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墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室

墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室 訪問記

last visit:2015/05/03

墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室は、東京スカイツリーの南西にある図書室です。1階にはスカイツリーコーナーがあり、建設中からのスカイツリー関連新聞記事のスクラップや、スカイツリーを含めたすみだの観光スポットを案内するマップが展示されています。

§ 図書室の場所

東駒形コミュニティ会館の最寄駅は、東武伊勢崎線のとうきょうスカイツリー駅か、都営浅草線の本所吾妻橋駅。業平橋から南へ350mほど行った地点にあり、どちらからも歩いて10分もかかりません。

現在は「とうきょうスカイツリー駅」という名前になっている駅は、2012(平成24)年3月16日までは「業平橋駅」でした。上のどちらの駅から行っても差し掛かる現在の業平橋は、大横川親水公園をまたぐ橋。整備されてすっかりきれいになった大横川親水公園から東京スカイツリーを見上げるのもお薦めです。初めていくときはわかりにくいので避けた方がいいですが、大横川親水公園を通って東駒形コミュニティ会館に行くこともできます。

§ 図書室内の様子

5階まである東駒形コミュニティ会館のうち、1階と2階が図書室です。建物入口から図書館エリアに入る前にまず目に入るのが、締切のシャッターに描かれたカラフルな絵。以前はそこからも図書館エリアへ出入りできるよう開けていたシャッターを現在は締切にしているのですが、スカイツリーを背景にした川辺で子どもや動物、カッパまでもが遊んでいるという賑やかな絵がそのシャッターに描かれています。

墨田区には、東駒形コミュニティ会館の北を流れる北十間川に住んでいるというゆるキャラ「カッパのコタロウ」がいて、動物のお友達もいろいろいるという設定なのですが、この絵はコタロウくんや彼のお友達にはあまり似ていないので、おそらく関係ないと思われます。むしろ、コタロウくんが生まれた由来でもある、本所七不思議の一つ「置いてけ堀」からの連想でカッパを描いたのでしょう。この壁絵は2015年度に大規模改修工事前からあり、のびのびとしたいい絵なので工事の際になくなってしまわないか心配だったのですが、改修工事後も無事残っていて、私としてはうれしい限りです。

図書室の話に戻して、2フロアの構成としては、1階にカウンター、小説、旅行ガイド、スポーツ・芸術の本、CD・DVDがあり、2階が児童コーナー、ティーンコーナー、文庫、スポーツ・芸術以外の一般図書となっています。新聞・雑誌は、当日の新聞と雑誌最新号が1階、過去の新聞と雑誌バックナンバーが2階と分かれているのでご注意ください。ネット閲覧PCやコピー機は1階で、検索機は1,2階両方にあります。

上の階には学童クラブ、また1階に別入口で地域集会室があるせいか、子どもからお年寄りまで地元の人が集まる図書室です。ただ、学童クラブに子どもが集まっているときには、走り回る音が2階にも漏れてきます。そうした音が気になる人は耳栓などを用意していった方がいいと思います。

§ 1階の様子

1階は、図書室エリア入口が、自動ドアでも手動ドアでもなく、透明のアコーディオンカーテンという珍しいタイプで、初めてきたときにはびっくりします。2006年に行ったときにはアコーディオンカーテンなんてなかったので、おそらく節電対策で冷気・暖気を逃さないために設置したんじゃないかな。珍しくて面白いので、何度も出入りしたくなってしまいます(笑)。

アコーディオンカーテンを開けて図書室エリアに入ると、左にカウンター、カウンター前にCD・カセット・DVDと旅行ガイドがあり、右一帯に小説やスポーツ・芸術の本が並んでいます。区画はそれほど大きくありませんが棚の間隔は大きく取っていて、ゆったりと本棚を眺めることができます。

日本の小説・エッセイは一緒にして、著者姓名の五十音順で並んでいます。但し、複数作家による作品集は、頭文字が「わ」の作家の後にまとめられています。外国の小説は、中国文学・英米文学・ドイツ文学…と国・地域別に分かれた上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。

§ 2階の様子

2階は、図書室エリアに入った正面に閲覧机が並び、右手前に児童コーナー、左手前に雑誌コーナー、左右の奥側に一般書架が並んでいます。閲覧机の真ん中付近には漫画もありますよ。ちなみに、2階には残念ながらアコーディオンカーテンはありません。1階は建物入口からの外気が入ってくるのでアコーディオンカーテンをつけたということなのでしょう。

児童コーナーと一般書架は、はっきりエリア分けされているというよりは、児童優先席周辺を境に何となく児童向けの本が並び、一番奥に靴を脱いで上がれる絵本コーナーがあるというかたち。児童コーナーの中にも、「子育て応援BOOKS」と題して、読み聞かせに関する本や育児の本など大人向けの本を集めた棚があるので、大人もぜひ児童コーナーに入って本を選んでください。

絵本は日本のおはなしと外国のおはなしを別にして、おはなしの作者の姓名五十音順に並んでいます。ただ、日本のおはなしのうち、一部の主要作家の絵本は、棚の上に置いてあります。棚の中だけでは絵本が入りきらないので、冊数が多い作家の作品を上に置くようにしたのかな。児童読み物も、著者姓名五十音順に並んでいますが、日本か外国かという二分類ではなく、アジアのおはなし、アメリカイギリスのおはなし…といった具合に、外国を更に国・地域別に分けたうえで著者姓名五十音順になっています。

一般書架を見ていて思うのは、棚見出しがしっかりついていて本が探しやすい。例えば、医学の棚は、「内科」「外科」といった大きな分類だけでなく、「アレルギー」「糖尿病」「うつ」「癌」といった具体的な病名で見出しがついているし、「336 経営管理」にあるビジネス本も、更に細かいキーワードの見出しがついています。ただ、1階も2階も配置図が見当たらないので、何がどこにあるかを理解するには自分の足でぐるっと回らなければいけません。小さい施設とはいえ、図書館の分類法に馴染みがない人にもわかりやすいよう、配置図があると嬉しいです。

§ すみだの見どころを集めたスカイツリーコーナー

東駒形コミュニティ会館図書室でぜひ見てもらいたいのが、1階アコーディオンカーテンの対面の壁にあたる棚に設置されたスカイツリーコーナー。墨田区立図書館ネットワーク内の施設のうち、最も東京スカイツリーに近いのはすみだ女性センター情報資料コーナーですが、こちらはすみだ女性センターに付属する小さな図書室で、区立図書館の資料予約・貸出・返却ができるという施設。それなりの規模の図書館・図書室のうち最も東京スカイツリーに近いのは、この東駒形コミュニティ会館なのです。そこでスカイツリーコーナーが設置されたのでしょう。

棚を見ると、スカイツリー関連の書籍がいろいろ。図書館が作った東京スカイツリー関連の新聞記事スクラップは、期間にして2010年1月から2012年9月まで、ファイルの数としては全部で11巻あり、更に雑誌記事のスクラップが1巻あります。東京スカイツリーが開業したのが2012年5月なので、このスクラップを最初から見ていくと、半分くらいの高さで建設された頃から無事オープンするまでのいろいろな動きが伝わってきます。東京スカイツリーを特集した雑誌のバックナンバーもいろいろあるので、あれこれ見比べるのも楽しいです。

中島京子さんの『眺望絶佳』、片岡弘さんの『634(むさし)』など、東京スカイツリーが登場する小説もあるので、小説好きの方はそちらもどうぞ。もちろん、フィクションだけでなく、実際の東京スカイツリーを取材して文章にまとめた本なども多数揃っています。

東京スカイツリーの写真集もいろんな種類のものがあって面白い。『東京|天空樹』は墨田区・台東区・江戸川区・葛飾区など周辺の景色の中に東京スカイツリーが徐々に建っていく様子を見ることができる写真集。下町の暮らしの中で、にょきっと高い建物が日に日に存在感を増していく様子が面白いです。

また、見ているだけで手に汗握ってしまうのが、『東京スカイツリー UNDER CONSTRUCTION』。建設中の東京スカイツリーについて、外観だけでなく工事現場内部も映した写真集なのですが、下が丸見えの足組の上で建設作業員の皆さんが働いている様子といったらもう、高所恐怖症の人は見ていられないと思います。どんなにすごい建物を設計しても、こうした現場の方々がいないことには実際の建物は造れないということをひしひしと感じます。

これとは別に、おそらく職員さんが自ら撮影した写真が飾ってあるのが、1階アコーディオンカーテン入って右の壁。2009年10月からおよそ1ヶ月ごとに同じ位置から撮影した写真が並んでおり、建設過程が辿れます。この辺にお住まいの方は、日々伸びていく東京スカイツリーを見ていたんだと思うと、羨ましい!

完成した東京スカイツリーは行けば誰でも見られますが、建設過程や内部の構造など普通では見ることができないところも覗けるのが、本や新聞記事スクラップなどのいいところ。また、墨田区商店街連合会が作った冊子「すみだ個だわりショップ」や、墨田区の町歩きを楽しむのに参考になる本もいろいろあるので、地元の人にも墨田区に遊びに来た人にもお薦めのコーナーです。東京スカイツリーで展望や買い物を楽しむだけでは飽き足らない方は、ぜひ東駒形コミィニティ会館にも足を運んで、ツリーや墨田区の更なる魅力を覗いてください。

墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室 特集・行事・図書館だより感想記

  書き出しで選ぶ一冊。
―2014年10月1日から11月9日までの企画
秋の読書週間の企画として実施された、中身を開かずに本の書き出しだけをヒントにして本を選んで借りる企画です。本をくるむ包装紙や書き出しを印刷したフォントが1冊ずつ違っており、それも中身のヒントになっているのかな…など想像が膨らむ企画です。

墨田区立東駒形コミュニティ会館図書室 データ

住所東京都墨田区東駒形4-14-1 1,2階 →Google Mapで見る
Tel03-3623-1141
開館時間
月~土曜9:00~20:00
日曜・祝日9:00~17:00
定休日第3木曜(祝日にあたる場合は開館し、翌日休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 東武伊勢崎線 とうきょうスカイツリー駅から徒歩9分
都営浅草線 本所吾妻橋駅から徒歩9分
東京メトロ半蔵門線都営浅草線京成押上線東武伊勢崎線 押上駅から徒歩15分
駐輪場建物北側(スカイツリーがある方)に駐輪場あり
駐車場なし
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数75,370冊(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
CD所蔵数2,024点(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
カセット所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
レコード所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
DVD所蔵数348点(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『令和4年度 墨田区立図書館事業概要』)
設備
ブックポスト建物入口向かって左の壁面にブックポストあり。開館中は使用不可。
自動貸出機1階カウンター向かって左端にICタグ式自動貸出機1台あり
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
図書の除菌1階カウンター対面に書籍消毒機「HAPPY CLEAN」あり
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PC1階カウンター向かって右にネット閲覧PC1台あり。利用は1枠30分で連続2枠まで。連続2枠使用後に空きがあれば1枠ごとに延長することができ、最大120分まで利用可能。
持参PC利用不可
LAN接続2階に「フレッツスポット」のアクセスポイントあり
飲食設備等建物入口入って右に飲料自販機1台あり