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移設前の旧・豊島区立中央図書館

旧・豊島区立中央図書館は、2007年3月31日を最後に閉館し、2007年7月16日に現・中央図書館へと移設されました。
以下は、移設前の旧・豊島区立中央図書館の訪問記です。

移設前の旧・豊島区立中央図書館 訪問記

last visit:2006/11/23

豊島区の中心は池袋なのでしょうが、さすがに池袋の街中に図書館を設置するのは難しいようですね。豊島区立中央図書館は池袋駅よりずっと東に行った辺りにあります。最寄り駅は都電荒川線の向原駅ですね。私は新大塚駅から歩いていきました。春日通りを池袋側に進んでいくと、通りより少し奥まったところに図書館の建物が現れます。

図書館は3階建てで、1階が児童室、2階が書架、3階が閲覧席、食堂、CD・ビデオコーナーとなっています。一見して古そうな図書館。老朽化しているっていう意味じゃなくて、デザイン的に今時の建物ではないというか。これはこれで結構落ち着けるんですよね。書店でも、ピカピカでPOPやポスターも多いような明るいお店もあれば、地味で渋い昔ながらの書店もありますよね。豊島区立中央図書館はいわば後者のような雰囲気を持つ図書館です。

まずは1階の児童室から。どなたでもご利用できますという文字があちこちにたくさん貼ってありますね。利用者が少ないのかな。確かに、建物の前面に2階への階段が大きくあって、1階の児童室はその奥に位置しているから、気楽に入りづらいのかも。建物全体も渋いですしね。でも入ってみれば、広さもあるし、絵本を音読している子供なんかもいて(それは私が行ったときたまたまですけど)、可愛い空間です。外国語の絵本も英語だけでなく、フランス語など他の言語もありますし、漫画もこの児童室に置いてありますよ。

建物正面の階段を上がって2階に行くと、入って右に雑誌コーナー、正面が文庫と新聞コーナー、左にカウンターがあり、カウンターの奥が書架になっています。

新聞コーナーにはネット閲覧PCが2台あります。ノートPCが2台あって、1人25分以内の利用。利用時間の区切りって30分とか1時間とか60進数できりのいい単位が普通で、経堂図書館の50分も珍しいと思っていたのですが、豊島区立中央図書館は更に刻んできますね(笑)。入れ替わり時間を5分見ているということでしょうか。

書架は全部2階にあるので、本がたくさんあるなあという印象を受けますね。この書架、階段・お手洗いを挟んで大きく2つに分かれていて、そのお手洗いの前が2つのエリアをつなぐ廊下になっているのですよ。で、廊下の延長上が棚と棚の間の通路になっているのですね。これをどっちかのエリアの端から見ると、『棚がずらっと並んでいて、廊下があるその先にも棚がまだまだ続いている』って絵になるのですよ。この感じ、いいですね~。ちなみにこの廊下にリサイクル本コーナーもあります。

さて、棚を見て行きますと、美術の棚に「池袋駅西口にある創形美術学校の蔵書を閲覧することができます」という文字がいくつも貼ってあります。地域内の学校の蔵書を利用できる仕組みって他の地域でもいろいろありますが、図書館パンフレットやホームページの片隅にちらっと書いてあることが多いので、関連棚にこうやって書いてあるのはいいですね。ここはむしろ、「もうわかったよ」と言いたくなるくらいにたくさん貼ってあります(笑)。

外国語図書も充実していて、英語・ハングル・中国語の本が並んでいます。また、それらほど冊数は多くないですが、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、タガロク語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、ビルマ語の本もあります。中国語はやたらと複数巻ものというか、大河小説が多いですね。ハングルも大河小説が多そうでした(ハングル読めないんで、よくわかんないけど)。また、中国語だけですが漫画もあります。手塚治の「火の鳥」「鉄腕アトム」「ブラックジャック」の中国語版や「ぼのぼの」「金田一少年の事件簿」の中国語版も。

また、この外国語図書コーナーには、在日外国人向けの新聞がたくさん置いてあります。「日本新華僑報」、「MEDIA NUANSA INDONESIA」、「スーマイタイムズ」(タイ語)、「KAIBIGAN」(タガロク語)、「SHWE BAMAR」(ビルマ語)などなど、全て日本国内で発行している在日外国人向けの新聞です。私、ビルマ文字ってここで初めて見たのですが、タイ文字以上に丸っこいんですね。面白い。

で、棚のところどころに「この棚の本は、分類変更のために作業中です。早急に本が必要な方はどうぞお知らせください。」という紙が立てかけてあります。そう、豊島区立中央図書館は来年の7月に移転するんですよね。それに伴って、分類・ラベルも変更するのだそうです。

すでに分類変更が済んでいると思われる本を見ると、「2132」という旧ラベルの上に「210.32」という新ラベルが貼ってあったりする。分類をより細かくしているみたいですね。また、図書分類だと複数の分類になってしまうPC関連図書には、分類番号とともに「PC」の文字が書いてあったりしたので、これは新中央図書館ではPC関連書でひとまとめに配架するのかな。

何といっても、この新中央図書館移設にあたっては、7月に移転するのに3月末に現中央館が閉館しちゃうんですよ。3ヶ月も休むんだから、よっぽど便利にしてくれないとですよね。期待してますよ!(それにしても、旧ラベルを一生懸命透かして見ようとする私もつくづく物好きなものだ 笑)

3階は閲覧席がずらっと並ぶ部屋があります。ここは席と席の間がかなりきつきつ。満席になってもちゃんとものを書く際に腕を動かすのに必要なスペースがあるのだろうか、ってくらいに隣の椅子との距離が近い。隣との距離だけじゃなく、長机が並んでいるんだけど、その机と机の距離もそんなに広くないし。これも新中央図書館に期待というところでしょうか。

階段を挟んだ閲覧室の反対側には食堂があります。コーヒー190円をはじめ、食事もいろいろと。

その隣にはCD・ビデオコーナーがあります。CDとビデオがある部屋なのにとても大きい閲覧席があるのでどうしただろうと思ったら、新聞縮刷版もこの部屋にありました。それと、音楽雑誌のバックナンバーもこの部屋に置いてありますね。また、ここにはCD試聴機が1台あるのですが、貸出手続きをした上でこの試聴機を利用するそうです。貸出手続きしないといけないってことは、貸出点数制限にひっかかったら試聴もできないのかな。まあ、借りるための試聴という意味では、それでもおかしくないか。

こんな感じで、一言で言うと古いタイプの図書館といったところでしょうか。狭い閲覧室とか、それに比べて空間を無駄に使っているようにさえ見えるCD・ビデオコーナーも、現在求められている設備を古い施設に詰め込んだ結果そうなっちゃったんだろうし。この図書館はこの図書館で味があるように思うので、移設後に閉館になるのはちょっと淋しい。

せめて、利用できるうちに利用しておきたいですね。皆さんも、2007年3月までにぜひどうぞ。