新春かるた大会(2018年)
visit:2018/01/03
葛飾区立中央図書館は年末年始も休まないことで知られており、その時期には遠くからも利用者がやってきます。1月3日に葛飾図書館友の会の主催による新春かるた大会が行われるのも、今年が6回目となる恒例行事。私も1月3日は葛飾区立中央図書館へと決めており、2018年も参加してきました。
会場に揃ったのは30人強、その中には参加するお子さんの付き添いで来た保護者の方もいるので、実際に遊びに参加するのは30人弱。会場に入ると、これも毎年恒例の、葛飾図書館友の会会長さんによるギターの演奏が流れるなか、5つテーブルが用意されており、参加者は空いているところへ自由に座ります。百人一首に自信があり、各テーブルで勝った人が決勝に進めると知っている人は、友達連れや家族連れで来ても、それぞれ決勝に進むことを狙って、あえて別のテーブルに分かれて座る人もいます。
私は今回で3回目の参加で、毎回ここで顔を合わせる常連さんもいるし、初めての参加の人もたくさんいます。スマホゲームやVRのゲームも登場している今、小さいお子さんも含めて百人一首を楽しむ人がこんなにいることが実感できて、百人一首好きとしてとても嬉しいです。もちろん、漫画『ちはやふる』の影響も大きく、「からくれなゐに」の札は全ての人が取らんと目をつけている札の一つです。
イベント最後の百人一首決勝ではガチの熱戦が繰り広げられますが、イベント自体は子どもから大人までいろいろな遊びを楽しむ内容です。ざっと思い出すところでは、一番小さいお子さんは小学校修学前くらいだったし、上は直接お歳は聞けませんが46歳の私より上だろうと思われる方も。お正月に親戚が集まったときに、子どもも大人も一緒に楽しめるゲームをする、あの感じを図書館でおこなうようなイベントです。
今年の式次第は、以下の通り。
- かつしか郷土かるた
- かつしか生きものトランプでのババ抜き
- 坊主めくり
- 百人一首
かつしか郷土かるたも、毎年区を挙げた競技大会を開催するなど、葛飾区が推しているかるた。立石の地名の由来となっている石や、山田検校のお墓が高砂にあることなど、葛飾区で暮らしていても知らないかもしれない葛飾豆知識が織り込まれています。墨田区のスカイツリーのことを読んだ札もありますが、葛飾区ウェブサイト内のこの札の解説にある、高砂橋からスカイツリーを望む眺めは、葛飾区も自転車移動圏内の私も頷けるお薦めスポットです。
今年は1種類ゲームを増やしたため、かつしか郷土かるたとババ抜きは決勝戦はせず、各グループで1位になった人が会場の端に並んだ景品から好きなものをもらえるかたち、坊主めくりは決勝戦を行って上位者が同様に好きな景品をもらえ、加えて坊主めくりで決勝に進んだ人には、各グループで使ったかつしか生きものトランプをそのままプレゼントしたかと思います(合間合間で他の参加者さんとおしゃべりしたりで、この辺は記憶があやふや)。ちなみに景品は、図書館で購入した雑誌の付録。図書館で所蔵している雑誌の付録はどうしているんだろうと思っている方も多いと思いますが、葛飾区立図書館ではこんな風にイベントの景品にしています。
イベントのトリを飾る百人一首は、各グループでの予選はまだ牧歌的な雰囲気があるものの、その勝者による決勝はかなり本気モードの大熱戦。百人一首だけは、決勝上位者の景品が図書券や葛飾区立図書館オリジナルエコバッグであることも、参加者のやる気に火をつけます。
最初に書いたように、百人一首に自信がある人は決勝に進むことを狙ってグループを選ぶので、どんな人と同じグループになるかで、予選の様子はかなり違うことになります。例えば、私のグループだと、全員で6名いるなか、一番多かった中学生の女の子が約60枚、私が約30枚、確か11歳だと言っていた3番目の男の子が10枚くらい取り、残り3人は全く取れないか1,2枚取れたかくらい。中学生の女の子が圧倒的な強さを見せる予選となりました。
これはなかなか難しいところで、例えば、去年同じグループになった母子参加者さんは、お子さんが全然取れずに飽きてしまい、途中でもっと緩く楽しんでいるグループに移ってしまった。終わった後にそのお母さんとお話したとき、「レベル別にグループ分けするなどしてくれたらいいのに」とおっしゃっていたんです。ただ、百人一首を楽しみに参加する子の多くは、事前に強さを聞くと、結果的に予選であまり札が取れない子でも強いと言うんです。私はイベントが始まるまでの間、同じグループになった人と話すようにしていて毎回そんな反応なので、自己申告でのグループ分けは当てにならないでしょう。
今回嬉しかったのは、取れずにつまらなく感じていたかもしれない子も、最後まで1枚でも取ろうと競技に集中していたこと。圧倒的に強い中学生のお姉さんを見て、もっと歌を覚えてお姉さんみたいに強くなろうと思ってくれたらと願います。また、参加者の中には、前半で皆ができるゲームをして楽しみ、百人一首では半ば観覧者気分で強い人同士の争いを見て楽しむ人もいます。友の会も皆さんも、誰もが楽しめるべく前半のゲームを用意してくれていると思うので、百人一首のレベルに関わらず多くの人が参加してくれたらと思います。
予選を終えたら、各グループで一番札を取った人が集まっての決勝です。ちなみに競技形式としては、予選がちらし、決勝はたぶん2手に分かれての源平合戦方式にしつつ、取った札の数で個人順位をつけていくかたちだと思います(私自身が決勝に進んだことがないので定かではない)。これもややあやふやな記憶になりますが、今回決勝に進んだ5名は、高校生が2人、中学生が2人、大人が1名という内訳だったかな。
白熱の決勝の結果、優勝したのは私と同じグループにいた中学生の女の子、2位は毎年参加して私とも顔なじみの高校生の女の子、3位も中高生の子だったと思います。少なくとも私が参加するようになってからは、決勝優勝者はずっと中高生だったはず。百人一首は、歌を覚える長期記憶と、その札が今どこにあるという短期記憶、そしてそれをもとに素早く札を取る瞬発力が必要ですが、中高生にはそれを総合した強さがあるのを感じます。が、名人戦で活躍する人のことを考えると、必ずしもそうとは言い切れないか。私もまた来年頑張ります。
百人一首の結果が決まって表彰式をした後には、全員が参加賞としてまだ残っている雑誌付録の景品から好きなものをいただき、イベントを終えました。ご一緒した皆さん、主催の葛飾図書館友の会の皆さん、楽しい時間をありがとうございました。大家族のお正月のように老若男女で一緒に楽しむゲームと、白熱の百人一首競技を楽しめるこのイベント、毎年1月3日に開催しているので、ご興味ある方はぜひいらしてください。