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おたのしみ読書バッグ 2015の答えあわせ

―2015年11月9日から22日までの企画
visit:2015/11/09
§ 中身がわからなかった「おたのしみ読書バッグ 2015」の種明かし

杉並区立方南図書館で読書週間企画として実施された「おたのしみ読書バッグ」は、本を見ずに職員さんによるお薦め文だけで選び、借りた後にどんな本なのかがわかる楽しい仕掛け。数に限りがあるから1人1袋までだったので、どの袋にするか迷った方が多いでしょうし、借りた後も「あの推薦文はどんな本だったんだろう」と気になっている方も多いと思います。そんな思いに応えるべく、2015年はおたのしみ読書バッグ 2015の後に「答えあわせ」を展示してくれました。

方南図書館の「おたのしみ読書バッグ」は、入口入った正面に木を模した展示があり、葉っぱ型カードに書かれた推薦文を選んでカウンターに持っていくと、英字新聞で作ったバッグに入った本を貸し出してくれるというものでした。答えあわせが始まってから方南図書館へ行ってみると、「おたのしみ読書バッグ」と同様に葉っぱ型カードが展示ボードいっぱいに貼られており、ところどころ葉っぱ型カードの端がぴろんとめくれて、その下に何やら書いてある。お薦め文をめくると、書名・著者など本の情報が書いてあるというわけです。

答えを見ると、「まさか、この推薦文がこんなジャンルの本だったとは、してやられた!」というものや、「これって、こんな本だったんだ」というものがあり、面白いです。それに、書名や著者で勝手にイメージして読まない本があることにも気付かされます。例えば私は、最近よくある「なぜ○○なのか」といった疑問形のタイトルの本は、多くはタイトルと中身が必ずしも一致せず、その中身も大したことないと思っている(私が読んだ疑問形タイトルの本は大抵そうだったので)のですが、そうした本の中にもタイトルの付け方が悪いだけで中身はいい本もある。タイトルを知らずに中身の情報だけで選んだ方がいいこともあるというのは興味深いです。

ちなみに、この記事で答えを明かすことはしないので、気になる推薦文があった方は答えあわせ期間中にぜひ方南図書館へ。当サイトは、「読めば図書館に行かなくてもいい」サイトを目指しているのではなく、「読むと図書館に行きたくなる」サイトを目指しているので、答えは明かしません。

§ 見られなかったお薦め文も見られます

私の場合は特に、杉並区立図書館に利用登録できない在住・在勤条件でありながら「おたのしみ読書バッグ」を見に行ったので、私が借りられなかったあのお薦めはどんな本だったのだろうという好奇心を満たすために行ったのですが、実際に行ってみたらそれ以外の楽しさもありました。

というのも、方南図書館の「おたのしみ読書バッグ」は他の図書館の同種の企画と比べても格段に人気があり、私は企画初日に行ったにも関わらず、18時時点で40袋用意してしたうちの19袋しか残っていませんでした。来年からは、どんな袋があるのか全体を知りたかったら午前中に行かないといけないと思っているくらいです。でも、こうして答えあわせをしてくれると、既に借りられてしまった読書バッグにどんなものがあったのかもわかります。実際に、私がおたのしみ読書バッグを見に行ったときにはなくて、答えあわせに出ていたものは、以下のお薦めコメントでした。

大人向け
職人の息子であった彼が生み出した独創的な世界。貼られた色とりどりのセラミックに、曲線でつくられた数々の作品が楽しい。
人ってちょっとあまのじゃくなところがありますよね?簡単に見れると思っていたものが見れなかったりすると、そんなに見たかったわけでもないのに、もう何が何でも見てみたい!と思ったり。そんな“思い”だったかどうかはわかりませんが、「おっ!そこまでやりますか!」という食のノンフィクション本です。
こういうものが意外と忘れられない旅の想い出になったりするものです。それぞれのお国柄が出るおたのしみ 何だか分かりますか???
秋といえばこれ!!最近ゆっくりできていない。そんな貴方。この本を参考書にお出かけしてみませんか?
神話や文学作品に出てくる女性の絵で有名な画家です。芸術なんて分からないと言う人でも大丈夫。芸術に難しいことは必要ありません。考えるな!感じるんだ!!
ロシアンルーレットのように、その瞬間がいつ訪れるのか、誰にも分からない。冷静な情報収集や、あきらめず前向きでいる事が、その後の自身を救う。
それは実にさまざまな表情を見せてくれる。美しい色彩のコントラスト、想像もつかないような造形、ある条件がそろった時にだけ見られる一瞬の煌き…
さぁ神秘の瞬間をめぐる旅へ出かけましょう
大切な人へ贈るプレゼント…。でも、その人はなんでも持っています。あなたならなにを贈りますか??
「物」を持ちすぎてしまった“大人”の方にぜひ読んでほしい“絵本”です!!お子さまにも、ぜひよんであげて下さいね
その時私は疲れていた。何だかとても童話が読みたい気分だった。小さい頃読んだ話、昭和の頃の童話がたくさんのっている本。そんな時手にとったもの。
読んでいる間、気持ちはこどもに戻っていた。忘れていた不思議な感覚。なつかしくてあたたかな感覚を私は思い出していました。
雨と靴の万葉集がキーワードの孤悲(万葉集の恋の当て字)の物語
もともとは映画のものを小説にした作品。映画で語られていないところを深く掘り下げていて、映画のその後まで描かれています。
コミカルでとっても読みやすいお話しです。人生は素敵なことばかりではないけれど、小さくてもきっと幸せは訪れるという気持にさせてくれます。
自分が置かれた境遇を受け入れ、今いる場所で生きていくって大事!そして恋っていいなぁとしみじみ感じられます。
こども向け
いちまいのくろいかみをびりびりやぶいていたら、へんなどうぶつがうまれました。0才から
ほら、そこに なにかが うごいているでしょ
なにをしているのかな?そーっとしゃがんでのぞいてみて。きっとあなたもあえるはず。そのとてもちいさなかぞくにね。
幼児から
自由気ままな主人公と、それをかげながら支えるお兄ちゃんたちにいつもほっこりさせられます。今日もどこかで大泣きしてるかも?幼児・小学校低学年~
1つより2つ、1こより2こ、1人より…!?こだわりすぎるお父さんの、「まさか?!」の発想に、子どもはケラケラ 大人はハラハラ…小学1,2年生
子どもには、大人には見えないものが本当に見えるときがあるのではないか。この絵本を読んでそう思う。思い残すことなく安心して逝くとはどういうことなんだろうと、大人の私は思った。
心にしみる一冊です。
小学校中学年頃から
こころの緊張や不安がお子さんに敏感に伝わるように、優しい気持ちや温かくなったこころも伝わるのではないでしょうか?この本を一緒に読んで、そんな温かい気持ちを分けてあげて下さい。小学3年生から大人まで
ちいさなそれがなくなったら世界がかわってしまった…ことばの大切さについて考えさせられる本です。小学校高学年
誰もが一度は耳にしたことがあるそれは、いかにして生まれたのか…その誕生に秘められた物語が絵本になりました。小学5,6年生
イケメン天使がいきなり現れて「おめでとうございます。抽選にあたりました!」と言ったらどうする?ぼくは「せっかくだけど辞退します」って答えんだ。そうしたら…。小学5,6年生~YA向き
王や王妃たちのおとぎ話集です。クスッと笑えて、でもそのあとハッとさせられるお話が七つ。
さり気ないけれどよく見ると奥が深い挿し絵にも注目していただきたい。素直な自分に向きあえる一冊です。
YA

おたのしみ読書バッグ2日目以降に借りに来た方は、「この読書バッグが残っていたら、こちらを借りたのに」というお薦めコメントもあったのではないでしょうか。答えあわせでは書名・著者名がわかるので、検索すれば借りることができます。

実際私も、地元の図書館で、上記の「こういうものが意外と忘れられない旅の想い出になったりするものです。~」「雨と靴の万葉集がキーワード~」「王や王妃たちのおとぎ話集です。~」の答えと、初日に見た読書バッグのなかから「「不思議の国」のおかしな殺人事件…」「このひとがまだ生きていたら、現在の世界の混とんをどう見たでしょうか…」の答えを予約しました。例えば「このひとがまだ生きていたら~」の本は、私にはタイトルが鼻につく本だったので、これまで本棚で見かけても手に取りませんでした。実物を見せないからこその出会いというものもあるんですね。

答えあわせは2015年11月9日から22日までなので、気になる方はぜひ方南図書館へ。複数のお楽しみ袋で迷ったあげく1袋に絞った方もすっきりすると思いますし、答えを知って推薦文の上手さをあらためて感じるものもあり、楽しいです。本との出会いが広がる企画、方南図書館でぜひ楽しんでください。