改築前の旧・板橋区立赤塚図書館
旧・板橋区立赤塚図書館は2008年3月30日を最後に改築のための休館に入りました。その後、現在の赤塚図書館が2011年2月1日に開館しました。
以下は、改築前の旧・板橋区立赤塚図書館の訪問記です。
改築前の旧・板橋区立赤塚図書館 訪問記
赤塚図書館は下赤塚駅からも成増駅からもちょっと歩く場所にありますね。松月院通り沿いに、区の赤塚庁舎の隣に立っています。
私は成増駅から歩いていったのですが、曲がるべき場所にちゃんと案内板が出ていて助かりました。成増駅近くには成増図書館があるので、成増駅にとって最寄の図書館というわけではないのに、こうして案内板が出ていると嬉しいなぁ。
赤塚図書館は建物としては赤塚庁舎の右にひっそりと建っている感じかな(笑)。入口も奥まったところにあり、あまり存在をアピールしていない印象。建物の中は、1階が児童コーナー、新聞・雑誌コーナー、AV資料に日本の小説。その他の本は2階になります。3階は事務室等の他にちょっとした飲食コーナー(本の閲覧はできません)もあります。
1階入口を入ると、右に雑誌・新聞コーナーがあります。目立たないけど洋書の雑誌もありますね。雑誌コーナーの一番奥、窓際のあたりにあります。雑誌は、雑誌ラックに表紙を見せて置いてある分はいいのですが、柱にブックスタンドを垂直に取り付けて、表紙が斜め上を向くように置いてある分が見づらいです。どこにどんな雑誌があるのかわかりにくくて。雑誌コーナーの面積に対して、所蔵タイトル数が多いことの表れかもしれませんね。ある意味嬉しい悩みです。
入口左のちょっと折り返した部分がAV視聴コーナーとなっています。カセット・CDに加えてLD視聴機もありますね。ただ、LD目録はカウンターにあり、申し出ないと見ることができません。見てみたけどあまり新しいものはなし。これからはDVDということになるのかな。メディアもどんどん変わっていくから図書館も大変ですよね。
このコーナーでは、持参パソコンを使用することもできます。カウンターへ申し込んで1階2時間(次の利用者がいない場合は延長可)。電源もありますよ。
入口左前方にカウンター、その左奥が児童コーナーとなっています。AV視聴コーナーと児童コーナーの間に漫画の棚があるのですが、冊数が結構ありますね。ドカベン(プロ野球編まであります)とかガラスの仮面などのかなり巻数が多いものがずらっと並んでいるので、作品数としては少ないかもしれませんが、これだけそろっていると壮観です。
新聞・雑誌コーナーの奥にある小説の棚は、図書分類番号などが書いてある背ラベルがありません。板橋区立図書館って皆こうでしたっけ?ラベルがないものは小説、という処理をしているのでしょうが、小説の棚が著者名の五十音順になっているので、本を棚に戻す人は著者名を正しく読めないといけませんね(笑)。職員さんはまだしも、利用者が館内で読んで借りずに棚に戻すことを考えると、ラベルがあった方が戻しやすいように思うのですが。
児童コーナーは、奥に「たのしい動物園」という動物いっぱいのラグマットが飾られている楽しい空間。そのラグマットの手前には、ガラスケースに復刻児童書が展示してあります。職員さんに言えば手に取って閲覧できるようですが、表紙を眺めているだけでもデザインや書体が今とは違うので面白いです。児童書に興味がある人だけでなく、古い本のデザインに興味がある人にもお薦め。
児童コーナーの中のお手洗い左の角にある「ちょっと変な本」コーナーも面白いです。「へっこきよめさま」「ハエくん」などの少し変わった絵本が展示されています。「ハエくん」の方なんて、ハエくんが水遊びに行っていい気分でいると突然大きな生き物が来て、天変地異が訪れて、洪水に流されてしまう話。もうお分かりですね、ハエくんが遊びに行ったのはお手洗いだったんです(笑)。絵本って大人が読んでも面白いなあ。
2階は書架と閲覧席。古い資料もいろいろあって、ハヤカワ文庫は各々1から(ハヤカワ文庫はNFとかSFの文庫ごとに連番が振られている)、中公新書(同じく連番が振られている)も1番から番号ごとに並べられています。ざっと見た感じ、ほとんど抜けなく揃っているようですね。まぁ、図書館の場合、抜けなく棚に揃っているというのは誰も閲覧していないということでもあるので、必ずしも揃っていることがいいとは限らないのですが。
棚のあちらこちらには、「別置図書」という注意書きがあって、地下の閉架に置いてある図書や1階など別の場所に置いてある図書がある場合は、その旨書いてあります。地味に書いてあるので見逃しそうですが、資料をお探しの方はそちらも注意して見てみてくださいね。
2階は貸出・返却のカウンターはありませんが、レファレンス専用のカウンターがありますね。板橋区立中央図書館もそのようになっていました。ただ、こちらのレファレンスカウンターは、ほとんどの間、席を外していました。聞きたいことがあるときに気軽に聞けるためにも、あまり席を外しっぱなしというのはどうかと思うのですが。。。
外国語図書もありまして、英語・中国語・ハングルの図書があります。この洋書コーナーのおしまいの方には「CANADA BURLINGTON CORNER」というコーナーがありまして、板橋区が姉妹都市協定を結んでいるカナダのバーリントン市に関する本が置いてあります。
板橋区はイタリアのボローニャ市と友好都市協定を結んで、いたばしボローニャ子ども絵本館を作ったり、絵本原画展をやったり、区の国際交流を図書館運営にも反映させていますね。本があれば手にとってみようと思うし、こういうのは他の区でもぜひぜひ真似して欲しいと思います。
2階の書架を見て思うことは、棚と棚の間が広くて見やすい!他の人の邪魔にならないかとか全然気にせず書架を見ることができます。標準としてどの図書館にもこれくらいのスペースがあったらいいなと思いました。
3階の食事コーナーは、テーブルに椅子が4つのこじんまりとしたもの。17時まではこちらで持参したものを食べたり飲んだりしてもいいそうです。
全体的に落ち着いていて居心地いい図書館で、私個人としては成増駅すぐそばの成増図書館より、成増駅からかなり歩くこの赤塚図書館の方が好きです。赤塚図書館は2008年4月から改築のために休館していて、私は改築前の最後にと思って2008年3月に再訪問したのですが、お手洗いまわりだけ改修すれば充分じゃない?と思うくらい、そのままで居心地いい図書館。
新しい赤塚図書館がどんな図書館になるかはまだわかりませんが、この旧赤塚図書館のゆったりとしたいい雰囲気を受け継いでくれることを切に願います。