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渋谷区立こもれび大和田図書館

渋谷区立こもれび大和田図書館 訪問記

last visit:2017/10/07

渋谷区立こもれび大和田図書館は、渋谷駅からみて玉川通りの向こうにある文化総合センター大和田2階の図書館です。英語絵本や英語児童書が充実しており、子どもも大人も読みたくなります。同じ建物にプラネタリウムもあり、図書館エリア手前にも今はなき五島プラネタリウムで使われていた投影機を展示しています。

§ 図書館の場所

「文化総合センター大和田」と言ってすぐにわかる人は少ないかもしれませんが、「コスモプラネタリウム渋谷」といえばオープンしたときから話題だったのでわかる人も多いのではないでしょうか。こもれび大和田図書館は、そのコスモプラネタリウム渋谷と同じ建物・大和田文化総合センターの2階にあります。渋谷駅からみると、セルリアンタワーの裏手にあたる建物です。

こもれび大和田図書館は建物2階にありますが、建物の構造が少し変わっていて、1階の上がロビー(LB)階、ロビー階の上が2階となっているのでご注意ください。この建物は敷地が斜面になっており、渋谷駅に近い側(北側)から入ると路面が1階、逆側から入るとロビー階が路面になります。

文化総合センター大和田には、プラネタリウムのほか、ロビー階にさくら上宮保育園、3階にこども科学センター「ハチラボ」、演劇などが行われるホールは4階と6階の2つもあったりと、図書館のほかにも実に様々な施設があります。オープン当初大人気で上映の何時間も前にいかないとチケットが取れなかったコスモプラネタリウムも、今は落ち着いたようで直前に行っても席が取れるようです。図書館利用と一緒にプラネタリウムも楽しみましょう!

§ 図書館内の配置

建物2階にあがって、エレベーターから見たらエスカレーターの向こう側、エスカレーターで上がった場合は左側が、こもれび大和田図書館の区画です。同じフロアには、区民学習センターとギャラリー大和田があるので、読書や調べものの合間に休憩としてギャラリーを覗くのもいいですね。

図書館エリア入り口の手前右には、大きなプラネタリウム投影機を展示しています。この投影機は、東急文化会館8階にあった五島プラネタリウムで1957年から2001年まで実際に使われていた「カールツァイヌⅣ型プラネタリウム」。五島プラネタリウム閉館後、渋谷区に寄贈されたのだそうです。

そして、肝心の図書館エリアです。図書館エリアに入り、左の入館ゲートをくぐると、右に向かって書架が伸びています。中の配置は、ゲートをくぐった目の前が雑誌コーナー、その先にカウンターがあり、右手前が新聞コーナー、中央に長い一般書架があり、奥が児童コーナーとなっています。カウンター向かって左には、自動貸出機も2台あります。

閲覧席は、壁に沿って椅子席や机席が配置されています。持参PCはどの席でも利用でき、一番奥の机席には電源もあります。一見、電源の場所がわかりにくいのですが、よく見るとデスクライトの根元にコンセントがあります。

§ 児童コーナー

児童コーナーは、中央奥に1/4円状の靴脱ぎスペースがあり、その手前に書架が並んでいます。靴脱ぎスペースの周囲に並ぶ絵本は、日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、物語の作者の姓名の五十音順に並んでいます。手前の書架に並ぶ児童読み物は、日本人作家の作品と外国人作家の作品を別にして、著者姓名五十音順に並んでいます。

本がたくさんありすぎて、どれを読んだらいいか迷ったら、渋谷区教育委員会が毎年選んでいる「しぶやおすすめの本50」を参考にしてはどうでしょう。図書館の蔵書のうち、おすすめ50に選ばれた本には、渋谷区立図書館のキャラクター・ハチ(渋谷区立図書館HPのあちこちに顔を出している犬)のシールが貼ってあり、今年度のおすすめの本50に選ばれた本は、カウンター向かって右の棚にまとまって、昨年度以前のおすすめの本は、シールを貼った状態のまま児童読み物の棚に入っています。

「おすすめの本50」といっても、全部で50冊ではなく、幼稚園保育園、1・2年生、3・4年生、5・6年生、中学生という5つの年齢層それぞれに50冊以上選んでいるので、全部合わせると250冊以上。お金を払ってしまった本と比べて、自分の好みでなかったときに読むのをやめやすいというのも、図書館のメリットですし、気軽に本を手に取ってお気に入りの本を見つけてください。

児童コーナーで一番のお薦めは、「東京恵比寿ロータリークラブ文庫」。2010(平成22)年11月21日のこもれび大和田図書館オープンに際して、東京恵比寿ロータリークラブから寄贈の申し出があり、その際ロータリークラブから「見たことのない本」を寄贈したいという思いがあったのだそうです。それを具現化したのが東京恵比寿ロータリークラブ文庫。外国語資料と日本語資料を言語の垣根を越えて並べていて、大人の方にもお薦めです。

「知恵を育む」「感性を育む」といったテーマで集められた棚は、外国語の本も日本の本も並んでいます。といってもビジュアル中心ですし、子ども向けの絵本なので、外国語が読めなくても大丈夫です。また、外国で描かれた絵本の原書の隣に、その日本語訳の絵本が並んでいるコーナーもあり、一緒に借りれば言語の勉強にもなります。

英語の児童文学なども多く、本の装丁も日本のものとは雰囲気が違うので、本のデザインの勉強をしている人にも参考になる棚だと思います。外国語のしかけ絵本もあるので、飛び出す絵も楽しめます。児童コーナーといってスルーするなかれ、大人もぜひ、日本ではなかなか見られない本をぜひ手に取ってみてください。

§ 一般書架

一般書架はほぼ全ての棚が同じ向きに並んでいるというシンプルな配置です。

日本文学は、単行本の小説・エッセイが著者姓名の五十音順に並んでいるところなどは一般的ですが、小説以外の文学は独自の分類をしています。具体的に分類を挙げると「N02 日本文学史 作家研究」「N10 詩歌」「N13 俳句」「N15 詩(近現代)」「N26 戯曲」「N80日本古典文学全集「N86 日本現代文学全集」のように、Nで始まる請求記号が小説以外の日本文学です。図書館は小規模ですが、現代日本の文学全集もいろいろあるので、長い休みなどに挑戦したくなります。

また、書架左奥に「@シブヤ 渋谷が舞台の小説」という看板があり、作中で渋谷が登場する小説を集めています。検索機で検索したとき、請求記号の最後に「@渋谷」が付いていたら、小説の棚ではなく、こちらの棚になります。棚を見ると、『渋谷原宿公園通り』『渋谷に里帰り』のように、書名に渋谷が登場するものもあれば、『天地明察』のように江戸時代が舞台となっている小説もあります。なるほど、『天地明察』では渋谷図書館の近くにある金王八幡宮が出てくるんですね。こうして場所に注目して小説を読むのも面白そうです。

この「@シブヤ」コーナーは、以前は小説の棚のそばにあり、今の場所に移動したのを最初に見たときには、せっかくの特設コーナーを何でこんなに目立たない場所に設置するのだろうと思いました。でも、何もなければ区画全体が目立たなくなる奥まった場所を「見たくなる棚」にするために、あえてこちらに移動したのかなと思います。図書館に来てもついつい自分の興味のあるジャンルだけを見がちですが、私自身もこのサイトのために隅から隅まで見るようになったことで、読書の幅も広がりました。こもれび大和田図書館は奥で見ても疲れるほどには広くないコンパクトな図書館ですし、ぜひいろいろな棚を覗いてみてください。

渋谷といえば、入口のゲートをくぐったすぐ左にある昔の渋谷区の地図も面白いです。東京がまだ東京「府」だった頃の「大日本職業別明細図」というもので、当時の建物の写真なども掲載されています。天井に近い辺りに貼ってあるので、見ていると首が疲れますが(笑)。館名の「大和田」は現在の地名にはない名前ですが、その名の由来を説明したボードもあります。渋谷は変化の激しい街で、移り変わりを見るのも面白いですね。

また、雑誌コーナーの奥には、同じ建物の中にこども科学センターやプラネタリウムがあるということで「宇宙に夢中」というコーナーがあります。一般書架の天文関連の棚を見ると、他の図書館に比べて特別多いようにも見えないのですが、児童エリアの科学のコーナーでは、ハチラボのイベントカレンダーを配布していたり、立体的な展示物を置いたりしています。せっかくこの建物まで来たなら、図書館だけでなくこれらのフロアも利用したいところ。といっても、私自身、結局図書館にずっといて、ハチラボにもプラネタリウムにも行ったことがないのですが(笑)。いつかは行ってみたいと思っています。

渋谷は、ヒカリエができたり、東横線が副都心線と連結して地下に移ったりと、とにかく変化の激しい街ですが、そんな街の図書館で静かな読書を楽しむという過ごし方も悪くない。駅からは少し歩きますが、窓際が吹き抜けになっていて居心地がいいし、通勤通学で渋谷に来る人はもちろん、乗り換えで渋谷を利用する人にも足を延ばしてきて欲しい図書館です。