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世田谷区立尾山台図書館

世田谷区立尾山台図書館 訪問記

last visit:2013/06/08

世田谷区立尾山台図書館は、東急線の尾山台駅のそばの図書館。駅前商店街「ハッピーロード尾山台」の中にある図書館なので、買物ついでに利用できます。

§ 図書館の場所

尾山台図書館は東急大井町線尾山台駅から歩いて3分の尾山台地区会館の中にあります。駅を出たら左へ進み、駅前商店街・ハッピーロード尾山台の中を進んで、2つ目の十字路の右先にある建物が尾山台地区会館。その2,3階が尾山台図書館です。

駅周辺の商店街が現役で賑わっているのはさすが東急線沿線というところ。ハッピーロード尾山台は道幅が広く、賑わう時間帯には車両通行止めにしているので、歩きやすいです。駅から尾山台図書館までの150mくらいの間にも、美味しそうなパン屋さんがあったりして、つい引き寄せられてしまうんですよね。

§ 図書館内の様子

尾山台図書館は尾山台地区会館の2,3階を占めていますが、大部分の資料は2階にあります。2階に上がると、階段・エレベーターからみて左にカウンターがあり、カウンターの前に横長区画の一般書架が並んでいます。そして、児童コーナーは区画の左端、新聞・雑誌コーナーは区画の右端に配置されています。3階は過去の新聞や加除式資料が壁面に並ぶ中に、閲覧机が並んでいるかたちで、その他に対面朗読室やおはなしの部屋などもあります。

2階から3階への階段や児童コーナーの中にステンドグラスがあるのがちょっとしたアクセントになっていていいですね。1階のロビーも商店街の中の休憩所みたいなかたちになっていて、図書館を含めた建物自体が尾山台の皆さんの暮らしに溶け込んでいる雰囲気。日常的に来る場所に図書館が建っているっていいなと感じます。

§ 一般書架

一般書架は、ほぼ長方形状の区画に棚が並んでいるので、比較的わかりやすいです。スポーツや娯楽など、新聞・雑誌コーナーに近いところにある棚が見落としやすいので、それらのジャンルを読みたい方は見逃さないようご注意を。

日本の小説とエッセイは一緒にして、著者名の姓名の五十音順で並んでおり、複数作家による作品集は「ん」に分類され、「わ」の後に並んでいます。外国の小説は、国別分類はしておらず、“外国文学”でひとまとめにして、日本の小説と同様に、著者姓名の五十音順。複数作家による作品集も、日本の小説と同様に「ン」に分類されています。

日本の小説・エッセイについては、2階壁面の棚を使って横一面にずらっと並んでいる様子が壮観です。実はこの並び方は歩かされる並び方でもある、というのは、何列かの書棚に分けて収納していれば、対面の棚も小説・エッセイということになり、五十音順の並びの中で阿川佐和子の本と渡辺淳一の本を見たい場合でも、それほど離れていません。でも、尾山台図書館のように横一面に並んでいると、「あ」から「わ」までの距離がかなり離れてしまいます。

そんな不便さもある一方、本の多さが感じられる並びでもあり、「本がたくさんある様子を見るとワクワクする」という方なら楽しくなること請け合い。都内では港区立高輪図書館もこの並びで、高輪図書館は尾山台図書館より蔵書数が多い上に、中央の扉で一度途切れる以外は柱さえなくずらっと並んでいるので(尾山台図書館はところどころ柱で途切れる)、更に壮観です。「横一面ずらり小説棚」好きな方は、ぜひこの2館へ!

一般書架の中で児童コーナーに近い辺りにある暮らしコーナー(手芸や料理など)は、手芸だったら「ビーズ」「レース編み」「袋物・バッグ」等々、料理だったら「西洋料理」「日本料理」「パン」「飲み物」「お弁当」等々、細かい項目に分類されています。但し、棚見出しはほとんどなく(棚板にジャンルが書いてあるが、棚の奥行きより本が大きいためにほとんど見えない)、右端の柱に項目名と請求記号・色別シールの一覧が貼ってあるので、それを手掛かりに探してください。

§ 児童コーナー

児童コーナーは、背の低い棚が並ぶ中にぬいぐるみや紙工作がいろいろ飾ってある楽しい空間。手前の棚上には「ご自由におもちください 工作にどうぞ」と書いてあるカゴの中に、検索機や貸出レシートの感熱紙が巻かれている芯や、CDサイズの箱などが入っています。児童コーナーの中にも、職員さんが作ったらしきそれらを使った紙工作が飾られているので、それを参考にお子さんが自作するのもいいですね。

紙工作といえば、一般書架の棚の側面にある立体切り紙もぜひご注目。カッパや九尾のキツネといった、妖怪ものの立体切り紙作品が一般書架のところどころの側面に飾られているんです。切り紙の下に妖怪の説明もあるので、面白そうな妖怪を見つけたら図書館の本で調べてみるのも面白そう。後述する「たまがわコーナー」や児童コーナー内にある電車・駅舎の紙工作も力作です。

絵本は、本の大きさによって青ラベル(小さい本)と赤ラベル(普通~大きい本)に分けたうえで、日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、絵を描いた人の苗字の頭文字で分類されています。児童読み物は、日本人作家と外国人作家を交互にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。交互というのは、まず苗字が「あ」で始まる日本人作家の本が並び、次に苗字が「ア」で始まる外国人作家の本が並び、その次に苗字が「い」で始まる日本人作家、「イ」で始まる外国人作家の本、苗字が「う」で始まる日本人作家…といった具合の並び順です。

§ たまがわコーナー

世田谷区立図書館は各館でその地域にちなんだ特色コーナーを設置しており、尾山台図書館の特色コーナーは「たまがわコーナー」。2階のカウンター正面やや右寄りの棚に、アザラシのタマちゃんを配した看板があるのがそれです。尾山台図書館から南に1kmもいけば多摩川が通っていることから、特色コーナーのテーマに選んだのでしょうね。

棚を見ると、多摩川について書かれた本だけでなく、多摩川の生き物のことが調べられる図鑑や読み物、世田谷の野鳥ボランティアの観察記録などが充実しています。更に、多摩川を遡った地域も含めた散歩・サイクリング本を揃えていたり、食べ歩き本があったり、玉電に関する本があったりと幅広いラインナップ。洪水ハザードマップなどもあるので、地域の人は一度は目を通しておくのがいいと思います。

市販の本だけでなく、世田谷の野鳥ボランティアの観察記録などもあるのは、地元の図書館ならではですね。また、たまがわコーナーから離れた2階の階段まわりの窓には、カルガモ、ユリカモメ、カワウ、ダイサギなどなど、野鳥観察グループが撮影した野鳥の写真も多数展示されています。23区内でこんな野鳥が観察できるなんて、自然が残る世田谷のよさを実感できます。

この棚を見ていると、図書館を出て多摩川に行きたくなってくるんですよね。というのも、鳥・魚・虫がわかるポケット図鑑があったり、自転車・散歩・食べ歩きの本などがあるので、「読んで楽しむ」というより、読んでから実際に多摩川周辺に行ったり、行った後に読んでみたりと、「実際の地域と本の情報を行き来したくなるコーナー」という感じなんです。野鳥ボランティアによる資料なども含めて、多摩川を楽しんでいる人による、多摩川を楽しむための本を揃えたコーナー、尾山台図書館にお越しの際にはぜひご覧ください。

世田谷区立尾山台図書館 データ

住所東京都世田谷区等々力2-17-14 尾山台地区会館2,3階 →Google Mapで見る
Tel03-3703-2581
開館時間
火~日曜9:00~19:00
月曜、祝休日、12月28日・1月4日9:00~17:00
定休日第3木曜
12月29日~1月3日
最寄駅 東急大井町線 尾山台駅から徒歩3分
東急大井町線 等々力駅から徒歩12分
東急大井町線 九品仏駅から徒歩15分
駐輪場建物北側(入口向かって右側)に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数88,069冊(2021/03/31現在、出典『世田谷のとしょかん 令和3年度版』※団体貸出センターの図書数は中央図書館の図書数に加算
音声資料
CDカセットレコード
ありなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物入口向かって右の壁面にブックポストあり
自動貸出機自動貸出機3台あり
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用3階の机席のうち2席で持参PCの利用可能。電源なし。
LAN接続館内に「docomo wifi」「ソフトバンク wifi」「フレッツスポット」のアクセスポイントあり
飲食設備等なし