閉室前の世田谷区立喜多見東地区会館まちかど図書室
喜多見東地区会館まちかど図書室は2011年3月31日を最後に閉室しました。その後、改築したうえで名称を変え、喜多見まちかど図書室(現・喜多見図書室)が2012年12月3日に開館しました。
以下は、閉室前の世田谷区立喜多見東地区会館まちかど図書室の訪問記です。
閉室前の世田谷区立喜多見東地区会館まちかど図書室 訪問記
喜多見東地区会館まちかど図書室は、成城学園前駅から二子玉川方面へ20分ほど歩いたところにある、喜多見東地区会館内の施設。成城学園前から歩いていくと、進めば進むほど街から田舎へと景色が変わっていき、とても不安になりました(笑)。そんな道のりでもよかったら、成城学園前駅からひたすら南に進んで、多摩堤通りに入って、次大夫堀公園を越えたあたりに喜多見東地区会館が現れます。
この次大夫堀公園はのんびりしていていいですね。次大夫堀というのは六郷用水だそうで、ほぼ埋まっていた流れを復元し緑があふれる公園にしただけでなく、次大夫堀公園民家園に江戸時代後期の農家を再現させています。それが、もっともらしく復元してはい終わり、ではなく、田畑で本当に何かを育てていて、昔の風景を再現しているのに今もこの農村が生きているのですよ。
まあ、農村ってほど広くはないし、今も使われているがゆえに田畑のまわりにはホームセンターで売っていそうなホースなどの江戸にはなかったであろう道具があったりもするのですが、それもまた昔からずっとここで誰かが暮らしていて農業が営まれているかのようで面白い。季節季節の行事もいろいろとあるそうで、次は何かの行事に参加してみたいなあ。
喜多見東地区会館に行くのに、徒歩ではなくバスで行く場合は、次大夫堀公園前バス停を利用することになるのですが、このバス停のベンチも次大夫堀公園のような民家を利用しているっぽい。バス停のそばには木製のデジタル時計という不思議なものまであります。次大夫堀公園や喜多見東地区会館に行くことがあったら、ぜひこのバス停も寄ってみてください!
さて、次大夫堀公園からもう少し二子玉川方面に行ったところに喜多見東地区会館があります。会議室や卓球部屋がある施設で、図書室は3階です。引き戸をガラガラと開けると正面にカウンター。左に書架があり、右に机席が少々。
私の手元にある2005年4月1日に改訂された「世田谷区立図書館ご案内」では、図書数6000冊と一番冊数が少ない図書室です。その次に少ない野毛図書室でも14000冊ですからかなり少ない。また、まちかど図書館の中でも、喜多見東地区会館図書室は火・土・日曜しか開室しておらず、開室時間も14時から17時までと利用できる時間が圧倒的に少ないです。
以前は、もっと開室日の少ない上馬地区会館まちかど図書室や代沢地区会館まちかど図書室という図書室があったのですが、この2つは残念ながら閉室してしまったんですよね。
棚を見ると半分以上は児童書ですね。紙芝居などもあります。大人向けは大部分は小説で、それ以外の図書はほんの少し。また、世田谷区のまちかど図書室は皆そうなのですが、世田谷区立図書館の図書館カードを使っての貸出ではなく、まちかど図書室に個別に登録して借りることになります。返すときもカウンターで手続きした後、利用者が棚に戻す仕組み。
ただ、こういった開室時間も短く、区立図書館ネットワークにも属していない図書室の本は、利用者が少ないだけあって状態がいいですね。図書館の本は多くの人が利用する分、状態が悪くて嫌だという人も、こういう図書室の本なら利用したくなるかも。
それに、区立図書館だと予約でいっぱいの本が待たずに借りられる可能性が高いのもこういった図書室のいいところ。まあ、当然蔵書数も少ないので、読みたい本が必ずあるとはいえませんが。
不便なものは不便なもので、それなりの利点もまたあるということですよね。うまく使い分けをして、賢く利用しましょう!