おたのしみ読書バッグ 2015の答えあわせ
visit:2015/11/09
中身がわからなかった「おたのしみ読書バッグ 2015」の種明かし
杉並区立方南図書館で読書週間企画として実施された「おたのしみ読書バッグ」は、本を見ずに職員さんによるお薦め文だけで選び、借りた後にどんな本なのかがわかる楽しい仕掛け。数に限りがあるから1人1袋までだったので、どの袋にするか迷った方が多いでしょうし、借りた後も「あの推薦文はどんな本だったんだろう」と気になっている方も多いと思います。そんな思いに応えるべく、2015年はおたのしみ読書バッグ 2015の後に「答えあわせ」を展示してくれました。
方南図書館の「おたのしみ読書バッグ」は、入口入った正面に木を模した展示があり、葉っぱ型カードに書かれた推薦文を選んでカウンターに持っていくと、英字新聞で作ったバッグに入った本を貸し出してくれるというものでした。答えあわせが始まってから方南図書館へ行ってみると、「おたのしみ読書バッグ」と同様に葉っぱ型カードが展示ボードいっぱいに貼られており、ところどころ葉っぱ型カードの端がぴろんとめくれて、その下に何やら書いてある。お薦め文をめくると、書名・著者など本の情報が書いてあるというわけです。
答えを見ると、「まさか、この推薦文がこんなジャンルの本だったとは、してやられた!」というものや、「これって、こんな本だったんだ」というものがあり、面白いです。それに、書名や著者で勝手にイメージして読まない本があることにも気付かされます。例えば私は、最近よくある「なぜ○○なのか」といった疑問形のタイトルの本は、多くはタイトルと中身が必ずしも一致せず、その中身も大したことないと思っている(私が読んだ疑問形タイトルの本は大抵そうだったので)のですが、そうした本の中にもタイトルの付け方が悪いだけで中身はいい本もある。タイトルを知らずに中身の情報だけで選んだ方がいいこともあるというのは興味深いです。
ちなみに、この記事で答えを明かすことはしないので、気になる推薦文があった方は答えあわせ期間中にぜひ方南図書館へ。当サイトは、「読めば図書館に行かなくてもいい」サイトを目指しているのではなく、「読むと図書館に行きたくなる」サイトを目指しているので、答えは明かしません。
見られなかったお薦め文も見られます
私の場合は特に、杉並区立図書館に利用登録できない在住・在勤条件でありながら「おたのしみ読書バッグ」を見に行ったので、私が借りられなかったあのお薦めはどんな本だったのだろうという好奇心を満たすために行ったのですが、実際に行ってみたらそれ以外の楽しさもありました。
というのも、方南図書館の「おたのしみ読書バッグ」は他の図書館の同種の企画と比べても格段に人気があり、私は企画初日に行ったにも関わらず、18時時点で40袋用意してしたうちの19袋しか残っていませんでした。来年からは、どんな袋があるのか全体を知りたかったら午前中に行かないといけないと思っているくらいです。でも、こうして答えあわせをしてくれると、既に借りられてしまった読書バッグにどんなものがあったのかもわかります。実際に、私がおたのしみ読書バッグを見に行ったときにはなくて、答えあわせに出ていたものは、以下のお薦めコメントでした。
もともとは映画のものを小説にした作品。映画で語られていないところを深く掘り下げていて、映画のその後まで描かれています。
さぁ神秘の瞬間をめぐる旅へ出かけましょう
「物」を持ちすぎてしまった“大人”の方にぜひ読んでほしい“絵本”です!!お子さまにも、ぜひよんであげて下さいね
読んでいる間、気持ちはこどもに戻っていた。忘れていた不思議な感覚。なつかしくてあたたかな感覚を私は思い出していました。
自分が置かれた境遇を受け入れ、今いる場所で生きていくって大事!そして恋っていいなぁとしみじみ感じられます。
心にしみる一冊です。
さり気ないけれどよく見ると奥が深い挿し絵にも注目していただきたい。素直な自分に向きあえる一冊です。
なにをしているのかな?そーっとしゃがんでのぞいてみて。きっとあなたもあえるはず。そのとてもちいさなかぞくにね。
おたのしみ読書バッグ2日目以降に借りに来た方は、「この読書バッグが残っていたら、こちらを借りたのに」というお薦めコメントもあったのではないでしょうか。答えあわせでは書名・著者名がわかるので、検索すれば借りることができます。
実際私も、地元の図書館で、上記の「こういうものが意外と忘れられない旅の想い出になったりするものです。~」「雨と靴の万葉集がキーワード~」「王や王妃たちのおとぎ話集です。~」の答えと、初日に見た読書バッグのなかから「「不思議の国」のおかしな殺人事件…」「このひとがまだ生きていたら、現在の世界の混とんをどう見たでしょうか…」の答えを予約しました。例えば「このひとがまだ生きていたら~」の本は、私にはタイトルが鼻につく本だったので、これまで本棚で見かけても手に取りませんでした。実物を見せないからこその出会いというものもあるんですね。
答えあわせは2015年11月9日から22日までなので、気になる方はぜひ方南図書館へ。複数のお楽しみ袋で迷ったあげく1袋に絞った方もすっきりすると思いますし、答えを知って推薦文の上手さをあらためて感じるものもあり、楽しいです。本との出会いが広がる企画、方南図書館でぜひ楽しんでください。