墨田区立横川コミュニティ会館図書室
以下は、休館前の墨田区立横川コミュニティ会館図書室の訪問記です。
墨田区立横川コミュニティ会館図書室 訪問記
墨田区立横川コミュニティ会館図書室は、押上駅と錦糸町駅の間に位置する図書館。都営アパートの中にあるからか、生活関連本が充実しています。
横川コミュニティ会館は、押上と錦糸町を結ぶ四つ目通りのそばにあります。こちらに押上駅と錦糸町駅からの詳しい道のりを掲載していますが、押上に来たらやっぱり東京スカイツリーに寄る人が多いかな。東京スカイツリーから来るとしたら、ソラミ坂ひろばに出て、バスロータリーの先にある「東京スカイツリー東」交差点をスカイツリーから離れる方向へ進みます。するとすぐ「押上駅交番東」交差点に突き当たるので右折、あとは道なりに進んでいくと四つ目通りに入ります。そこから先の道のりは上記B1出口からの道のりと一緒で、「押上駅交番東」交差点から「押上駅交番東」交差点までが500mほどです。
東京スカイツリーからの道のりでは京成橋で北十間川を渡るのですが、私は京成橋から見る東京スカイツリーのある景色が好きです。特に夕方、日が落ちてから行くと、北十間川に沿って灯りがともって、東京スカイツリーを背景に川の流れが右へくねっていく感じがいいんです。東京スカイツリーって単に高さがすごいだけでなく、近くに川が流れていることがいい表情になっていると思うんです。東京スカイツリーの写真を取りにきた方は、この京成橋からの景色もぜひ!
建物には、アパート住民用の入口とは別の横川コミュニティ会館入口があり、2階にあがるとフロア全体が図書室です。区画は「コ」の字型になっていて、入口入って右にあるカウンターを中心に、右に真っ直ぐ伸びているのが一般書架、左に真っ直ぐ伸びているのが児童エリアという配置。児童エリアの一番奥には児童以外も利用できる閲覧室もあります。新聞・雑誌コーナーや生活関連コーナー、辞典類、CD・カセット・DVD・ビデオはカウンターと同じ並びにあり、カウンターそばには1枠30分で利用するネット閲覧PCや持参PC使用席もあります。
図書「室」という名がついているだけあり、それほど大きい施設ではありませんが、高層アパートの一画を使った施設にしては意外と広く感じます。おそらく図書室があるということで、ここに住むと決めた人もいるのでは。横川コミュニティ会館の隣には区の保育園があり、横川コミュニティ会館の3,4階には児童室や学童クラブがあるので、図書室内も子どもが多いです。走り回っている子供を職員さんが注意する光景も見られ、確かに走るのは危ないけど、元気いっぱいの子どもで活気があって、いい雰囲気です。
児童コーナーは、手前にティーンズコーナーがあり、左に児童読み物、右にちしきの本、左の壁沿いから奥の靴脱ぎスペースにかけて絵本が並んでいます。飾り付けよりも本の多さが目立つ、本好きの子どもが喜びそうな空間です。板張りの靴脱ぎスペースに小さな畳があるのもいい感じ。
絵本は日本のおはなしと外国のおはなしを別にして、おはなしの作者の姓名五十音順に並んでいます。児童読み物も、著者姓名五十音順に並んでいますが、日本or外国という二分類ではなく、中国のおはなし、英米のおはなし…といった具合に、外国作家の本は更に国・地域別に分けたうえで著者姓名五十音順になっています。
児童エリアだけでなく、一般書架もそうなのですが、わりと古い本も棚に置いてあり、新しい本と古い本が混ざって面白い棚になっているんです。例えば、伝記の棚には同じ人に関する伝記が新旧取り混ぜていろいろ並んでいる。キュリー夫人を例に挙げると、第1刷が1968年のポプラ社のもの、同じく第1刷が1972年の学習研究社のもの、1981年の講談社、1982年の小学館、1991年の偕成社、1997年のフォア文庫といったかたちで6種類もあるんですね。書かれた年代によって描かれ方が違うかもしれないので、夏休みの自由研究に読み比べるのもいいかも。新旧さまざまな本があるのが、書店では味わえない図書館のよさの一つ。ぜひ、それを楽しんでください。
ティーンズコーナーにある漫画もかなりの冊数です。棚に並んでいるだけでも多いのですが、向かって右の柱のウォールポケットに漫画セットのカードがあり、読みたい漫画のカードをカウンターに持っていくと、複数巻の漫画をセットで借りることができます。
一般書架は、机や椅子はほとんどなく、ずらっと本棚が並ぶ空間です。棚からあれこれ本を取って読むなら、一般書架内に少しある閲覧席で、この本と決めて長時間読むなら、児童エリア奥の閲覧室を利用するのがいいと思います。
書棚を見ると、本の間に挟むタイプの棚見出しは少なく、小説やスポーツ、語学、旅行ガイドなど、小分類があるといいジャンルだけ棚見出しがついています。図書館の分類記号に馴染みのない人には、もっと棚見出しが充実していた方が本が探しやすいんじゃないかな。特に、医学の棚などは、「この病気・身体のこの部分に関する本が読みたい」と思っても見出しがまったくなくて本を見つけにくい。医学の棚にも細かい見出しをつけてくれると嬉しいです。
日本の小説・エッセイは一緒にして、著者姓名の五十音順で並んでいます。複数作家による作品集は頭文字が「わ」の作家の後にまとめられています。小説の棚は見出しが全くないのがやや探しにくい。せめて、頭文字を示す見出しがあると探し易いのですが。外国の小説は、中国文学・英米文学・ドイツ文学…と国・地域別に分かれた上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。
文庫の棚をよく見ると、出版社が書店用に作っている棚見出しを使っているんですね。といっても、出版社別になっている書店の文庫棚と違い、図書館は出版社取り混ぜて著者名順に文庫本を並べているので、見出しも角川文庫用・新潮文庫用・創元推理文庫用といろんなものが混ざっています。税金を使って運営される図書館では、余計なコストを掛けないことも大切。あちこちの出版社が作った棚見出しを活用するとは、横川コミュニティ会館、なかなかしたたかですね(笑)。
一般書架とは離れた新聞・雑誌コーナーそばにまとめられた、料理・手芸・住まい・育児などの生活関連本が充実しているのは、やはり高層アパート群の中にある図書館だからでしょうか。見出しも充実しているし、棚上に表紙を見せていろんな本を並べているので、ついつい手に取ってしまいます。
カウンターと新聞・雑誌の間にあるCDも、図書室規模にしては点数が多いです。ビデオ・DVDという映像資料も所蔵しており、貸出もできます。
横川コミュニティ会館図書室は、それほど規模が大きい施設ではないのに、特集コーナーがいくつかあるんです。
まず一つ目は、入口入ってすぐ左の壁の角を利用した展示コーナー。じっくり見たくなるような展示をしていることが多いのに、図書館に出入りする人の邪魔にならないように見ないといけないのがやや難しいのですが(笑)、小さなコーナーもデッドスペースにせず展示に使ってくれているというのは嬉しいです。
もう一つは、カウンターから見て右先にある大きな棚。こちらは、新着本と特集コーナーが隣り合わせになっているのですが、新着本の中でもすぐに貸出に回ってしまうようなものは、本の帯と書名・著者名を印刷した紙を合わせたものを掲示して紹介してくれています。特集コーナーの選書もなかなか面白く、私も江東区に住んでいた頃(=墨田区立図書館の利用登録ができる。多摩市在住の今は残念ながら登録資格がない)は、横川コミュニティ会館に来ると面白そうな本が見つかりすぎて困ったくらいです(笑)。
また、児童エリア入ってすぐの棚も大きな特集展示コーナーになっており、右側と左側で二つのテーマに分けて、いろいろな本を紹介してくれています。展示棚の裏側では、おはなし会に使われた本も紹介しているので、そちらも合わせて見てみてくださいね。
図書館っていろんな本があるけど、振り返ると自分が興味があるジャンルだけしか利用していなかったりしませんか。こんなにさまざまな本があるのに、そのうちの一部しか利用しないなんてもったいない。横川コミュニティ会館図書室の特集展示コーナーは、そんな利用者と本をつないでくれる空間です。ぜひとも、図書室にずらっと並んでいる本を端から端まで利用しつくしましょう!
墨田区立横川コミュニティ会館図書室 データ
以下は、休館中の臨時窓口のデータです。
住所 | 東京都墨田区業平5-6-2 なりひら神明橋集会所 和室 →Google Mapで見る | ||||
Tel | 03-5608-4500(横川コミュニティ会館) | ||||
開館時間 |
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定休日 | 第3木曜(祝日にあたる場合は開館し、翌日休館) 12月29日~1月4日 | ||||
最寄駅 | |||||
駐輪場 | なし | ||||
駐車場 | なし |