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台東区立中央図書館浅草橋分室

台東区立中央図書館浅草橋分室 訪問記

last visit:2012/01/22

台東区立中央図書館浅草橋分室は、浅草橋の北にある図書館。「分室」という名前からのイメージよりは、大きい施設です。隣にフランス人学校があることから、「フランスコーナー」があります。

§ 図書館の場所

台東区中央図書館浅草橋分室は浅草橋駅のすぐ近く。JR浅草橋駅だったら西口を左に出て、新宿方面の線路に沿って折り返すように進みます。80mほど進むと片側1車線ずつの少し大きめの道路と交差するので、そこで右折、そこから200mほど進むと道の右側に浅草橋区民館があり、その2,3階が台東区中央図書館浅草橋分室です。

都営浅草線の浅草橋から行く場合は、A4出口を出て目の前の「柳橋二丁目」交差点で左折し、そこから2つ目の信号(右先に城北信用金庫があるところ)で右折すると、50mほど先の道の右側に浅草橋区民館があります。

浅草橋は秀月や久月などの人形店が多く、駅で広告を見ると、思わず頭の中で「人ぎょ~うの秀月~」と歌ってしまいますね(笑)。町並みも何とも古めかしく、ごちゃごちゃした下町感溢れる雰囲気。浅草橋区民館もこの町に相応しくこじんまりした建物です。

§ 図書館内の様子

2,3階はそれぞれ独立したかたち図書館エリアが存在していて、各階の資料はその階で貸出手続しないといけません。2階が新聞・雑誌と一般書架、3階がCDコーナー、中高生コーナー(グリーンコーナー)、児童コーナー、学習室となっていて、分室の名にふさわしい小さな施設です。

§ 2階の新聞・雑誌、一般書架

2階は入ってすぐ右にカウンターがあり、カウンターの左から奥全体にかけて一般書架、入口から左に曲がり込むように折り返したエリアが新聞・雑誌コーナーです。一般書架は、小説の割合が高いですね、

日本の小説は、著者名の姓の頭2文字+名の頭1文字を五十音順に並べてます。例えば、典厩五郎(テンキュウ ゴロウ)なら「テンゴ」、天童荒太(テンドウ アラタ)なら「テンア」、天堂晋助(テンドウ シンスケ)なら「テンシ」となり、その3文字が五十音順になるように並べてあるので、天童荒太→典厩五郎→天堂晋助という順になるんですね。単純な名前の五十音順とは少し違うのでご注意ください。また、複数の作家の作品集は書名の頭文字で分類され、一人の著者の本より前に並んでいます。小説の「テ」の棚に行くと、最初に書名が「テ」で始まる作品集があり、その後、上に書いたような順で、分類記号が「テ○○」となる作家の本が並ぶという形です。

外国の小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」といった形で国・地域別に分類した上で、それぞれの中で著者の姓名の五十音順。こちらは日本の小説と違って、姓2文字+名1文字のようなことはなく、純粋に姓名の五十音順です。

小説の棚でこれはいいと思ったのが、佐伯泰英さんの文庫がある棚。佐伯さんの各シリーズの書名一覧がクリアケースに入れて置いてあるのに加え、文庫本そのものにシリーズの何巻目にあたるのかをラベルプリンタで貼っているのです。シリーズだからといって必ずしも本の背に巻数が書いてあるとは限らず、例えば幻冬舎文庫は棚から出して背表紙の解説に「シリーズ第○弾!」とか書いてあるのを見ないと順番がわからないのですが、浅草橋分室では本の背に巻数を貼ってくれているので、棚に入っている状態で順番がわかるんです。

比較的冊数が少ない小説以外の本は、右奥の壁にぐるりと並んでいます。裁縫や料理の棚は、備え付けの棚では足りなく、棚上にもはみ出して本を並べています。また、パソコン関連本は新聞・雑誌コーナー手前右にまとめてあるので、そちらをどうぞ。日本十進分類法に従うと、WordやExcelなどソフトウェアの使い方などは「007 情報科学」、インターネット関連は「547 電気通信」といった具合に分かれてしまうパソコン関連本を、「雄パソコン関連」として一まとめにしてくれていますよ。

入口入ってすぐ左の棚には東京や台東区の資料を集めたコーナーがあり、その左には池波正太郎コーナーもあります。これは池波正太郎が浅草生まれだというゆかりからですね。池波さんの著作はもちろん、『鬼平クイズ』や池波本の解説書などもあります。池波さんについては台東区中央図書館に「池波正太郎記念文庫」があり、池波さんの直筆原稿や絵画なども多数展示されているので、浅草橋分室の本を読みつくしてしまった方はそちらもせひ!

また、一般書架の左奥には「フランスコーナー」があります。ほとんどがフランス関係の本で、その他に夏目漱石『三四郎』や吉本ばなな『キッチン』などのフランス語訳や、『千と千尋の神隠し』『ベルサイユのバラ』などの漫画のフランス語版なども少し並んでいるというラインナップ。ただ、フランス関係の本は古いものばかりだし、特設のわりにはあまり力の入れ具合を感じない気も…。このフランスコーナーは、おそらく近くにリセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京のSECONDAIREがあることからなのですが、どうもリセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京は北区へ移転統合するようなんですよね。移転後はこのフランス語コーナーはどうなるんでしょう?

§ 3階の様子

3階にあがると、こちらにも入ってすぐカウンターがあり、その奥が児童コーナー、入口入って左に折り返したエリアがCDコーナー&中高生コーナー(グリーンコーナー)になっています。学習室は、図書館エリアの右隣に別入口で入るようになっています。

CDコーナーは、浅草橋分室だけじゃなくて台東区立図書館全体の話なのですが、中央図書館の2011年11月からの自動貸出機導入にともなって、CDケースが自動貸出機対応のものに変わっています。この新しいケースが幅広で、棚に並んだときに見やすくて、私は気に入ってます。もちろん幅広な分、収納スペースが前より必要になってしまうという欠点もありますが、歳をとるにつれ見やすさの重要度って上がるんですよね(笑)。

グリーンコーナーは中高生向けの読み物や受験案内などが並んでいるコーナー。ただ、棚を見ていると、シェイクスピアやパール・バックの『大地』など、必ずしも中高生向けとは限らない本などもあるので、何かいい小説はないかなと探すときには、2階一般書架だけでなく、グリーンコーナーにも足を伸ばすと、いい本に出会えるかもしれませんよ。

児童コーナーは靴脱ぎスペースなどもなく、小さい面積の中に、絵本や紙芝居、児童読みものやちしきの本が並んでいる空間です。絵本は、日本のおはなしと外国のおはなしを別にして、それぞれ絵を描いた人の姓名の五十音順に並んでいますが、「アンパンマン」「きかんしゃトーマス」「おさるのジョージ」「バーバパパ」の4つのシリーズは、棚の脇の小さい箱にまとめて置いてあるので、それらを読みたい方はご注意ください。

学習室は指定席制で、利用するときは3階の図書館エリアのカウンターで図書館カードと引き換えに席を指定されます。座席番号がランダムに並んでいるので、学習室のドアに張られている番号表を確認してから入室しないと、自分の席はどこ??という状態になってしまうのでご注意を。

§ 台東区の南部をカバーする小さな図書館

台東区はいろんな規模の図書館があって、区内図書館の構成が23区の中でもユニークなんですよね。で、規模でいうと、
 中央図書館>>石浜根岸谷中>浅草橋分室>すこやかはばたき21
という順序になるのかな。すこやかとしょかんは、台東区保健所の中のミニ図書館、はばたき21は男女共同参画施設で図書館的業務もしているという施設なので、純粋な図書館としては区内で一番小さいといってもいい図書館です。私、2005年に行った際の訪問記で、「分室という名前から想像していたよりは広いです」と書いていたのですが、今となってはどうしてそんなことを書いたのか自分でもよくわかりません(苦笑)。

ただ、中央・石浜・根岸・谷中はいずれも台東区の北部にある図書館なので、台東区の南端にある浅草橋分室は、小さいながらも南部の図書館サービスを支えていると言える施設。駅からも近いし、予約資料の受取館として利用している方も多いのではないでしょうか。

書架内の座席数は少なく、学習室が別室になっている(=学習室には貸出処理の資料しか持ち込めない)ので、書棚からあれこれ本を取り出しての調べものには不向きですが、こじんまりして静かな雰囲気なので、1冊の本をじっくり読むときには、人の出入りの多い中央図書館よりも集中できるのではないかと思います。小さな図書館ならではの雰囲気をうまく利用してくださいね!

台東区立中央図書館浅草橋分室 データ

住所東京都台東区浅草橋2-8-7 浅草橋区民館2,3階 →Google Mapで見る
Tel03-3863-0082(代)
開館時間
月~土曜9:30~19:00
日曜9:30~17:00
※1月4日は10:30開館
定休日第1,2,3,4月曜(ただし、第2日曜の翌日は開館)・第3木曜・第2日曜
第5月曜の前日
祝日(日曜の祝日の場合は開館し、振替休日を休館)
12月29日~1月3日
最寄駅 JR総武線 浅草橋駅から徒歩4分
都営浅草線 浅草橋駅から徒歩7分
都営浅草線 東日本橋駅から徒歩14分
駐輪場建物入口手前左と建物北側(建物正面向かって左側面)に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数35,112冊(2017/03/31現在、出典『台東区の図書館 平成29年度事業報告』)
音声資料
CDカセットレコード
ありなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物入口向かって左にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備CDコーナーにCD試聴機1台あり。貸出処理をしたものを視聴する仕組みで、3階カウンターで利用者カードと引き換えにヘッドホンを貸してもらえます。利用は1人1日3枚まで。
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用不可
飲食設備等なし
その他設備コインロッカーが2階に20個(うち3個が使用不可)、3階に20個あり。使用には100円硬貨が必要で、使用後100円硬貨は戻ってきます。