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葛飾区立図書館 リリオ亀有図書サービスカウンター

葛飾区立図書館 リリオ亀有図書サービスカウンター 訪問記

last visit:2018/04/20

葛飾区立図書館 リリオ亀有図書サービスカウンターは、葛飾区立図書館では初めての、検索・予約・予約受取・返却業務だけを行う常設施設です。民営の子ども向けライブラリー「絵と言葉のライブラリー ミッカ」のカウンターで、図書館のカウンター業務も行っています。

§ 施設の場所

リリオ亀有図書サービスカウンターは、亀有駅のすぐそば。駅の南口に出て左先のイトーヨーカドーなどが入っている「リリオ館」の7階にあります。亀有駅南口には、「リリオ壱番館」「リリオ弐番館」など、「リリオ〜館」がいろいろあるのですが、イトーヨーカドーの上と覚えておけば迷わないでしょう。ついでに言うと、駅から南東に400mのところに、一文字違いの「アリオ亀有」という施設があり、こちらにもイトーヨーカドーが入っているという点ではややこしい。というわけで、リリオ亀有図書サービスカウンターのことは、「亀有駅南口を出てすぐのイトーヨーカドーの上」と覚えておけば間違いないです(笑)。

リリオ館は、1階・地下1階にイトーヨーカドー、2・3階にニトリ、4階にノジマと、商業テナントが中心の建物ですが、7階には亀有地区センターや亀有区民事務所があり、区の施設と民間のテナントが同居しているフロアとなっています。その7階の一画をリニューアルして、2018(平成30)年4月7日に葛飾区立図書館の資料の予約受取や返却ができる「リリオ亀有図書サービスカウンター」が開設されました。

これは通学・通勤で亀有駅を使っている人や、下階のテナントで日常的な買物をする人にはとても便利。亀有駅の南方には葛飾区立亀有図書館がありますが、亀有駅から道のりにして1km弱あり、通勤通学帰りに気軽に寄れる場所とは言えません。こうやって普段の生活で通る場所に図書館資料が借りられる施設ができたことで、亀有地域の図書館利用はこれまで以上に増えるだろうと思います。

§ 施設の様子

この図書サービスカウンターは、図書館のような蔵書はなく、図書館のカウンダ―だけを取り出したような施設です。ここを受取館に指定して予約をすれば、図書館まで行かなくても本を借りられるし、返却ももちろんできます。葛飾区では、図書館が改築などで長期休館する間の臨時施設としてこのような「図書サービスコーナー」を設置したことはありますが、常設でこうした施設を設置するのは初めてです。

また、臨時か常設か以外にも、これまでの図書サービスコーナーとこの図書サービスカウンターには違いがあり、こちらには図書館の職員さんはいらっしゃいません。7階に上がって、フロア案内を頼りに図書サービスカウンターがある辺りに行ってみると、子ども向けライブラリー「絵と言葉のライブラリー ミッカ」が存在感あるかたちで目に入り、ミッカのカウンターをよく見ると、さりげなく「図書サービスカウンター」と書いてある。ミッカを運営する会社がこの図書サービスカウンターの業務を受託しており、ミッカのスタッフさんが貸出手続きをしてくれます。

ただ、図書館職員ではないためか、予約受取の手順が図書館カウンターとは少し違います。図書館カウンターなら、職員さんに予約受取をしにきたと図書館カードを渡せば本を取ってきてもらえますが、ここではまずカウンター向かって左端にあるカード読取機に利用者自ら自分の図書館カードを読み込ませます。すると、予約資料が届いている旨のレシートが印刷されます。利用者が自分で棚から予約資料を取って貸出手続きをする「予約資料コーナー」の入口にあるのと同じようなものです。

葛飾区立中央図書館立石図書館だったら、この後レシートの内容をもとに自分の予約資料を探すところですが、ここでは印刷されたレシートと図書館カードをスタッフさんに渡します。すると、スタッフさんがバックヤードから本を取ってきて、貸出手続きをしてくれます。レシートに書いてある内容も、図書館の予約資料コーナーなら「A-3」のように受取本の書いてある棚の区画が印刷されるところ、「カウンター」としか印刷されないので、予約資料の保管方法も、予約資料コーナーとは違うのかも。こんなかたちで、図書サービスカウンターでの貸出手続きは、確かに予約資料が届いていることを確認するという作業だけをセルフ化しているかたちで、他館で予約資料コーナーも普通に使用している身としては、何だか妙な気分です(笑)。

返却する場合は、カード読取機の更に左にあるブックポストに入れればいいだけ。これは単なるブックポストではなく自動返却機で、入れたときにICタグを読み取って返却手続きを行います。但し、CDなどの破損しやすい資料は、ポストではなく職員さんに手渡ししてくださいとのことです。また、残念ながら、この自動返却機は図書サービスカウンターが開いている時間しか使えません。

その他にここでできることとしては、カウンターから少し離れた、ミッカの入口向かって右手前(ミッカの券売機より手前)に図書館にある検索機があり、ここで検索・予約することができます。逆に言うと、ここでできることはこれくらいで、本に関する問い合わせや図書館カードを作る、更新するなどの、図書館職員さんでないとできない業務は、このカウンターではできません。貸出期間の延長や、次に待っている人がいなければその本をもう一度借りるという手続きも、この図書サービスカウンターではできません。

その他、相互貸借(葛飾区立図書館以外の図書館の蔵書を、葛飾区立図書館を通じて借りる)資料の受取館にも指定できないし、検索機での予約はできますが、紙に書いての予約や葛飾区立図書館が所蔵してない資料のリクエストもできません。長々と書いてしまいましたが、簡単に言うと、ここでできるのは、利用者が検索機や自動貸出機を使って自分でできることだけ。図書館職員さん専用の端末でしかできない処理は、ここではできないということです。

しかし、よく考えると、こんなかたちであれば、スタッフさんの手間をもっと省くことも可能。利用者が予約棚から本を探して自動貸出機で借りるようにすれば、完全セルフ化の図書サービスカウンターになります。完全無人化はそれに応じた盗難対策が必要になりますが、常に人がいる施設に完全セルフの図書館カウンターを作れば、不正に持ち出そうとする人も止められるし、操作がわからない人やお身体に不自由がある人がスタッフさんの手を借りることもできるでしょう。

図書サービスカウンター設置にあたって、そういう話が出たのがどうかはわかりませんが、今の図書サービスカウンターを完全セルフ化にできるかというと、よく見えないながらも予約本置き場は細長く狭いスペースのようで、利用者が入るスペースには適してない気がします。でもこの先、セルフ予約受取の普及度合いや場所確保の問題がクリアされれば、完全セルフ化の図書サービスカウンターが葛飾区にできる日がくるかも?そんな可能性を感じさせる施設です。

こういうかたちで葛飾区に新しく登場した「図書サービスカウンター」ですが、これまでの「図書サービスコーナー」との違いがいろいろあり、葛飾区での「カウンター」と「コーナー」の定義が気になります(そんなことを考えなくても利用に全く支障はないのですが 笑)。臨時施設を「コーナー」と呼び、常設施設を「カウンター」と呼んでいるのか、図書館職員がいる施設を「コーナー」と呼び、いない施設を「カウンター」と呼んでいのか。まあ、図書館の方でも、図書館サービスを行う施設のパターンが増えて、名称を考えるのに苦労しているのかもしれませんね(笑)。

§ 業務を委託されているミッカとは?

さて、先ほどからきちんとした説明もなく、「ミッカ」という名前を連呼してきましたが、この「絵と言葉のライブラリー ミッカ」とは何か。実は私もきちんとわかっているわけではない、というのは、この施設、18歳以上の大人だけでの利用はご遠慮願いますという施設なので、私は入れないんです。

でも、このお願いこそが施設の特徴を表してもいて、絵本・図鑑・漫画・写真集・作品集といった、絵と言葉が味わえる本を揃えた子ども向けライブラリーだそう。本だけでなく、イベントが開催されるシアターや、絵を描いたり工作をしたりできるアトリエもあるので、体験もいろいろできるみたい。但し、本の貸出はしていないようです。

小学生以下は入場無料ですが、中高生と保護者は1日券が200円、6カ月パスポートが1000円です。開館時間は10時から19時までで、最終入館が18時半。月曜、第4木曜(祝日は開館し、翌日を休館)、年末年始が休みというのは、図書サービスカウンター業務を受託することもあって、葛飾区立図書館に合わせてくれたのかな。但し、これに加えて、リリオ館全体の休館日が年2回あるそうです。

大人だけでは使えないという点は残念ですが、図書館のカウンター業務を行うだけの施設だったら素っ気ないところ、子ども向けライブラリーと併設されて、「本棚に触れる」という体験ができるというのは、とてもいいかたちだと思います。

今や図書館はネットで予約ができてとても便利になりましたが、検索・予約というのは、「○○という本を予約したい」「○○に関する本が読みたい」のように、ある程度何が読みたいということが決まっているときに使う機能です。本を読むきっかけには、「表紙が目に留まってちょっと立ち読みしてみたら面白かった」のように、物理的に手に取れる場だからこそのきっかけがありますが、図書館の窓口業務だけを行う施設では、そういうことは生まれません。

でも、ミッカのように「本が置いてある場所で図書館の窓口業務を行う」かたちならば、本との出会いの場にもなれる。例えば、小さなお子さんを連れてミッカに入ったら、お子さんが特に気に入った本があった。そうしたら、その本そのものが葛飾区立図書館にあるか検索して予約してもいいし、少し広げてその絵本を描いた作家さんの他の本も予約してもいい。子ども向けライブラリーで区立図書館カウンター業務も行っていることが、いいかたちで相乗効果を生めると思います。

そうやって、来てくれた人が2つの施設を融合的に活用してくれるのを待たずに、図書館サービスカウンターに亀有図書館の子ども向けイベントのチラシを置くくらいはさせてもらってもいいのでは。ミッカを見てから亀有図書館に来たら、施設の古さが目についてしまうかもしれませんが(笑)、ミッカと違って図書館は年齢に関係なく無料で利用できるという大きなメリットもありますし。

私の次々膨らんでいく考えはともかく、亀有駅近くに子どもが本に触れられる施設ができたことで、本を楽しむ文化が広がっていけばいいな。大人は駅近施設で予約受取ができるという便利さを大いに活かしましょう。

葛飾区立図書館 リリオ亀有図書サービスカウンター データ

住所東京都葛飾区亀有3-26-1 リリオ亀有リリオ館7階 →Google Mapで見る
Tel03-3607-9201
開館時間
火~土曜10:00~21:00
日曜、祝日10:00~19:00
定休日月曜・第4木曜(祝日は開館し、翌日を休館)
12月29日~1月3日
リリオ館の店休日
最寄駅 JR常磐線 亀有駅から徒歩1分
駐輪場
  • リリオ館の東側(亀有駅南口ロータリーとは反対側)に、葛飾区亀有南自転車駐車場あり。リリオ館の東側の路地に行くと自転車駐車場入口があります。利用は4:00~25:30で、1時間まで50円、1時間以上2時間まで70円、2時間以上100円、それ以降は1日毎100円。
    但し、施設利用割引があり、イトーヨーカドーにて買物をしたら金額に関わらず3時間まで無料、ノジマ・ニトリにて3000円以上買物をしたら当日限り無料、亀有区民事務所・亀有地区センター利用者は当日に限り無料。施設利用割引には、いずれも各施設の認証印が必要です。
  • リリオ館の北側(線路に面している側)に駐輪場あり。利用は9:00~22:00で、無料ですが、狭いので十数台くらいしか駐められません。
  • 葛飾区亀有南駐車場建物の北側にバイク駐車場あり。24時間利用可能で、1日1回200円、それ以降は1日毎200円。イトーヨーカドーにて買物をしたら金額に関わらず3時間まで無料(イトーヨーカドーの認証印が必要)。
駐車場リリオ館の東側(亀有駅南口ロータリーとは反対側)に、葛飾区亀有南駐車場あり。リリオ館の東側の路地に行くと駐車場入口があります。24時間利用可能で、7:00~22:00は、最初の1時間まで400円、それ以降は30分毎200円。22:00~7:00は、30分毎100円。平日6:00~20:00は最大1200円。
但し、施設利用割引があり、イトーヨーカドーにて1000円以上買物をしたら2時間まで無料、ノジマ・ニトリにて3000円以上買物をしたら2時間まで無料。施設利用割引には、いずれも各施設の認証印が必要です。
設備
ブックポスト図書館が閉まっている時間に返却できるブックポストはなし。カウンター向かって左の壁面にある自動返却機は、リリオ亀有図書サービスカウンターが開いている時間しか使えません。
自動返却機カウンター向かって左の壁面に、自動返却機あり
LAN接続施設付近で葛飾区公衆無線LAN「Katsushika_Free_Wi-Fi」が使えます。Katsushika_Free_Wi-Fiの使い方はこちらです。
飲食設備等
  • 図書サービスカウンターと同じフロアに「レストラン クリマ」あり
  • 図書サービスカウンター手前に飲料自販機1台あり
  • 建物地下1階がイトーヨーカドー食料品フロアです