福袋本

―2013年1月5日から1月31日までの企画
visit:2013/01/06
§ キーワードで選ぶ「福袋本」

テーマに沿って図書館職員さんが選んだ本を、中身を見せずに貸出してくれる≪本の福袋≫企画。私はこれが好きで、この年末年始、都内で開催している図書館を、昨日はあちら今日はこちらと忙しく立ち回っています(笑)。中央区京橋図書館でも福袋本企画を開催していると知り、さっそく行ってきました。

中央区京橋図書館の入口を入って左に回り込むと、地下2階への階段脇のラックにイラストとキーワードと冊数が書かれたカードが貼られています。キーワードは「びっくり」「南の島」「笑える」「ぼうけん」「生きる道?」などの短い言葉で、それぞれ言葉にちなんだイラストが印刷されています。このカードは剥がせるタイプの糊でくっついていて、好きなカードを選んでカウンターに持っていくとそのキーワードで選んだ本が入っている福袋を貸してくれるというわけです。

「福袋」といっても、お買得の商品を入れたお店の福袋とは違い、あくまでも「中身を隠して貸し出す企画」なので、中に入っている本は期限までに返却する必要があります。返却の際は普通の貸出本と同様に1冊ずつで構わないし、紙袋は返却する必要はありません。

本の福袋企画では複数の本を詰め合わせにしていることが多いのですが、京橋図書館では中身が1冊の福袋もあるのが珍しいところ。考えてみれば、図書館を使いこなしていて借りている本が多い人だと、たとえ福袋本に興味を持っても既に貸出冊数上限ぎりぎりで何冊も借りるのは無理という場合もありますよね(ちなみに中央区は本・雑誌10冊まで)。でも、1冊の福袋があれば、そうした方も参加しやすいでしょう。私が行ったとき既に借りられている福袋もありましたが、1冊・2冊・3冊それぞれ10袋ずつの計30袋用意してあったようです。

中央区京橋図書館 福袋本 外観

いろいろあるキーワードや冊数も含めて、どれにするか悩んだ結果、私が借りてきたのは2冊の本がはいっている「南の島」(左写真)。福袋に貼られている島のイラストがそのままカードになって展示コーナーに貼ってあるのをカウンターに持っていくと、職員さんがこの袋を出してくれたというわけです。福袋そのものが置いてあるところから選ぶ方式だと、袋の重さやちょっと触ってみて感じる本の大きさなども手掛かりになりますが、カードと引き換え方式だと本当にキーワードだけが手掛かり。カード形式の方が中身がわからないドキドキ感が増す感じがします。

中央区京橋図書館 福袋本 バーコード

最近の図書館は、蔵書管理にバーコードではなくICタグを使うところが増えてきており、そうした図書館ではICタグを非接触で読み取れることを利用して、袋に入れたまま貸出処理ができます。でも、中央区立図書館ではバーコードでの蔵書管理をしているので、貸出処理をするためには本についているバーコードを読み取らないといけません。では福袋本の貸出はどうするかというと、袋の左下に本と同じ内容のバーコードが貼ってあるんです(バーコード部を拡大したのが右の写真)。貸出するときはこのバーコードを読み取って貸出処理をすればいいというわけです。

中央区京橋図書館 福袋本 注記

ちなみに、紙袋上部の封印も福袋シールで(左写真)、細かいところまで「福袋」感を盛り上げてくれていますね。それで勘違いが起こらないようにということか、写真でも福袋シールの下に映り込んでいますが、貸出資料なので期限までに返却するようにという注意書きが大きく貼られており、更に中を開けると本の中にも注意を書いた紙が挟みこまれていました。確かに、図書館の本の福袋企画は一般的にそれほど浸透しているわけではないし、「福袋」を拡大解釈して本をもられるものと勘違いする人もいないとは限りませんから、こういう注意書きも重要ですね。

中央区京橋図書館 福袋本 中身

さて、中身を楽しみにして家に帰り袋を開けた中身が右の写真。左から『旅の雑学ノート 沖縄24時間』『南の島で楽園探し』で、どちらも単なる観光ガイドではなく、島の文化や暮らしぶりがわかるような読みものなのが嬉しいです。パラパラとページをめくっただけで、寒い東京にいる場合じゃない、南国に行きた~い!とそわそわしております(笑)。

中身を隠してキーワードで選ぶ福袋本、面白そうと思った方はぜひ京橋図書館へ。開催期間が2013年1月5日から1月31日までで、用意された30袋がなくなったら終了とのことで、私が1月6日の閉館間際に数えたときには残りが23袋でした。厚い本だったら読み切れるか自信ないという人でも、1冊の福袋もあるので参加しやすいですよ。本との出会いを楽しんでくださいね。