足立区立中央図書館
足立区立中央図書館 訪問記
足立区立中央図書館は、北千住から日光街道を北上し、千住新橋を渡る手前にある図書館。とにかく大きくて、資料も充実!建物が荒川土手につながっているので、天気がいい日の図書館利用の合間には、荒川を見ながら休憩もどうぞ。
足立区立中央図書館の最寄り駅は北千住駅。駅から徒歩で行くと結構歩きます。初めて行く場合は、北千住の西口から日光街道に出てしまって北上した方がわかりやすいかもしれません。その場合は、千住新橋の右手前の高いビルを見つけてください。トミンハイムと足立区施設との複合施設の1~3階が、足立区立中央図書館です。
私からのお薦めルートは、日光街道の北千住駅寄りに並行して走っている宿場町通りを歩いていくルートです。北千住って、駅前に商業ビルがいろいろあるのに、周辺の商店街も負けずに活気があるんですよね。コロッケとか、おにぎりを買い食いしたくなります(笑)。宿場町通りを北上(駅西口から見て右方向)し、商店街が終わったあたりで左を見上げると、高いビルの上に足立区のマーク(青い三角形のしたにちょこっと緑が入っている)があるのが見えると思います。その建物が足立区立中央図書館のある複合施設です。
1~3階までのフロア構成は、1階が雑誌・新聞とCD・ビデオ・DVD、2階が児童コーナー・中高生コーナー・地図・外国語図書・小説・家事関連本・芸術など、3階が参考図書・美術大型本・社会科学・自然科学など。2,3階はフロア全体が図書館ですが、1階の図書館エリアは2,3階に比べて1/4程度の面積です。
ちなみにこの建物は、4,5階が足立区の生涯学習センター、6階が放送大学東京足立学習センター、7階がレストランになっています。4階は荒川の土手につながっていて、そこから出て行くと河原の野球場などが見え、勉強や調べ物の休憩にいいですよ。
建物1階の入口を入ると、右に図書館エリアの入口があります。1階フロアは、図書館エリア入口から見て左側に曲がるL字型の区画で、入口を入ると左にカウンター、右に新聞・雑誌コーナー。しばらく進んだ突き当たりから左にかけてCD・ビデオ・DVDの棚があり、曲がった先の真ん中に視聴機が並んでいます。
新聞・雑誌エリアの手前は美術館・博物館のお知らせコーナーになっていて、東京23区や市部のほか、他県にある美術館・博物館のチラシを入れる棚があります。棚はあるのですが…、ほとんど中身が入っていません…(2011年12月26日現在)。全部で125館分、チラシを入れる場所に名前だけは書いてあるので、「こんな博物館があるんだ」という情報にはなっていますね(苦笑)。中身を引き出さないと見えないタイプの棚で、あまりチラシ入れには適してない気もするので、用途を変えた方がいいのかも…。
雑誌や新聞はやはり中央館なので点数が多いです。雑誌は大部分はこの場所にありますが、児童向け雑誌や児童文学に関する雑誌は2階の児童コーナーにあります。中高生向けの雑誌もこちらではなく2階の中高生コーナーだったかも(うろ覚えです。すみません)。
あと、雑誌の一番入口に近いラックは、分冊百科形式の雑誌で占められています。デアゴスティーニなどの出版社が出している、「週刊○○」というタイトルで、全部揃えると体系だった専門書になるようなタイプの雑誌がありますよね。あれがいくつか揃っているのです。たぶん、分冊百科形式の雑誌は、図書館では「図書」として扱うケースの方が多いと思うのですが、足立区立図書館では雑誌コーナーにあるのでご注意ください。
CDの量も多いです。足立区立図書館は地域館ではCD・ビデオ・DVDを所蔵していないので、中央図書館のこのエリアにあるCD・ビデオ・DVDが、足立区立図書館の持つCD・ビデオ・DVD全てということになります。CDは幅広いジャンルを取り揃えていますが、ビデオやDVDは、一般的な映画ではなく、日本の美術館シリーズやNHKスペシャル、プロジェクトX等々の、いかにも図書館らしいラインナップですね。
視聴覚資料エリア中央にあるCD試聴機、ビデオ・DVD視聴機は、聴きたい・観たいものを貸出処理して、それを聴く・観るという仕組みです。だから、足立区立図書館カードを持っている人しか利用できません。
図書館1階から図書館2,3階に行くには、一度図書館エリアから出て、建物共通の階段・エレベーターを使わないといけません。2階と3階は図書館内で行き来できるようになっています。2,3階はコの字型のエリアで、「コ」の字の内側から真ん中に入って、左右に折り返す形で書架が広がっています。
2階入口手前には「リサイクル本交流コーナー」があり、古本を持ち寄ったりもらったりできます。また、これとは別に年に1回(通常10月だそうです)図書や雑誌の蔵書処分をするイベントをしています。足立区の他の図書館は、月に1度所蔵対象から外れた雑誌をもらえるコーナーを設置していますが、中央図書館は年に1回で雑誌だけでなく図書もということで、その1回で放出される冊数もすごいです。私も一度行ったことがあるのですが、想像通り人出も多く、かなり戦闘状態でした(笑)。
その2階入口を入ると、正面にカウンターがあり、右(東)側が小説や芸術分野の資料。左(西)側は、これがまた、盛りだくさんなのですが、左側エリアに入った手前右が家事関連本、その奥が外国語図書で、そこから左に地図コーナー、中高生コーナーと並んでいます。手前左には児童コーナー入口があり、奥は広い児童コーナーになっています。
2階カウンター向かって右に新刊図書情報が掲示されているのですが、掲示方法がよくて、足立区の図書館で所蔵しているものとそうでないものとの二つに分けて表示されているのです。つまり、図書館も新刊図書情報を見て本を購入するわけですが、全て購入するわけではない。とりあえず、何を購入して何を購入しなかったのかを明らかにして、もし所蔵していないもので読みたいものがあったらリクエストしてください、としているわけです。購入したものだけを明らかにするより、購入しなかったものも合わせて公正な情報を公開しているということに感心してしまいました。
その新刊図書情報が掲示してあるカウンター向かって右は、新刊コーナーのほか、特集コーナーと「足立区ゆかりの作家・作品」コーナーがあります。ビートたけし、朱川湊人、早乙女勝元といった、足立区に住んだことのある人の作品のほかに、足立区内の中学校が舞台と設定された『3年B組金八先生』の小説などもありますよ。
そこから右に曲がった先にある文学の棚は、さすが中央館という冊数。日本の小説は著者名の姓名の五十音順で並んでおり、複数作家による作品集は五十音の並びの後にまとめられています。外国の小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」等の国・地域別に分類されてた上で、その中で著者名の姓名による五十音順に並んでいます。
西側エリア入ってすぐの、生活関連本の棚も充実していますよ。。裁縫や料理の本のほか、旅行ガイドもこの場所にあります。旅行ガイドの棚は「ガイドシリーズ」「散歩・街歩き」「レジャー施設」「グルメガイド」「花ガイド」「名所・旧跡」「アウトドア」「ノンジャンル」と分類も細かい!「ノンジャンル」には、夜景ガイドや窯場ガイドなどユニークな視点のガイド本が揃っています。場所を先に決めて旅行の予定を組むとき、テーマを先に決めて旅行の予定を組むとき、それぞれのケースに応じてこれらの書棚を使いこなしてくださいね。
その奥の外国語図書が、これまたすごい。英語・中国語・ハングルはかなりの冊数。それ以外の国の図書もたくさんあり、出版された国で分類された見出しを挙げていくと、オーストリア・アルゼンチン・バングラディッシュ・ベルギー・ブラジル・スイス・コロンビア・チェコ・デンマーク・エジプト・スペイン・フランス・フィンランド・ドイツ・ギリシャ・ハイチ・インド・ハンガリー・アイスランド・インドネシア・イスラエル・イタリア・レバノン・リトアニア・マレーシア・メキシコ・オランダ・ノルウェー・ニュージーランド・パキスタン・イラン・フィリピン・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・ロシア・スリランカ・スウェーデン・トルコ・ベネズエラ・ベトナム・ユーゴスラビア・ジンバブエ…って、書き疲れちゃうくらいの国の数(笑)! 外国の資料は、大人向けの図書や絵本、児童書も含めて、全てこの外国語図書コーナーに集まっています。
この外国語図書コーナーは、隣に地図コーナーがあることもあってか壁に世界地図が貼られていて、いるだけで国際的な気分になります。その地図も、日本で一般的に普及している世界地図ではなく、南半球で使われている南が上になっている世界地図や、ヨーロッパ・アフリカが真ん中にくる世界地図などが貼られているのです。知っているはずの世界地図が、向きや位置のずれで違う顔になる。こういうの、面白いですよね。
資料としての地図も、地勢図、道路地図、住宅地図等々、とにかく多い! ちょっと面白いのが、外国で発行されている世界各国・各都市の地図(パリやソウルなど)なんかもあるんです。表記が現地語なので、注意書きなどは読めないものもあるかもしれませんが、外国旅行に行く前に見ると、旅行ガイドとは違う見どころを発見できるかもしれません。
中高生コーナーは、中高生の利用者が投稿したイラストや、雑誌の付録ポスターが貼られていて、友達の部屋に遊びに来たような気分になれるスペースです。付録ポスターは、適宜入れ替えているそうですよ。投稿されたイラストは、「Teen's Scope」という中高生向け図書館だよりの表紙にも使われ、職員さんに話を伺ったところ、そのときにイラストによって、もらわれていく部数が増えることもあるのだそうです。イラストが得意な人は、ぜひ投稿してみてください!
イラストが掲示されている壁の左には、自由にメッセージを書いて貼り付けることのできるボードもあります。文字だけのものもあるし、イラストだけのものもある。これも職員さんに聞いた話なのですが、あるイラストに対して、他の人がイラストでメッセージを送ったりすることもあったそうです。人々がメールやネットで繋がる社会でも、アナログなやりとりが生きている。いや、デジタルが主流になりつつある時代だからこそ、アナログのやりとりが特別な繋がりに思えて嬉しくなりますね。
分類も、「Y110 癒し系言葉」「Y130 学校生活」「Y150 進路・学校案内」など、中高生コーナーならではの分類になっています。見ていると、中高生だけに利用させておくのはもったいないような、いい本がたくさん!実際、いろんな分野でのわかりやすい入門書も多いので、新しいことを始める大人にも、中高生コーナーの資料は適していると思います。
2階の西側エリア奥にある児童コーナーは、またこの中で「コ」の字型になっているかたちです。児童コーナー入口を入ると左にカウンターがあり、そこから左に進むと絵本や紙芝居の棚とおはなしの部屋。右に行くと、児童よみものやちしきの本など、対象年齢が上の資料が並んでいます。
絵本コーナーは、同心円上に弧状の棚が並んでいる面白い空間です。絵本の棚は、日本のおはなしと外国のおはなしで分けた上で、おはなしの作者の姓名の五十音順に並んでいます。円の中心にあたるところには造木が立っていて、その周辺が靴脱ぎコーナーになっています。靴脱ぎコーナーに面した棚には赤ちゃん向け絵本が並んでいるので、木のそばで読み聞かせの時間を過ごしてくださいね。
絵本コーナーの奥におはなしの部屋があり、その手前右にこれまで足立区中央図書館で行った児童向けイベントの様子を伝える展示があるのですが、これがもう、一度見たら次のイベントに参加せずにはいられない楽しい様子が伝わってくるんです。鈴木のりたけさんの新幹線絵描き歌や、スズキコージさんの万国旗作りなど、写真やサイン色紙でその日の様子が伝わってきます。
ちしきの本の側面には、似顔絵から歴史上の偉人を当てるクイズや、学校の職員室のイラストの中から駄洒落を探す「だじゃれ探し」など、遊びが掲示されています。偉人の似顔絵は、似てるといえば似てるけど、ヒントなしにはわからないかな(笑)。
また、生物や植物の棚には、都市農業公園自然環境館が作成した「さんぽのおとも」というミニ冊子がぶら下がっており、カモやどんぐりなどについてのミニ知識が書かれています。都市農業公園自然環境館というのは、この中央図書館から荒川を7km弱上った辺り、住所でいうと足立区鹿浜に施設で、自然体験や自然の素材を使ったものづくりなどができるようです。冊子を見て興味を持ったら、自然環境館にもぜひ足を運んでみましょう!
3階は、2階と同様、中央にカウンターがあり、左右に書架が分かれています。ざっくり言うと、左(西)側が大活字本・美術大型本と図書分類の000~200番台あたり、右側が参考図書・地域資料と300番台以降という感じ。2,3階ともに面積も広いので、何となくこの辺かなと思って本を探す際にもたくさん歩きがち。カウンターで配布している配架図を見ながら歩いたり、職員さんに聞いたりして、目当ての資料をしっかり見つけてくださいね。
3階の書棚を巡っていると、棚に差すタイプの見出しがなく、どこからどこまでが何の資料というのがパッとわからないのが不便です。蔵書数が少ない図書館なら、この棚には何があるというざっくりとした見出しでもどうにかなりますが、蔵書数が多ければ多い図書館こそ、棚のどこからどこまでが何の本なのかという見出しが欲しい。
東側の一画にはビジネス関連コーナーもあります。会社設立や経理・総務の手続に関する本、業界紹介本、ビジネス文書、就職活動、資格、企業のCSRレポートなどなど、いろんな本を集めているコーナーですが、ここもまた棚見出しがないので、何がどこにあるのかわかりにくい。このビジネス関連コーナーを利用するなら、同じ北千住にある、あだち産業センター内産業情報室の方がいいかもしれません。ここは書架全体がビジネス関連本ですし、カウンターも近いので「こんな本はないか」という相談もしやすいです。
図書以外では、3階カウンター向かって右にはネット閲覧PCがあります。また、持参PCについては、東側の机席で利用することができます。但し、電源は使えないので、バッテリー充電を忘れずに。2階カウンター向かって右の、昔CD-ROM用PCがあった席も持参PC利用席になる予定ですが、2011年12月26日現在、節電対策で閉鎖されています。
足立区立中央図書館はとにかく広く、蔵書数も多いです。古いデータですが、2006年3月31日時点での蔵書数ランキングの1位ですし、近いうちにちゃんと調べてUPしようと思ってますが、23区だけでなく東京の区市町村立図書館で現在の蔵書数ランキングを作っても、たぶん1位か2位だと思います(何となく資料を見ている段階の予想では、足立区中央図書館と杉並区立中央図書館のどちらかが1位でどちらかが2位)。駅から遠いのが難ですが、もしこの施設のまま駅にもっと近かったら、閲覧席の競争率が今以上に高まって、とんでもないことになると思います!駅から歩くけど、その価値ありの図書館。ぜひこの広い書架を堪能してください。
足立区立中央図書館 データ
住所 | 東京都足立区千住5-13-5 1~3階 →Google Mapで見る |
Tel | 03-5813-3740 |
開館時間 | 9:00~20:00
12月28日・1月4日は、9:00~17:00 |
定休日 | 月末日(土・日曜・祝日の場合は開館し、直前の金曜に休館) 毎月1回施設点検日 12月29日~1月3日 |
最寄駅 | |
駐輪場 | 1階建物入口手前に駐輪場・バイク用駐輪場あり |
駐車場 | 建物地下1階に一般用駐車場57台分、障害者用駐車場5台分あり。30分ごと100円。入口は日光街道側にあります。 |
所蔵資料 | |
図書所蔵数 | 584,823冊 2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』 |
CD所蔵数 | 19,464点 2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』、10ページの資料統計の「音楽・映像資料」と11ページの視聴覚資料内訳の合計数が合わないが、11ページの視聴覚資料内訳を採用した |
DVD所蔵数 | 2,693点 2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』、10ページの資料統計の「音楽・映像資料」と11ページの視聴覚資料内訳の合計数が合わないが、11ページの視聴覚資料内訳を採用した |
ビデオ所蔵数 | 983点 2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』、10ページの資料統計の「音楽・映像資料」と11ページの視聴覚資料内訳の合計数が合わないが、11ページの視聴覚資料内訳を採用した |
設備 | |
ブックポスト | 建物1階入口向かって左にブックポストあり |
自動貸出機 | なし |
図書の除菌 | LIVA図書除菌機あり 2023/05/23に足立区立図書館ウェブサイトにて確認
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音声試聴設備 | 1階にCD試聴機3台あり。1人3枚まで。貸出手続をしたCDを試聴できます。 |
映像視聴設備 | 1階に映像試聴機8台あり。1人2本まで。貸出手続をしたビデオ・DVDを試聴できます。 |
ネット閲覧PC | ネット閲覧PC3台あり。9:00~19:30までの申込みが必要で、00分と30分を区切りに、30分単位での利用。次に待っている人がいなければ延長可能。 |
持参PC利用 | パソコン利用席で持参PCの使用可能。電源あり。 |
LAN接続 | 館内で「J:COM Wi-Fi」の利用可能 2021/07/20に確認
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飲食設備等 | 建物7階に「レストランさくら」あり |