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東葛西PRESS このままでいいの?夏号「気になるあの人」

―図書館だより 2008年6月号
visit:2008/06/30

江戸川区立東葛西図書館の不定期刊の図書館だより「東葛西PRESS」。2008年6月30日発行の第9号には号タイトルからして考えさせられちゃいました。そのタイトルはずばり「このままでいいの?夏」。う~ん、私、このままじゃいけないことがたくさんあるような気がするんですよね(笑)。なかなか痛いところを突かれました。

それはさておき、今号の特集は「気になるあの人」。小説の登場人物の気になる人をあれこれ考察するという特集です。1ページ目のお馴染み高橋三千世さんの4コマ漫画は「小説の中でどの登場人物が気になるかというのは、そのときの自分の状況を反映している」という内容なのですが、本当にそうですよね。そもそも数多ある本の中からどれを読むかというのが、既にそのときの心理状況が反映しているし。私の場合、読もうかなと思った本が「すぐに図書館予約する本」と「いつか読むリストにいれる本」と分かれるんですけど、この「いつ読むリストにいれた本」というのが実生活で後回しにしているものの反映だったりするんですよね(笑)。やっぱりこのままではいけないのかも?!

2ページ目では、その辺の人に小説の登場人物で気になる人を聞いたアンケートの回答。私も東葛西図書館にとっての"その辺の人"ということで回答しています。あろうことかトップバッターとして掲載されているのですが、これは回答の質ではなく、私が一番最初に回答用紙を返したからでしょう(笑)。これがね、答えるのが難しかった!このアンケート、好きな人と嫌いな人を一人ずつ挙げるのですが、嫌いな人がなかなか思い浮かばない。

思うに"気になる人"というテーマでの「嫌いな人」というのは、ただ嫌いな人とはちょっと違うように思うんですよね。避けたい人というよりは、積極的に攻撃してやりたいような人というイメージ(笑)。そういう人って実生活だとときどきいるのですけど(笑)、小説の中にはなかなかいないんですよね。実害を受けるわけではないから、余裕持って好きな気になる人にしちゃえるくらい。そんなわけで自分でもイマイチ冴えがないと思う回答になってしまったのですが、皆さん、嫌いな登場人物って思い浮かびます?

3ページ目ではアンケート結果をもとに職員さんが気になる人談義。というより、まとまりきれずに途中で小説貸出ランキングに話題変更しちゃってますが(笑)。この中で「自分の生きてきた時間を否定せず、それを小説に活かそうとする、アンチ(排斥)ならぬ受容エイジングの人こそが、むしろ年齢を超越した表現世界を築ける」という発言があって、なるほどと頷いてしまいました。小説に限らず、無理にわかった気になって書いた文章って、その無理さが見えちゃいますし。そういう意味では小説に出てくる嫌な登場人物も、何かしら作家の受容してきたものの中から生まれたものなのでしょうか。

4ページ目は、東葛西図書館内の新設コーナーの話。私も今号を貰いに行ったときに見たのですが、1階カウンターの正面に区営ホールでのイベント紹介とそれに関連する図書館資料を展示するコーナーができたのです。行きたいイベントを見つけたら、東葛西コミュニティ会館(東葛西図書館は東葛西コミュニティ会館内にある)で申し込めるというのも便利。

その下の記事、二十八歳男子の雑誌紹介はこれまでの号と比べて文字数も増えて、文章もちょっと随筆風。「月刊星ナビ」という雑誌はこれを読んで初めて知りましたが、文章は初心者の私にはおそらく無理でも、写真だけなら楽しめるかな。今度所蔵している図書館に行ったときにでも見てみよう。

5ページ目は突発的ブックレビュー、ジジ放談、SF案内。ジジ放談を読んで知ったのですが、TVドラマ「相棒」には欠番となってしまった話があって、その理由が図書館がらみとのこと。ネットで検索してみたら、図書館司書が閲覧者の個人情報を漏らすシーンがあるのだそうで、私は実際にそのシーンを見てないから断言はできないけど、確かに「図書館の自由に関する宣言」にひっかかりそうな気配は濃厚ですね。いや、それ以前に個人情報保護法にひっかかる可能性もありそうに思いますが。

この欠番については脚本等々のスタッフのミスですが、実際こういうことってちゃんと起こらないようになっている?ってちょっと心配だったりします。司書資格を持っている方は、さすがに勉強の過程で図書館の自由についての理念が身についているとは思いますが、民間委託や非常勤職員が増えている昨今の図書館、全ての職員さんが図書館の自由について熟知していらっしゃるかは怪しいような気もするんですよね。まあ、民間委託でなくても、異動で図書館に配属された自治体職員さんも同様だったろうから、今に限った問題ではなさそうだけど。こういう人気ドラマのミスによって、逆に図書館の自由についての一般の知識が広まれば、それはそれでいいのかもしれませんね。そういう意味では、欠番理由をもっと宣伝してくれてもいいのかも。

6,7ページは「人生サプリ デラックス」。お悩み相談の形式で、遠回りで悩み解決の参考になりそうな本(笑)を紹介するコーナーです。今回は5冊が紹介されていたのですが、そのうち草刈民代の『全身「からだ革命」』はいつか読もうとメモ(って、さっそく後回しにしてますが 笑)。草刈さんだとこのタイトルも誇張じゃなさそうだもんなあ。

最後の8ページ目はおまけ小説。図書分類番号のゴロ合わせなしで、第6号掲載の「博の愛した数式」と第8号掲載の「キャッチャー・イン・ザ・ライブラリー」の番外&総集編となる小説が掲載されています。う~ん、今回の小説はやけにセリフが多くて、しかもその中に他人の言葉の引用(○○さんが「~」と言ってたよ、というような)が多いので、小説全体が"しゃべりすぎ"なイメージになってしまっている気がします。と、自分には小説書く能力もないのに偉そうに書いていますね(笑)。

ゴロ合わせ書架小説は一応前号で終わっていると思うのですが、私としては図書館だよりらしからぬフィクションはぜひぜひ何かしら連載して欲しいと思うところ。今回は番外編でしたが、次回は新シリーズ開始?なんて勝手な期待を寄せちゃったりして(笑)。