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足立区立佐野図書館

足立区立佐野図書館 訪問記

last visit:2014/12/23

足立区立佐野図書館は、足立区立図書館の中で最も東にある図書館です。公共交通機関でのアクセスがあまりよくないことが、じっくりと読書できる雰囲気につながっています。

§ 図書館の場所

佐野図書館にとっての最寄り駅は北綾瀬駅なのですが、北綾瀬駅にとって最寄りの図書館は東和図書館で、北綾瀬駅から佐野図書館までは約2kmもあります。なので、公共交通機関を使っていくなら、電車&徒歩で行くよりバスで行くのが現実的ですね。

最寄バス停は東武バス有64(亀有駅北口~八潮駅南口)の「佐野センター前」停留所で、バスの本数としては1時間に3本程度。次に近いバス停は東武バス有28,29(亀有駅北口~六ツ木都住)か綾21,六21(綾瀬駅~六ツ木都住)の「辰沼団地入口」停留所で、これも亀有駅・綾瀬駅からそれぞれ1時間に3本程度。佐野センターからは徒歩8分と、この2つのバス停よりやや遠いですが、足立区コミュニティバスはるかぜ2号(綾瀬駅~八潮駅)の「辰沼一丁目」停留所だと10分に1本頻度でバスが来て便利です。

行き方の説明からも察せられるように、佐野図書館がある場所は鉄道駅から離れた住宅地で、東は中川、西は綾瀬川、北は花畑運河と、三方を川に囲まれた地域です。佐野地域学習センターの3階に佐野図書館があるかたちですが、図書館・センターともに、遠くからも人がやってくる施設というよりは、地元住民のための空間という雰囲気。人の出入りが激しくない分落ち着いて読書の時間を過ごせます。

§ 図書館内の様子

3階の図書館エリアに入ると、カウンターまで少し距離があり、その通路を利用して特集展示コーナーが設けられています。通路を進むと、左にカウンター、右に新聞・雑誌コーナーがあり、その奥に児童エリア、それを通り抜けた奥が一般書架エリアという配置です。ただし、児童書は児童エリア内におさまりきらず、一般書架手前右の棚や右窓沿いの棚にも児童書が入っています。また、中高生コーナーも一般書架右手前付近にあります。

佐野図書館は1982(昭和57)年5月に開設した図書館ですが、2011(平成23)年4月に改修を経てリニューアル開館したので、全体的にきれいで新しい印象です。一般用机席はPC席(2席)も含めて12席と少ないですが、来館者数が15館ある足立区立図書館で12番目ということもあり、独占とまでは言いませんが、穴場的にじっくり堪能できる図書館です。

§ 児童エリア

上に書いたように、児童書が児童エリア内に収納しきれず一般書架にはみ出しているので、やや配置がわかりにくいです。まず、児童エリア入って右に靴脱ぎスペース、左にはちしきの本の棚があり、靴脱ぎスペースを囲うように絵本が並んでいます。更に一般書架エリアの右手前や右側窓沿いに児童読み物があります。

絵本の分類や少しややこしくて、タイトル頭文字での分類ですが、日本人作家の作品はひらがな、外国人作家の作品はカタカナの分類記号となります。例えば、日本人である西本鶏介さんが描いた『おばあちゃんのこもりうた』は「お」に分類、外国人であるジル・ペイトン・ウォルシュさんが描いた『おばあちゃんがいったのよ』は「オ」に分類され、棚の中では「あ」→「ア」→「い」→「イ」…という順に並んでいます。

児童読み物は、対象年齢によって「ようねんどうわ」「じどうものがたり」に分けたうえで、日本人作家と外国人作家を交互にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。交互というのは、まず苗字が「あ」で始まる日本人作家の本が並び、次に苗字が「ア」で始まる外国人作家の本が並び、その次に苗字が「い」で始まる日本人作家、「イ」で始まる外国人作家の本…といったかたちの並び順です。

§ 一般書架

一般書架は隣の棚との間に半円形のゲートが渡されており、おそらくは地震対策として棚を固定するためのものでしょうが、アーケードの中で本を選んでいるようにも思えて面白いです。区画としても、四角形の空間に書棚が同じ向きに並ぶという単純な構造で把握しやすいです。

日本の小説は、著者苗字の頭文字で分類されていますが、同じ頭文字の中の分類が独特で、著者名の頭文字ごとに図書館で著者に番号を振って、その順に並べているのです。具体的には「あ1」は安西篤子、「あ3」は赤川次郎、「あ4」は阿刀田高…といったように、五十音とは全く関係なく番号が割り振られており、単純な著者名五十音順と比べると少し探しにくいです。ただ、この分類は現在変更中で、独自番号のラベルから苗字のラベルへ、つまり一般的な五十音順へと変更しつつあります。しばらくは新旧のラベルが混在することになるので、書棚にあるはずの本が見つからないときなどは職員さんに聞いてください。佐野図書館をよくご利用の方は、小説の棚のラベルを観察すると、職員さんがコツコツ作業を進めているのが感じられると思います。

一人の作家が書いた日本の小説は上のように並んでいますが、アンソロジーなど複数著者による小説集は、著者苗字の頭文字順の並びの前にまとめてあり、「ミステリー」「ホラー・SF・ファンタジー」といったようにジャンル別に分類されています。また、外国の小説は、英米小説だろうと東洋文学だろうと「外国小説」でひとまとめにして、著者姓名の五十音順に並んでいます。個人的には、外国小説のほうが著者姓名五十音順で探しやすいので、日本の小説も同じような並べ方にしてくれたらいいのにと思います。

地域を反映している資料としては、一般書架エリア入ってすぐ左にある棚の「足立区ゆかりの本」コーナーがあり、ビートたけし(足立区島根生まれ)、早乙女勝元(足立区柳原生まれ)、朱川湊人(子ども時代と直木賞受賞時に足立区花畑在住)と方々の本が並んでいます。上記の人物は足立区ゆかりの人としてよく知られていますが、ビデオ授業の仕組みを使って新興国で教育革命をしている税所篤快(足立区出身・1989年生)といった若い方の本もあり、この棚を見ていると、足立区にこんな人もいるのかという発見もあります。

大人用の閲覧机は、一般書架エリア入って左の窓際に12席並んでおり、うち2席はパソコン利用席です。これらの机席はカウンターに申し込んで使う仕組みで、利用は1回2時間です。例えば、10:10に利用申込すると「12:10まで」と書かれた札を渡されるので、それを立てかけて座席を利用します。

閲覧席利用の際に嬉しいのが、ひざ掛け貸出。上に書いたようにこの指定席制閲覧席は窓際にあり、足元が冷えやすいことから、カウンターに申し出ればひざ掛けを貸してくれるんです。利用者への配慮としても嬉しいし、窓際閲覧席利用者にあわせて館内全体を過剰に暖房することもなくなるので、図書館にとっても節電になるはず。冬に閲覧席を利用していて寒いなと感じたら、ぜひひざ掛け貸出をご利用ください。

§ じっくり本と向き合える図書館

公共交通機関のアクセスがよくないものの、それが落ち着ける雰囲気につながっているのが嬉しいです。座席のある空間が狭かったり人の出入りが多かったりすると、本を読みながらも他の利用者の邪魔にならないよう気を配ったりしないといけませんが、そういう点でも本の世界に入り込みやすい。図書館巡りをしていて思うのですが、アクセスがよくて大きな図書館にも、周辺住民中心の地域図書館にも、それぞれのメリットがあるので、それを活かさない手はありません。

じっくり本と向き合える佐野図書館、私にとっては長時間滞在できるときに訪問したくなる図書館です。