各ブースにはL字型の机とネット閲覧PCが備え付けられています。1回の利用が2時間で、待っている人がいなければ1時間の延長を2回までできるとのこと。但し、2008年11月18日からは3時間までの利用となり、延長制度がなくなるそうです。

個室研究室は研究の部屋ですので、FDやUSBメモリで文書やデータを持ってきてここのPCで加工することも可能。但し、その際には事前にウィルスチェックを受ける必要があります。ソフトもPCに備え付けのものを利用するのみで、USBメモリにプログラムを持ってきて使用するのは禁止されています。備え付けのソフトとしては、Microsoft Office製品と解凍・圧縮ソフトの+Lhacaも入っています。自分で作った文書の印刷もできて、サイズはA4のみ、1枚10円です。このPCでネット上のデータのダウンロードをするのは禁止されているのでご注意を。

個室研究室はドアが透明なガラスなので、一般書架を行き来する利用者が多い時間帯には気になってしまうかもしれませんが、背を向けるように作業していればそんなに気にならないし、L字の角の部分にPCがあって両脇に資料等を置けるので、人によっては自分の机よりもこの個室研究室の方が作業しやすいのではないでしょうか(笑)。それに物事を深く調べていくのに、ネット上の新しい情報と書籍化されている情報と両方を同時に追うことができるこうした図書館の設備はとても便利ですね。私はまだ一度しか使ったことがありませんが、とても便利なのでこれからも利用したいと思います。

個室研究室の隣には1室だけですがグループ個室というのもあります。こちらは開館したばかりの頃は準備中で使用できない状態で、2008年8月に行ったら8月いっぱいは閲覧席として開放していました。で、9月になったらグループ個室として利用できるようになっているかなと期待していたら、また準備中に戻っています(苦笑)。せっかくの設備がもったいないので、早く利用できるようになって欲しいですね。

§ 中高生コーナー

漫画も中高生コーナーに揃っています。これは珍しいなと思ったのが、図書館で全集を揃えている漫画といったら、やはり手塚治虫というのがよくあるパターンなのですが、北区立中央図書館は石ノ森章太郎の萬画大全集をずらっと揃えているのですよね。特に北区にゆかりがあるわけではないと思うのですが(生前住んでいてお墓もある豊島区の方がゆかりがある)、東京は隣接区の図書館へのアクセスもわりといいので、他の図書館にもあるような資料を揃えるよりこうして他にはなかなかない資料を揃えてくれる方が嬉しいですね。

中高生コーナーには、中高生がグループ学習できる部屋が2つあります。それぞれ6席用意されています。近くの学校に通う生徒さんが頻繁に利用するかもしれませんね。

§ 地域資料

北区の部屋は、北区の資料が揃っている部屋。新しい設備を備えるだけでなく、北区の歴史がわかるコーナーを大きくとっているところがこの新中央図書館のいいところだと思います。北区の部屋の手前には、この地域の昔の航空写真や移築時に取り出した部品もあるし、横や上を見渡せば赤レンガ倉庫時代の鉄骨が今もそこにある。個人的には、北区の部屋の壁に展示してあった、旧東京第一陸軍造兵廠本部(現文化センターの建物で、なかなか気品のある建物なんですよ)が白く塗られている最中の写真におぉと魅かれてしまいました(笑)。この建物は、白が断然よいです。

オープンイベントの際に訪問したときには、北区の部屋で展示物について説明してくれる職員さんがいらっしゃったのですが、軍用地が多かった北区はそれを転用した学校・団地・公園・競技場などが多いという特徴を持つ一方、転用されるまでは固定資産税が入ってこなかったという懐事情もあったという話を聞いて、へぇと思ったり。こういう話はオープンイベントに限らず、文化講座などを開催してぜひいろいろ聞かせてもらいたいところです。

地域資料は「北区の部屋」以外にも置いてあり、たとえば東側の公開書庫には「北区の部屋」で管理している三つの文庫、川崎文庫・平野文庫・加藤文庫の一部があります。『北区史』の編纂にご尽力いただいた方々に寄贈していただいた蔵書なのですが、これ、面白いです。川崎文庫は、東京市が編纂した「東京案内」など、発行年の古い資料がいろいろ。平野文庫は北区以外の区や東京以外の地域資料も広くあり、北区と他地域との比較などにも使えそう。加藤文庫は宮武外骨の著作や1925年の考現学の本など、当時の風俗がつかめそうな資料が揃っています。

また、北区の部屋とはちょうど反対側にあたる、喫茶室の脇(図書館から喫茶室が見える仕切りの手前)の展示コーナー「赤レンガの記憶」には、この中央図書館の赤レンガ部分が改築される過程の写真が展示してあって、これもなかなか面白いです。

§ ドナルド・キーン コレクション

北区中央図書館ならではの資料のもう一つの目玉が、1階の総合カウンター向かって右に回り込んだところにある「ドナルド・キーン コレクション」。以前から北区西ヶ原にお住まいで北区名誉市民・北区アンバサダーでもあったドナルド・キーン氏が、日本での永住を決めてニューヨークにあった蔵書を整理する際に、蔵書の中からキーン氏自ら選んで北区中央図書館に寄贈してくださったものなんです。こうした著名人からの寄贈資料というのはいろんな図書館にありますが、多くは没後に遺族が寄贈してくださったもので、著名人自ら選書して寄贈いただくケースはとても珍しいです。

キーン氏は日本文学や日本文化の研究者なので、寄贈資料も古典文学や昔の日本に関する本など、手ごわい本がたくさん並んでいます。本棚を見ていると赤丸シールがついている本があり、これはキーン氏の書き込みがある本だとのこと。書き込みからキーン氏の考えや研究課程を垣間見ることができます。コーナー手前には職員さんが常駐しているので、疑問に思ったことなどは遠慮なく聞いてみましょう。

また、図書館の職員さんにお伺いした話では、キーン氏自身が寄贈資料を読みたくなって来館することもあるのだそうです。コーナー内には感想を寄せるためのノートも置いてあるのですが、もしかしたらキーン氏がこのノートを手にとってくださることもあるかも?!その方の蔵書に触れていると著名人と交流している気分になりますが、ドナルド・キーンコレクションの場合は、よりリアルに交流している気分になれてワクワクします。

コーナー手前ではグッズ販売もしており、キーン氏が飼っていた犬をモデルにしたクリアファイルや、象の家紋が入った手拭い・エコバッグが並んでいます。これらは言葉遊びにもなっていて、ワンちゃんのほうは「黄色い犬」→「黄犬」→「きいぬ」→「キーン」という言葉遊び。家紋の象の額に書かれた「鬼怒」も「きぬ」→「キーン」と読めます。「鬼怒」のほうはフルネームで書くと更に凝っていて、キーン・ドナルドを漢字で書くのに「鬼怒鳴門」と書くのがキーン氏のお気に入りの表記で、「怒」を“ン”と“ド”の2つの読みに使っているんです。この話は、北区の図書館だよりの2013(平成25)年1月号で読んだのですが、日本語の楽しみ方を教えていただいたような気分になりました。

§ バリアフリー

総合カウンター向かって左には、中庭に面して対面朗読室やサポート室(音声読書機や録音資料再生機がある)があります。こうした設備は図書館の奥まったところなどにあるケースが多いのですが、北区中央図書館の視覚障害者向け設備は中庭からの光が入る開放的な場所にあり、目の不自由な方も陽の光を浴びながら気分よく読書を楽しめる設計です。プライバシーを守りたいときにはブラインドを下ろして利用できるので、その点でも安心です。

北区立中央図書館が視覚障害者向け設備を目立つところに置いているのは、こうしたサービスを周知する意味でもいいと思います。図書館では、大活字本、音訳資料、対面朗読など、目の不自由な方が本を読むためのサービスを提供していますが、図書館に詳しい人なら知っているこうしたサービスも、一般の利用者が必ずしも知っているとは限らない。誰しも加齢や病気・事故などで目が不自由になる可能性はありますが、そうなったときにこうしたサービスを思いつかなければ、もう読書ができないと思ってしまうはず。今必要としていない人にもこうしたサービスの存在を知らせることは大事で、北区中央図書館の視覚障害者向け設備はそういう意味でもいい場所にあると思います。

§ 喫茶コーナー

さて、図書館訪問記もずらずら長くなってしまったので、この辺で喫茶スペースの話に移りましょう。喫茶スペースは、手前側の飲食持込可のフリースペースと奥側の喫茶店に分かれているので、お弁当派の方も外食派の方も利用できます。フリースペース側にも飲み物の自販機がありますし、紙コップ使用の自販機では水を無料で飲むこともできます。

喫茶店の方は「Atelier de Reve(アトリエ・ド・リーブ)」というお店で、白金に本店があるケーキ屋さんだとのこと。飲み物は 300円前後、デザートは300~500円、ランチセットが850円といった価格設定で、おそらく量をやや少なくしたりして、公共施設の喫茶店にふさわしい値段にしてくれているようです。バースデーケーキの注文やお菓子の詰め合わせの販売などもしているので、図書館ではなく喫茶店を主目的に来店する人もいるのかも。

屋外にはテラス席もあるし、屋内にいても窓から公園の眺めが楽しめるので、長時間の調べ物の際の休憩にはちょうどいい空間です。この場所なら、図書館を利用しに来た人だけでなく、公園に遊びに来た人も入るんだろうな。長時間机に座って同じ姿勢で本を読んでいると目も身体も疲れるので、この喫茶スペースで上手に息抜きしてくださいね。

§ 児童コーナー

1,2階吹き抜けになっている部分などがあるせいで、2階のこども図書館は1階一般書架の1/3くらいの面積です。といっても、1階がとにかく広いので、その1/3程度でも充分広いです。北区中央図書館は、1階入口入って右側の一帯が赤レンガ倉庫を利用した部分になっているのですが、その部分の2階がこども図書館になっているのですよね。1階カウンター前の広いスペースから2階を見上げると、赤レンガの窓の上にこども図書館が乗っかっている感じで面白いんです。こども図書館の窓から見下ろす1階の様子も、広々としていて明るくて、とてもいい気分です。読書テラスや広いおはなしの部屋、授乳やおむつ交換ができる部屋もあり、設備も充実しています。

北区中央図書館では、親御さんがお子さんを連れて本を選ぶために、ベビーカーの後部に本を入れられるカゴをつけたようなカートが用意されています。館内用の乳母車やブックカートを貸し出してくれる図書館はよくありますが、乳母車とブックカートのドッキングは初めて見ました。ブックカートのみのタイプのものも、乳母車とドッキングしているタイプのものも、1階の図書館エリアに入ってすぐ右(返却カウンターの対面)にたくさん置いてありますよ。

こども図書館内に別室のような形で、おはなしの部屋と子育て情報支援室があります。子育て情報支援室は、おもに赤ちゃんとその親御さんのための施設かな。この部屋の一画に授乳やおむつ交換ができるところがあるし、壁には木のおもちゃがずらりと並んでいて、1人1点貸出ができます。

3階はホールや区民活動コーナーなどの施設なので、図書館施設というよりは図書館を中心にした文化活動をできるフロアといったところでしょうか。何も開催されていないようなときにふらっと立ち寄っても、何も見るものはない感じです(笑)。ただ、夏休み期間には3階の一部屋を中高生専用席として開放していますので、中高生の方はぜひ利用してくださいね。1階のカウンターに申し込んで利用する仕組みになっています。

このように設備が充実しているので、普通に読書をしたりするだけではもったいない気がしてしまいますね。新しいサービスを追うだけでなく、これまでの歴史も大事にした図書館なので、せっかくですからそれを存分に使いたいものです。この温故知新図書館、遠方からでも訪れる価値ありですよ!

北区立中央図書館 特集・行事・図書館だより感想記

―2015年10月3日のイベント
月に1度の開催されている読書会、2015年10月の課題本は夏目漱石『夢十夜』でした。通常は感想を発表しあう会ですが、今回は参加者のリクエストで、ふだん「語り」(話を暗記して演じる)をしている参加者の方に作中の一編を朗読していただき、読む楽しみだけでなく、聞く楽しみも味わえました。
―2014年6月7日のイベント
課題本を読んで感想を語る月に1度の読書会、2014年6月の課題本は『クロティの秘密の日記』でした。今回は、感想を寄せ合うなかでの会話から、通常の読書会とはちょっと異なるイベントを8月に開催することがきまりました。
―2014年3月24日から4月5日までのイベント
北区中央図書館の中で開催されている脱出ゲーム風イベントです。世界の停止の危機が迫るなか、館内に点在するヒントをもとに、危機を回避するバスターとして謎を解いていきます。
―2014年1月11日のイベント
北区中央図書館で開催されたビブリオバトル&読書会に参加してきました。ビブリオバトルのテーマは「新しい」、その後の読書会は前回のビブリオバトルで紹介された本の一つ『みどりのゆび』でした。
―2013年11月2日のイベント
北区中央図書館で開催されたビブリオバトルにバトラーとして参加してきました。「ロングセラーだと思う本」というテーマに、5人の紹介者がお薦めの本を持ち寄った結果はいかに?!その後の読書会にも参加してきました。
―2008年10月27日から11月9日までの展示
―2006年5月14日のイベント

北区立中央図書館 データ

北区立中央図書館は、利用者用エレベーターが、2024年7月31日の大雨による浸水で故障して利用できない状態で、再開の時期が未定とのことです。この件に関する図書館からの公式情報はこちらです。
住所東京都北区十条台1-2-5 →Google Mapで見る
Tel03-5993-1125
開館時間
月~土曜9:00~20:00
日曜・祝日、12月28日9:00~17:00
定休日第1,3,5月曜(祝日の場合は開館し、直後の祝日でない日を休館)
3,12月を除く毎月第4木曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)
3月31日(土・日・月曜の場合は直前金曜休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 JR埼京線 十条駅から徒歩15分
JR京浜東北線 東十条駅から徒歩15分
東京メトロ南北線 王子駅から徒歩15分
JR京浜東北線 王子駅から徒歩16分
駐輪場建物東側に駐輪場あり
駐車場
  • 建物南側に一般用駐車場20台分あり。30分につき150円。30分未満は無料。
    教育長が定める低排出ガス車または低公害車に乗車している場合、1時間相当の使用料を免除。
    身体障害者手帳・療育手帳・愛の手帳・精神障害者保険福祉手帳を交付された方が乗車し、手帳の提示があった場合は無料。
  • 図書館東側(建物2階入口向かって手前右)に障害者用駐車場2台分あり
所蔵資料
図書所蔵数438,672冊(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
CD所蔵数21,527点(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』※北区図書館共通資料(所蔵館がない資料で、返却された館の書架に配架される)の数字は、各館の所蔵数に比例するよう配分して加算
カセット所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
DVD所蔵数4,572点(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
設備
ブックポスト1階入口向かって右の壁面にブックポストあり
2階入口向かって左方、バイク置場近くの壁面にブックポストあり
自動貸出機ICタグ式自動貸出機5台(1階4台、2階1台)あり
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備DVD棚の中にCD試聴機2台あり。試聴は1点ずつ10分程度。
1階総合カウンター向かって右に、CD・ビデオ・DVD試聴機5台あり。1人1日1回まで。
映像視聴設備1階総合カウンター向かって右に、CD・ビデオ・DVD試聴機5台あり。1人1日1回まで。
ネット閲覧PCネット閲覧PC15台あり。利用は1回1時間で、条件を満たすページやデータに関しては印刷やダウンロードも可能。詳しくは訪問記の中の該当部分を参照。
個室研究室(5室)にネット接続PCが1台ずつあり。18歳以上を対象に、利用は1回2時間まで、延長不可。
持参PC利用1階の全ての机席で持参PC利用可能。キータッチの音が周囲の迷惑にならないように利用してくださいとのこと。
LAN接続館内専用無線LANあり。カウンターで申し込むと、00分からの2時間単位(14:00~16:00など)で有効なパスワードが発行されます。無線LANが届く席は1階読書テラスを囲む席の北半分や小説棚がある辺り。申込時に電波状況が色で示された座席表を見せてもらえます。
飲食設備等
  • 1階に喫茶室「アトリエ・ド・リーブ」あり。月~土曜は10:00~19:30(ラストオーダー19:00)、日曜祝日は10:00~16:30(ラストオーダー15:50)。
  • 1階に持込飲食可のフリースペースあり。フリースペース内に飲料自販機2台あり。