閉館前の江東区立白河こどもとしょかん
白河こどもとしょかんは2022年1月31日を最後に閉館しました。その後、後継の図書館として、こどもプラザ図書館が2022年5月15日に開館しました。
以下は、閉館前の江東区立白河こどもとしょかんの訪問記です。
閉館前の江東区立白河こどもとしょかん 訪問記
白河こどもとしょかんは、清澄白河駅の東、菊川駅の南にある図書館です。木場公園内にある、東京現代美術館の北にあたる、と言った方がイメージしやすいでしょうか。この辺は、碁盤のように、東西と南北に道が通っているので、初めて来る人にもわかりやすいと思います。
道のりとしては、清澄白河駅からは、清洲橋通りを東に、菊川駅からは三つ目通りを南に進みます。半蔵門線の清澄白河駅から行く場合は、ホームの押上方向に近いB2出口から出たほうがいいです。清洲橋通りと三つ目通りが交差する「白河三丁目交差点」に来たら南(清澄白河駅からきた場合は右折、菊川駅からきた場合は直進)に進み、一つ目の信号で左折、そこから100m強進んだ左側に、1階部分がレンガ色、2,3階部分がクリーム色の建物があります。その建物の1階が白河こどもとしょかんです。
白河こどもとしょかんは、以前は図書館だけで一つの建物だったのですが、2009年4月1日から2010年5月31日まで長期休館し、白河こどもとしょかんの敷地まで元加賀小学校校舎を増築して、その中の1階の一部を現在の白河こどもとしょかんとして使っているのです。航空写真で見ると、校庭から校舎がはみ出ていて、そこが白河こどもとしょかんの場所、という形です。
図書館の入口は、通りから見て、建物の右側にあります。区画としては、ほぼ長方形といえるシンプルな造りで、奥にカウンターがあり、入口とカウンターの間に書架が並んでいます。入口左手前には、「赤ちゃんコーナー」という、靴を脱いで絵本などが読めるコーナーがあり、左奥側がおはなしの部屋ですね。おはなしの部屋は、おはなし会を開催しているとき以外は閉まっています。このおはなしの部屋の窓には、ぐりとぐらの大きな絵が描かれているので、絵本を開いて同じ絵を探してみるのもいいですね。
入口右には、赤い扉で閉ざされた部屋があり、「学校図書館」と書いてあります。ここは元加賀小学校の図書室のようですね。一般の図書館の利用者が、学校図書館側に行くことはできませんが、小学校の生徒さんや教師の皆さんにとって、学校の図書室を見て、いい本がなかったら、すぐ近くに区立図書館があるというのは、本選びの幅が広がりそう。
名前の通り、資料は児童向けがほとんどですが、カウンター向かって左奥には、大人向けの資料もあります。絵本論などの、子どものための本選びの参考になる本や、家事関連本、育児の本、小児科の本など、親御さん向けの図書が多いです。その左にある雑誌ラックにも、児童向け雑誌だけでなく、『すてきにハンドメイド』『SAITA』などの家事情報の多い雑誌が並んでいます。
児童向け資料に限定している分、児童も大人も対象としている図書館よりも、児童図書数が多いとか、あれこれ工夫を凝らしているかと思いきや、意外と普通なんです(笑)。「児童」と一口に言っても、小学校1年生と6年生では読むものも変わってきますが、その辺を特に分類してもいないし、読み物も著者名の頭文字で分類しているだけで、多くの本を出版している著者でも、著者名見出しはなし。
規模的にも、他の江東区立図書館の児童コーナーと同程度か、もしくは白河こどもとしょかんの方が小さい気もするので、今のままでは、他の大きな図書館ではなく、あえて白河こどもとしょかんに行く意味があるかというと…。小さい図書館だと、職員さんの目が届きやすく、安全面では利点があると思いますが、リニューアル開館日の時点では、それ以外の良さはあまり感じませんでした。
改築前の白河こどもとしょかんって、小屋みたいな造りで可愛らしかったんです。お手洗い回りなどの設備は、改築によって確かによくなりましたが、没個性的な施設になってしまいました。リニューアル開館日に、改築前の白河こどもとしょかんの可愛い表札が、入口の脇にそっと置いてあったのが、これまた悲しい光景で…。
小学校の図書室側からみたら、区立図書館と一体になることは大きな利点だと思います。更にもう一歩、元加賀小学校の生徒・教員ではない利用者にとっても、来館したくなるような工夫があると嬉しいです。大人・児童両方の資料のある図書館の児童コーナーではなく、わざわざ白河こどもとしょかんまで行きたくなるような特徴があれば。
また、小学校側にとっても、施設的に区立図書館と一体となったことを、運営にどう活かしていくかは、これからの頑張り次第でしょうね。これから、この白河こどもとしょかんがどう運営されるか、期待したいと思います。