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閉館前の台東区立東浅草なかよし図書館

台東区立東浅草なかよし図書館は2019年5月6日を最後に東浅草小学校の改修工事のための休館に入り、そのまま2021年3月31日をもって閉館となりました。

以下は、閉館前の台東区立東浅草なかよし図書館の訪問記です。

閉館前の台東区立東浅草なかよし図書館 訪問記

last visit:2007/12/23
§ 図書館の場所

東浅草なかよし図書館は、東浅草小学校内にある区立図書館です。場所は三ノ輪駅の南東、浅草寺から北へ1km強行ったあたり。三ノ輪駅から行くとしたら、明治通りを白鬚橋に進み、「三ノ輪二丁目」交差点で二股に分かれるところを、左の明治通りに入らずに直進、そこから500mほど進んだ、「吉原大門」交差点で左折すると、右側に東浅草小学校があります。右側にもう一度回り込むと、小学校入口があります。

§ 図書館内の様子

東浅草なかよし図書館は、台東区の小学校の中にある図書館としては、くらまえオレンジ図書館に続いて2つ目の図書館です。両者とも、区内在住の方か区内小中学校在学の方とその家族のみしか利用できません。入口のインターホンで職員さんに専用カードを提示し、オートロックを開けて入館する仕組み。利用条件が同じなので、くらまえオレンジ図書館のカードで東浅草なかより図書館に入館したり、東浅草なかより図書館のカードでくらまえオレンジ図書館に入館することもできます。初回の利用の際には専用カードを持っていないので、その旨インターホンで伝えれば、中で専用カードを作ってもらえます。

そういった図書館なので、江東区在住在勤の私は、サイトの趣旨をお伝えして許可をいただいて見学させていただきました。くらまえオレンジ図書館の見学の次の日に東浅草なかよし図書館の見学をさせてもらったのですが、偶然くらまえオレンジ図書館の前日の担当者さんがその日の東浅草なかよし図書館の担当で、前日聞き漏らしたことを聞かせていただいたり、2館を比較してのお話ができたりしました。本当にありがとうございました!

くらまえオレンジ図書館の入口は小学校の入口とは別だったのですが、東浅草なかよし図書館の入口は小学校の正門と同じなんですよね。ちょっと緊張します(笑)。入口のインターホンも、図書館につながるインターホンと小学校につながるインターホンがあるので、ちゃんと見て図書館につながる方を押して中に入ります。

中に入ると図書館の位置が書いた看板が立ててあります。東浅草小学校は校庭をぐるりと囲む四角形の型なのですが、入口がある辺の対面の辺の1階に図書館があり、校庭を突っ切って図書館に行くような形になっています。小学校の端の一画を利用しているという風ではなくて、本当に小学校の中に図書館があるので、これは確かにセキュリティ面の配慮が必要ですね。

校庭から数段上がって図書館の入口に入り、そこで靴をスリッパに入ってお邪魔します。くらまえオレンジ図書館よりも小さい部屋ですね。職員さんの話によると、元は倉庫だったらしいとのこと。入ってすぐ書架で、右にカウンターや検索機があります。入口から見て一番奥に小学校の廊下につながる出入口があるので、平日に小学校の生徒さんが利用するときにはこちらの出入口を利用するんですね。東浅草なかよし図書館は一般には基本的に土日しか開いておらず、そのときにはもちろん小学校の廊下につながる出入口は締め切られています。

入口を入って左の壁には、東浅草小学校から少し歩いたところにある待乳山聖天公園に設置された池波正太郎の生誕地碑の写真があります。東浅草小学校は、2001年に待乳山小学校と田中小学校が統合された小学校なんですよね。その写真の右の棚には、池波正太郎の文庫本がずらりと並んでいます。

そう、ここは池波正太郎コーナーに限らず、文庫本が多いですね。大人向けの小説はほとんど文庫本で、単行本も少しあるのですが中高生寄りといったラインナップかな。部屋が小さく所蔵数にも限度があるので、文庫本中心にしているのでしょう。くらまえオレンジ図書館にはぬいぐるみが書架のあちこちに置いてあったりもしたのですが、東浅草なかよし図書館の方にはほとんどありません。閲覧席も小さい椅子が6つあるだけで、書棚が部屋の大部分を占めています。

東浅草なかよし図書館のシンボルカラーは紫色で、専用カードや利用案内の紙も紫色です。職員さんによると、実は東浅草小学校のスクールカラーがピンクで、本当ならそれに合わせて東浅草なかよし図書館もピンクにできればよかったんだけど、台東区立図書館の方ではピンクを既に石浜図書館で使っているのでできなかったとのこと。

その話で初めて気がついたのですが、台東区立図書館のバーコードシールは、各館で色分けしていたんですね。手元にあった他館の蔵書を見せてもらったところ、中央図書館が紺、谷中コミュニティセンターは緑と確かに色分けされています。利用者はどの図書館で返してもいいからあまり気にならないけど、職員さんが返却された後に所蔵館に戻すときなど、パッと見て所蔵館がわかるのは便利でしょうね。

館内に東浅草小学校のパンフレットが掲示されていたのですが、最近の小学校はパソコンが1人1台あったりして、私の時代とは違うんだなぁとしみじみ。そういえば校庭にも一輪車が何台もありました。私の頃の遊具なんてせいぜいボールでしたが。。。あ、でも、私の小学校(多摩市です)には林やアスレチックがあるけど、都心の小学校にはないでしょう、って対抗してどうする(笑)。

そのパンフレットにはオーケストラに力を入れている学校という説明があったのですが、蔵書として音楽の本が多いといったことは特に感じなかったですね。小学校の図書室がこの図書館の斜め上にあたる2階にあるみたいなので、そちらで充実させているのかも。

あとは、マンガが「はだしのゲン」のみありました。蔵書が少ないので何となく久々に読んじゃったけど、こういうのは時々読んだ方がいいですね。

まだ開設されてから間もないせいもあるけど(2007年10月6日開館)、蔵書は状態がきれいなものばかり。さらに、東浅草図書館の蔵書は来館者しか貸出できない(くらまえオレンジ図書館と同様、他館やネットからの検索では東浅草なかよし図書館の蔵書は表示されない)し、くらまえオレンジ図書館の蔵書とあわせて3冊までしか借りられないという制限もあるから、これから時間が経っても他館の本よりは状態がいいでしょう。

図書館の本は誰がさわったかわからなくてボロボロだから嫌という人もいると思うのですが(私の母はこういう考え)、台東区在住者でそういう方がいたらこのような制限のある図書館から利用し始めれば抵抗がなくなるかも。書店で売られている新刊しか読まないって、はっきり言ってこれまでの蓄積を放棄する、視野の狭い読書でもったいないですよ。図書館の本を利用して、視野を広げていきましょう!

閉館前の台東区立東浅草なかよし図書館 特集・行事・図書館だより感想記

東浅草小学校の生徒さんと教員の方々に東浅草なかよし図書館についてのインタビューをさせていだたきました。