たかなわミュージックライブラリー 第1回「ビートルズ」
visit:2012/04/18
高輪図書館は、2009年から「おとのしおり」という視聴覚資料の新入荷案内を発行していて、音楽に詳しい職員さんの書く紹介文は、自分に馴染みのないジャンルのCDも借りてしまうほど。そんな高輪図書館で、2012年度から“たかなわミュージックライブラリ”というCDコンサートが開催されると聞き、「おとのしおり」ファンの私としては行かずにはいられません。第1回の開催は2012年4月18日、高輪図書館の3階視聴覚室にて18:30から、もちろん私も行ってきました。
CDコンサートというと次々とCDを聴くだけと思うかもしれませんが、たかなわミュージック・ライブラリーはただCDを流すだけでなく、音楽に詳しい職員さんが解説をしながら曲を聴かせてくれるイベントです。第1回のテーマは「ビートルズ」。会場に行くとテーブルの上にビートルズ関連本が並んでおり、それを読みながら開始を待つこともできます(手に取っていたのは私だけだったけど…皆さん、展示本は借りることもできるので、ご参加の際にはぜひ手に取ってください!)。メンバーが交わしたハガキを収録した本などが面白かったなあ。開場から開演までの待ち時間には、金沢明子の『イエロー・サブマリン音頭』や、東京ビートルズのCDが流れていました。東京ビートルズ、面白い!
音楽を聴きながら展示本を見ているうちに18:30を迎え、たかなわミュージックライブラリのスタート!1時間のプログラムなのですが、流れた曲は19曲、かなり内容ぎっしりのプログラムです。ビートルズのナンバーを初期・中期 後期に分けて解説付きで聴かせてもらいました。選曲は以下の通り。
初期 | 1. | アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア |
2. | シー・ラヴズ・ユー | |
3. | 抱きしめたい | |
4. | ビートルズがやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ! | |
5. | ヘルプ | |
6. | イエスタデイ | |
中期 | 7. | イン・マイ・ライフ |
8. | イエロー・サブマリン | |
9. | ストロベリー・フィールズ・フィーエバー | |
10. | ア・デイ・イン・ザ・ライフ | |
11. | ハロー・グッドバイ | |
後期 | 12. | ヘイ・ジュード |
13. | ゲット・バック | |
14. | レット・イット・ビー | |
15. | サムシング | |
16. | ゴールデン・スランパー | |
17. | キャリー・ザット・ウェイト | |
18. | ジ・エンド | |
19. | ハー・マジェスティ |
今、私の部屋で音楽を聴くとしたら、パソコンで聴くか店内で一番安かったしょぼいCDプレーヤーで聴くしかないので、視聴覚室という設備の整った環境でCDを聴けるだけでも気分が上がります。自宅の音響に凝っている人は別でしょうが、それほど凝っていない家だとCDを聴くにしても周囲への騒音も気にしながら普通のプレイヤーで聴いているでしょうし、逆に音響設備のしっかりしたライブハウスやコンサートホールでは、ライブ演奏が中心でCDを流すことはないに等しい。外にいることが多い人だったら、音楽はもっぱらポータブルプレーヤー&イヤホンで聴いてばかりという人もいますよね。そんな方にも広い部屋でスピーカーから聴く音楽はお薦めです!
また内容も、単に曲を流して曲の説明をするだけでなく、ビートルズが登場したときにどれだけ衝撃だったかがわかるよう、ビートルズ登場前のイギリスのヒット曲と聞き比べたり、マルチトラック・レコーディングの方法に関するミニ講座もしてくれたり。そうしたことを踏まえて曲を聴くと、更に深く曲を楽しめます。
そして、最後にはあまりにもグッドタイミングなハプニングも(笑)。16曲目のゴールデン・スランパーから最後の曲までは、「アビー・ロード」B面後半のメドレーを続けて聴くかたちだったんですね。で、このアルバムのB面10曲目の「ジ・エンド」が流れた後、シークレット・トラックである「ハー・マジェスティ」が流れるまでに少し間があるんです。あらかじめそうなっていると解説してくれていたので、皆で「ハー・マジェスティ」が流れるのを待っていたら…ちょうど19:45になって、「もうすぐ閉館です」という高輪図書館の放送が入ってしまいました(笑)。解説の中で、ビートルズは最後にずっこけを入れてくるという話をしていたのですが、たかなわミュージックライブラリー自体もいいボケ入ってました。
振り返ってみても本当に楽しい時間だったなあ。解説つきで曲を聴くのって、ラジオの音楽番組を聴いているような気分なんですよね。目の前で話しているから、公開録音を見に来たような感覚です。でも思えば、白衣を着て解説していたので、開催している高輪図書館側のイメージとしては、「ラジオDJ」ではなく「教授による講座」という感じだったのかな。ご担当の職員さん(=「おとのしおり」でほとんどの記事を書いている職員さんの(う)さん)のお話が楽しいので、私としてはもっと解説が多くてもいいくらい。1時間の予定が15分ほどオーバーしたのですが、もっともっと聴いていたかったです。
そんな私のような人のために、既に次回の開催も決定しているとのこと。次回は7月18日18:30からで、テーマはマイルス・デイビスだそうです。ジャズの帝王をテーマに、どんな選曲でどんな解説をしてくれるのか楽しみ!お時間のある人は、ぜひ足をお運びくださいね。