東葛西PRESS あなた変わりはないですか~北のやどかり号「新書(SHINSHO)でGO!&東葛西イベントクロニクル」
visit:2009/12/27
東葛西図書館の不定期図書館だより、東葛西PRESS。2009年冬の特集は、新書と、東葛西図書館でのイベント振り返りです。今回もフルカラー印刷でにぎやかですよ~。
最近、新書って本当にたくさん発行されていますよね。岩波新書、中公新書のような昔からあるものから、幻冬舎新書、ソフトバンク新書、SCREEN新書などなど、古今東西ありとあらゆる出版社が乗り出している本のスタイルです。読む側にとっては、持ち歩きやすいし、比較的すぐ読める。出版社にとっても、デザインは決まっているし、原稿料や取材費を除いた単純な製作コストが抑えられるという利点もあるのではないでしょうか。
東葛西図書館も、2階のカウンター向かって右の方に、壁を埋め尽くす新書の棚があります。その点数は3600冊なのだとか。図書館だよりにグラフで示されたジャンル別の割合を見ると、「社会科学」が1位で33%、以下、2位が「自然科学」(12%)、3位が「地理・歴史」(12%)と続きますが、「自然科学」と「地理・歴史」の差はたった1冊。1位はダントツっぽいですが、2位以下はちょっとした流行などで変動してしまいそうな差です。
グラフでは、ジャンル別の所蔵数とともに、貸出数も示されているのですが、この比較が面白い。ジャンル別貸出数の割合も、ほとんどは所蔵数と似ているのですが、「哲学」が所蔵冊数では9%で5位なのに対し、貸出数では13%で2位に躍り出るのです。図書館だよりの説明によると、中でも「生き方」の本が絶大な人気を誇っているのだとか。
誌面では、そんな話題の「生き方」本の一つ、香山リカの『しがみつかない生き方』を、二人の職員さんが読み比べ。30代女子のサンタさんは、自分が賛同できる部分とそうではない部分を明確にして、参考にできるところだけをピックアップするべき本として読んだようです。もう一方の、29才男子カッキーさんは、本書への批評を通じて、「幸せ」に対する自分の考えを確認している様子。「生き方」本って、本当に誰かに生き方指南をしてもらいたくて読むというよりは、この二人のように、他人の「生き方」を読むことを通じて、自分の考え方を確認するために読まれているのかもしれませんね。
この読み比べとは別に、2ページにわたって、8人の職員さんによる新書ブックレビューが続きます。個人的には、『「汚い」日本語講座』に惹かれました。文中で、著者自身がどういう結論になるかわからないと言ってしまう文章。読み終わったつたさんも、「その結末は日本語研究の域を超えているのではないか!」と書いている。一体、どんな結末なんでしょう、気になります。
本やCD・DVDの貸出だけでなく、おはなし会や講演会などのイベントも、図書館の業務の一つ。もう一方の特集では、2005年9月の開館以来、東葛西図書館で開催されたイベントを抜粋して紹介しています。
まず最初に紹介されているのが、「カブトムシ講座」。里山昆虫クラブに連絡を取り、4月の講座では幼虫を、7月の講座では成虫を持ってきてもらって、育て方の講習をしたそうです。写真からも活気のある様子が伝わってきますね~。
2008年3月20日に行われた「さくら寄席」は、私も観覧させていただきました!誌面によると、米朝事務所から「舞台装飾や会場作りなど本格的で大変素晴しい!使用料を払うから今後も是非、落語会を開かせて欲しい!」というお言葉をいただいたそうです。
私の印象に残っているのは、司会を務めた地元高校生の今川家菊太郎さん。確か、今、高校三年生で、この3月に卒業すると思うのですが、落語家への道を進むのかな。彼のブログに、弟子入り志願をしに行ったことが書いてあったりもしたのですが、その後そうした話は書かれていないんですよね。いずれにせよ、落語は続けて行く気がするし、もしまた図書館で落語を演じることがあれば、私も観に行きたいです。
「ガイドヘルプ講座」や「聴導犬あきちゃんの補助犬実演講座」など、障害に関連する講座も目立ちます。図書館でこうした体験・実演のイベントがあるっていいですね。本やCD・DVDって、生で見聞きできない情報を得られる大切な資料ですが、想像では補えない部分もきっとある。こういうイベントがあれば、本で読むだけでは気付かなかったことに気付いたり、また逆にイベントから入って、関連する本を手に取ることもあるでしょう。
個人的には、大人のための朗読会に一度行ってみたいと思っています。大人のための朗読会は、あちこちの図書館で開催されているので、興味のある作品を狙って聞きに行きたいな。
最終ページのクイズは、二字熟語クイズ。「けっこう難問ですよ♪」とあるのですが、問題のすぐそばに答えが書いてある(といっても、答えがずばり書いてあるのではなく、わかりやすいヒントという形ですが)ので、すぐわかっちゃうかも(笑)。願わくば、もうちょっと答えを隠して掲載していただけると嬉しいです。
今号は、新書と図書館イベントという組み合わせの誌面でしたが、図書館がいかに知見を深めてくれるかを教えてくれている気がします。新書ブームとなっている今、図書館にある新書を利用すれば、短期間でいろんなジャンルに詳しくなれそう。また、図書館イベントと図書館の資料を通じて、知識と体験をともに得ることもできる。いや~、図書館って素晴らしい!今後もますます図書館を使いこなしたくなりました。