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杉並区立今川図書館

杉並区立今川図書館 訪問記

last visit:2012/05/29

杉並区立今川図書館は、2007年12月16日に開館した、杉並区立図書館の中では一番新しい図書館。西武線上井草駅とJR西荻窪駅の中間付近の、静かな住宅地にあります。

§ 図書館の場所

今川図書館は西武新宿駅の上井草駅とJRの西荻窪駅の真ん中辺りにあります。どちらかというと上井草駅の方が近いですが、歩いていくと徒歩20分以上でちょっと遠いです。

お散歩や商店街好きな人へは、西荻窪駅から西荻北銀座商店街の中を歩いていくのもお薦めです。西荻窪駅から歩いていく場合は、北口へ出て、右手前方へ伸びている西荻北銀座商店街を進みます。西荻北銀座商店街を出てからも、道なりにまっすぐ進んで、「今川四丁目」交差点の次の十字路で左折します。小さい十字路ですが、電信柱に「今川図書館 今川ゆうゆうか館 ←」と出ているので、それを目印に。十字路から200mほど行くと、左右に生産緑地区域の畑が現れるので、右側の生産緑地区域の先で右折します。その道の左にある建物が今川図書館なのですが、入口が奥の方にあるのでぐるりと回って入ってください。

バスで行く場合、荻窪駅と武蔵関駅を結ぶバスに乗って「井草八幡宮」停留所で降りるか、西荻窪駅と井荻駅を結ぶバスに乗って「今川四丁目」停留所で降りるかのどちらかです。「今川四丁目」停留所からは、停留所を降りて西荻窪駅方向に進むと、上の道のり説明の中の、電信柱に「今川図書館 今川ゆうゆうか館 →」と出ている十字路にすぐにぶつかるのでそこで右折、あとの道のりは一緒です。

§ 図書館内の様子

道のりの説明からも察せられると思いますが、今川図書館は鉄道駅からは遠い住宅地の中にある図書館。だから雰囲気も落ち着いているし、杉並区では最も新しい図書館だけあってきれいです。また、東京で比較的新しく建てられた図書館というのは、音が響かないように整備していることが多いのですが、今川図書館もそんな図書館の一つ。たぶん、吸音性のある壁材・床材を使用したりしていると思うのですが、子どもが少しくらい賑やかにしてもそれほど響きません。

また、今川図書館以外の杉並区立図書館は月曜から土曜まで閉館時刻が20時なのですが、今川図書館だけは21時まで開館しています。これは、鉄道駅から遠いことなどを考慮したのでしょうか。この付近にお住いの方なら、平日の会社や学校帰りにも余裕を持って利用できますね。

建物としては2階建ての建物で、1階は全て図書館。2階の半分が図書館、もう半分が今川ゆうゆう館という構成です。といっても、1階のカウンターの手前側が今川ゆうゆう館の受付になっていたり、建物入口付近のロビーっぽい空間では、図書館のイベントと今川ゆうゆう館のイベント両方の告知がしてあるので、2つの施設がすぱっと分かれいるわけではなく、融合しているようなかたちですね。但し、2階の今川ゆうゆう館の区画は、利用資格を持つ60歳以上の人しか入れません。

図書館エリアの配置としては、1階が一般書架と新聞・雑誌で、2階が児童コーナーと多目的室。カウンターは1,2階両方にあり、どちらでも貸出・返却できます。図書館全体の配置もそうですし、書架エリアも書棚が同じ方向にずらっと並ぶシンプルな構造でわかりやすいです。

§ 1階の一般書架、新聞・雑誌

1階の配置は、入口を入ると正面に新聞・雑誌コーナー、左手前に進むとカウンターがあり、カウンターを通り過ぎたつきあたり一帯が一般書架となっています。

新聞・雑誌エリアは、椅子が大きくゆったり座れます。窓際のカウンター席では持参PCを利用することができ、公衆無線LAN「Wi2 300」と「au wi-fi」のアクセスポイントにもなっています。これらのサービスに加入している人は、ここからアクセスできるということですね。ただ、コンセントがあるのに、電源を使用できないというルールになっているのが難点。持参PCを利用できる座席は電源をできる方が現実的ですし、ぜひ電源が使えるようにして欲しいです。また、このエリアとは別に、一般書架エリアには備え付けのネット閲覧PCも2台あります。

書架エリアには、たくさん本を利用する人向けに、スーパーの買い物かごのようなカゴが用意してあります。嬉しいのが、書架の入口だけでなく、書架エリアの中にもカゴが置いてあること。最初はそんなに何冊も利用するつもりがなくても、書棚を見ていたらあれもこれもと利用したくなり、やっぱりカゴが必要だということってありますよね。そんなときにわざわざ入口の方まで戻らなくてもいい。スーパーでも買い物かごを入口付近だけに限らず、売り場の中にも置くところが増えましたが、今川図書館でも同じような工夫をしてくれています。

一般書架は、大枠の分類の見出しが白地の見出し、大枠の中で更に細かく分類した見出しが黄地の見出しとなっていて、わかりやすいです。細かい見出しは、料理の棚だったら「米・穀類」「麺類」「魚料理」「野菜料理」等々、医学の内科の棚も「アレルギー」「糖尿病」「心臓・血圧・血管」等といった具合に分かれています。欲をいうと、「政治」「法律」「経済」の棚もその分類だけでくくるには冊数が多いので、細かい分類を表示してくれると嬉しいです。

小説の単行本は、著者名の頭文字で分類されていますが、同じ頭文字の中の分類が独特で、著者名の頭文字ごとに図書館で著者に番号を振って、その順に並べています。つまり、「シ1」は誰、「シ2」は誰、みたいな番号を独自に振って、その順番で並べているのですね。これは、今川図書館だけでなく、杉並区立図書館全体で導入している並べ方なのですが、単純な著者名五十音順と比べるとちょっと探しにくい。新しい作家が登場すると新たな番号が振られるので、概ね「頭文字と文壇登場順」のような配列になるのですが、いつ文壇に登場したかなんていちいち覚えていられないですよね…。外国の小説は、「英米文学」「ドイツ文学」といった国・地域別に分けた上で著者姓名の五十音順に並んでいますし、小説でも文庫本の棚は著者姓名の五十音順に並んでいる。単行本も、変に杉並区独自の番号をつけたりせず、著者姓名の五十音順にした方が探しやすいように思います。

また、文庫の棚を見ていて気が付いたのですが、中高生向けの単行本は書架エリア左手前付近の棚にまとめているのに、文庫本は中高生向けも一般向けも一緒の棚に入れているんですね。で、文庫本の棚に並んだ本のうち、中高生向けの本には「YA」というシールが貼ってある。まあ、中高生向けか一般向けかなんて本選びのガイドの一つに過ぎず、中高生が大人びた小説を読むのも、大人が甘酸っぱい物語を読むのも自由。図書館の分類を参考にしつつ、いろいろな本に興味を広げましょう!

座席は、書架エリア入った正面に大きい机が2つあり、そのほかに右手前の壁沿いに机席が並んでいます。人の動きの多い場所の机はどうも落ち着かず、集中して読書や調べ物をしたい方は、壁沿いの机席の方がお薦め。実際、壁沿いの机の方が埋まりがちです。

§ 2階の児童エリア

2階は、階段・エレベーターからみて左側の区画が児童コーナーです。児童エリアには切り紙や折り紙が飾られていて、可愛らしい。図書館の児童コーナーって、紙工作の装飾が多かったり、イラストの装飾が多かったり、そこの職員さんの得意分野を活かした飾り付けがされていて、それを見るのも図書館巡りの楽しみの一つなのですが、今川図書館の児童エリアは切り紙・折り紙が得意の様子。

児童エリア内の配置は、エリア入口すぐ右にカウンターがあり、右側一帯が絵本、左側に児童向け読みものや ちしきの本が並んでいます。カウンターの裏手にはおはなしのこべやがあり、おはなし会などのない時間帯は開放しています。

絵本は、日本のおはなしと外国のおはなしを別にして、絵本のタイトルの頭文字で分類しています。絵本の棚の一画には英語で書かれた絵本もあり、邦題をラベルで貼ってあるので、どのおはなしの英語版かすぐわかります。好きな物語の英語版にチャレンジしてみるのもいいですね。

気付きにくいですが、カウンターの下も本棚になっていて、大きい絵本はこの場所に入っています。普通サイズの何倍も大きい絵本なども、個人では所蔵しにくい図書館ならではの絵本の一つですよね。また、児童エリアの右壁の棚には、飛び出す絵本などの仕掛け絵本も。これらの本もぜひ楽しんでください。

児童向け読みものに関しても、一番の奥の壁の棚上に、職員さんの手書きで物語の内容を紹介しているコーナーがあります。今川図書館の児童エリアは、ずらっと本が並んですっきり整理されている印象で、子どもにはとっかかりにくいところもあるかもしれませんが、どの本読もうかと迷ったら、このコーナーも参考にしてみてください。

§ 緑の図書館

今川図書館には、一般書架の中に「みどりのコーナー」という常設コーナーがあり、園芸・盆栽・ガーデニングなどの本が展示されています。そう言われれば、今川図書館は、西に公園、東から南にかけて生産緑地があり、緑に囲まれているという立地なんですよね。

ただ、せっかく常設コーナーを作っているわりには、展示されている本が少ない。また、せっかくの常設コーナーなのに、配架図にそうだと記されていない。平成23年度杉並区立図書館運営状況報告書(pdfファイル)を見ても、今川図書館が重点的に取り組んでいる課題が「緑化推進」とあるので、その一環だと思うのですが、せっかくならもっと充実させてくれたらなと思います。

それとは関係ないでしょうが、職員さんのエプロンの色も緑ですね(笑)。また、椅子の色も緑だし、書架見出しの分類番号部分も緑なので、今川図書館のテーマカラーが緑という印象を受けます。

設備と重点課題がまとまっている感じなので、ぜひそれを書棚にも更に反映させて欲しいところ。今後に期待しています!

杉並区立今川図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  本のおたのしみバッグ
―2015年10月27日から、用意したバッグがなくなり次第終了の企画
テーマをもとに3冊の本が入ったバッグを貸し出す、子ども向けの企画です。何が入っているかは開けてからのお楽しみ。

杉並区立今川図書館 データ

住所東京都杉並区今川4-12-10 →Google Mapで見る
Tel03-3394-0431
開館時間
月~土曜9:00~21:00
日曜・祝日・12月29,30日9:00~17:00
定休日第1月曜・第3木曜(祝日は開館し、翌日を休館)
12月31日~1月4日
最寄駅 西武新宿線 上井草駅から徒歩23分
JR中央線総武線 西荻窪駅から徒歩24分
駐輪場建物北側(入口の手前側)に駐輪場あり
駐車場一般用駐車場はなし。障害者用駐車場は、建物の南西側に2台分あり。
所蔵資料
図書所蔵数126,811冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物入口向かって左の壁面にブックポストあり。開館中の使用は不可。
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCネット閲覧PC2台あり。利用は1回1時間まで、待っている人がいなければもう1時間まで延長可能。
持参PC利用1階の新聞・雑誌コーナー壁沿いの机6席で持参PCの利用可能。
LAN接続館内に「Wi2 300」「au wi-fi」のアクセスポイントあり
飲食設備等なし