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改築前の旧・品川区立五反田図書館

旧・五反田図書館は2008年6月30日を最後に改築のための休館に入りました。その後、現在の五反田図書館が2010年10月1日に開館しました。

以下は、改築前の旧・品川区立五反田図書館の訪問記です。

改築前の旧・品川区立五反田図書館 訪問記

last visit:2008/05/31

五反田図書館は東急目黒線の不動前駅と東急池上線の大崎広小路駅の中間辺りです。

不動前駅から行くと、攻玉社の脇の道を進んで、急坂を降りる形になります。大崎広小路駅からだと、TOC(東京卸売センター)ビルを越えた向こう側に位置するところに五反田図書館がある形ですね。私は都営浅草線の戸越駅から行ったこともあるのですが、第二京浜を五反田方面に進んで、高速の入口が見えたあたりから左にそれていくと五反田図書館のある品川教育総合会館にたどり着きます。どの駅からも歩いて行けるけど、「駅のそば」と言うには遠すぎるというような場所なんです。

品川教育総合会館は本館と新館があり、新館の2階が五反田図書館なのですが、新館4階は隣にある日野中学校のプールになっているのですね。上がプールになっている図書館といえば、渋谷区の富ヶ谷図書館がそうなのですが、五反田図書館もそうなんです。

2階に上がって図書館に入ると、正面にカウンター。カウンター左側が児童コーナーで、右が一般コーナーとなっています。入ってすぐ右の辺りがCD・カセットコーナーで、カウンターの向かって右隣にネット閲覧PC、検索機、CD試聴機が並んでいます。その右には新聞・雑誌コーナー。あとは入口入って右全体に書架が並んでいます。CD試聴機のある机と新聞・雑誌コーナーの間には、回転するラックにDVDもあります。

一般書架を眺めていておやと思ったのが、日本の小説には背にラベルが貼ってないんですね。いや、正確に言うと、新しい本には貼ってないけど、古い本には貼ってないようです。小説の棚は、ルポや随筆も一緒にあるので、この棚にはラベルが914の本も916の本も混在して、著者の五十音順で並んでいる形。これを見ちゃうと混乱するので、小説等の読み物の棚を見るときには、ラベルは無視して探した方がいいようです。

一般書架の一画には外国語図書が児童書だけですが置いてあります。参考図書コーナーと読み物の棚の境界にあたる棚の、壁から一番遠い辺りがそれ。
上の2段には「アンの青春」(私が見た限り「赤毛のアン」はなかった)、「オズの魔法使い」、「秘密の花園」といった児童向けの英語の本が90冊ほど。ほとんどがPUFFIN CLASSICSというシリーズですね。
下の3段には外国語の絵本が200冊ほど。ほとんどが英語ですが、中国語・ハングル・フランス語の絵本もほんの少しあります。その中にはオズボーン・コレクションの復刻世界の絵本館シリーズも。

雑誌コーナーは、私が行ったのが日曜だったからでしょうが、席が足りなくて立ち読みの人があちこちにいるほど。雑誌の棚の空きスペースには造花や本物のどんぐりが飾ってあったりして可愛いです。

家事関連本は内容によって細かく分類されています。
料理の棚だったら「たべあるき」「日本料理」「中国・東洋料理」「弁当・駅弁」「パン・菓子」といった具合。編物の本も「棒針編み(秋・冬)」「子供の編物」「棒針編み(春・夏)」「小物・帽子」と分かれています。
私はかぎ針編みより棒針編みが好きなので「棒針編み(春・夏)」が分かれているのは嬉しい。「棒針編み」だけでまとめられるとほとんどが秋冬ものだし、季節でくくられると春夏ってほとんどがかぎ針編みなので、春夏の棒針編みの本探すのって結構大変なんですよ。

一般書架の一番奥には資料室があり、入口には「資料室ご利用の方はカウンターへお申し出ください」とあります。ここにあるのは白書や法規集ですね。ちょっと覗いてみましたが、棚に囲まれて細長い部屋に机が一つぽつんと備え付けられています。孤独感が味わえそうですが(笑)、これらの資料を利用したい人には閲覧席まで行ったり来たりせずに済むのでいいですね。

漫画は、一般書架のCDの隣にあるヤングコーナーと入口左の児童コーナーの2箇所に分けて置いてあります。児童コーナーにあるのが「ワンピース」「金田一少年の事件簿」やあだち充の作品など。ヤングコーナーには手塚治虫や浦澤直樹、池田理代子の作品が並んでいます。
こうやって、漫画を内容で児童向けと一般向けに分けて置いてある図書館ってたまにあるのですが、分類って図書館それぞれ。見比べると結構面白いです。

児童コーナーは棚の高さが低く、子供も自分で本が取れるし、安全面でも見通しがよくていいですよね。ちょっと難点なのが、児童コーナーの配架図が実際の向きと天地が逆になっていたこと。もちろん頭の中で逆転させればいいのですが、大人はともかくこどもにはちょっと難しいかも。

施設自体は新しくはないのですが、きちんと整頓されているし、古い施設にしては棚と棚の間が広いので本が見やすい。棚にある本も片方に寄せられてブックエンドで押さえてあるからすっきりしています。こういう棚が見やすい図書館は、予約受取や返却だけの利用ではもったいないです。ぜひ棚を見て何かいい本を探してみてください!

改築前の旧・品川区立五反田図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  「あの人が眠る品川」
―2007年3月の展示