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品川区立二葉図書館

品川区立二葉図書館 訪問記

last visit:2014/10/14

品川区立二葉図書館は、東急大井町線下新明駅のすぐそばの古くて小さい図書館。2012(平成24)年3月1日に、耐震補強工事を終えてリニューアル開館しました。

§ 図書館の場所

二葉図書館は東急大井町線下神明駅のすぐそば。それよりもやや遠いですが、大井町駅からも徒歩で1km以内です。東急線・JR・りんかい線の3線が通っている大井町駅の方が便利ですし、道もわかりやすいので、東急線以外で来館しょうと思っている方は、大井町駅から行くのがいいと思います。

また、大井町駅には大井町サービスコーナーという、品川区立図書館資料の予約受取や返却ができる施設があります。棚から本を選びたいときには二葉図書館、既に書名がわかっている本を取り寄せればいいという場合は大井町サービスコーナーを使うなど、上手に利用したいところです。

大井町は3つの路線が交わっているのに、JR西口・東急・りんかい線の辺りから商業施設が少し離れていて、どうも垢抜けない雰囲気を感じてしまうのは私だけでしょうか。その庶民的な雰囲気が、移り変わりの激しい都内にあっては妙に居心地よかったりして。ちょうど二葉図書館がリニューアルして行ってみたときに、高層マンションのブリリアが大井町にできると知って、いつの間にそんな街になったのかと複雑な気持ちになったのですが、ブリリアが建った今も変わらずに庶民的な雰囲気で何だか嬉しいです。

§ 図書館内の様子

二葉図書館が入っている建物は、1階が二葉保育園、2階が二葉図書館、3~5階が区営住宅というかたちになっています。以前は、建物の前に神明児童遊園(通称・タコ公園)があり、広末涼子が昔出演したNTTドコモのポケベルCMでも有名な公園といえば覚えている人も多いと思いますが、道路整備に伴って現在は下神明駅改札出てすぐ右に移設されてしまいました。二葉図書館にもタコ公園を描いた油絵が飾られていたのですが、耐震補強工事に伴ってその絵も館内から外されてしまいました。上に大井町の雰囲気について書きましたが、変わらないようでもやはり少しずつ変わっているんですよね。複雑な気分です。

建物の正面中央に2階へあがる階段が2つあり、向かって右側が利用者用階段、左側が職員用階段になっています。エレベーターはありませんが、車椅子の方は1階の階段手前のインターフォンで職員さんを呼びだせば上にあげてくれます。ただ、上で書いたように、建物に辿りつくまでに急坂があるので、車椅子の方が行くとしたら区内の他の図書館の方がいいかもしれません。ちなみに、二葉図書館から一番近い他の品川区立図書館は、ゆたか図書館になります。

図書館に入ると正面にカウンターがあり、カウンター向かって左側が児童コーナー、右側が一般コーナーです。シンプルで小さい二葉図書館は、面積が402平方メートルと品川区で一番小さい図書館。耐震補強工事の際に内装も新しくなっており、薄いグリーンに塗られた壁は「二葉」の名に合わせたのかなと想像しています。

§ 一般書架

一般コーナー内の配置は、カウンターからみて右手前がCDコーナー、左手前が新聞・雑誌コーナー、それ以外の一帯に一般書架が広がっています。窓際には、普通の机10席と自分のPCを利用できる席が5つ並んでいます。全ての席にデスクライトが設置されているのは、目が悪い私にも嬉しい。図書館備え付けのネット閲覧PCも2台あります。

雑誌の棚は、幅広の棚の表裏両面に雑誌が収納されているのですが、ジャンルに関わらず全ての雑誌が50音順に並んでいるのがちょっと難点。「○○が読みたい」と具体的に読みたい雑誌が決まっているときはいいですが、「スポーツ誌が読みたい」「インテリア誌が読みたい」といった場合、ジャンル別に整理されていないので、雑誌棚の表裏全部を見ないとわかりません。

日本人の書いた読み物は、小説もエッセイも一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、アンソロジーなど複数の著者による小説・随筆はタイトル名で分類されます。例えば、青崎有吾(アオサキ ユウゴ)が書いたの本の隣に、10人の作家による『青に捧げる悪夢』(アオニササゲルアクム)という本が並び、その隣に碧野圭(アオノ ケイ)が書いた本がある、といったかたちになります。外国人の書いた小説は、「中国文学・東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」等の国・地域別に分類された上で、著者姓名の五十音順に並んでいます。

その他の一般書架では、黄色い棚見出しで関連ジャンルの棚の位置も注記してくれています。例えば、「335 企業経営」の棚に「商業は670を御覧下さい」という注記があったり、「598 家庭衛生」の棚に「医学の本は490も御覧下さい」といったかたちです。図書館の分類では関連するものが離れた場所になってしまうことも多いのですが、こうした注記があると本を探すときの参考になります。

図書館巡りをする中で他の自治体の図書館にある本と一番違いが現れるのが地域資料の棚ですが、二葉図書館の地域資料の棚は、大型本が下2段を占める上にあるためにちょうど目線の高さにあって見やすいです。例えば、『大田区品川区 なつかしの写真館』という本には、今ほど高い建物が建っていない大井町駅の風景や、まだ路面電車が走っている目黒区駅前などの写真が載っており、現代の違いが面白いです。

§ 児童コーナー

児童コーナーは耐震補強工事によって壁が増え、壁に開けられた馬蹄形の穴を抜けて奥へと進んで行くかたちになりました。カウンターのあるところから児童コーナーに入っていくと、手前に絵本があり、奥が児童読みものやちしきの本など、奥に進むにつれ本の対象年齢が上がっていくかたちです。奥の一画には、靴を脱いで絵本を広げられるスペースもあります。

絵本は、サイズ・対象年齢・内容によって、「おおきいえほん」「ちいさなこのえほん」「むかしばなしのえほん」「(その他の)えほん」に分かれており、それぞれで日本人作家も外国人作家も一緒にして、おはなしの作者の姓名五十音順に並んでいます。検索機で本を探したとき、請求記号がEで始まっていたら普通の絵本、Vで始まっていたら「おおきいえほん」、Sで始まっていたら「ちいさなこのえほん」、Oで始まっていたら「むかしばなしのえほん」の棚にあるので、探す際の参考にしてください。

児童向けの読みものは、日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。これは二葉図書館に限りませんが、姓名の五十音順なので、「名・姓」という表記になる外国人も「姓・名」に直した上での五十音順になるのでご注意ください。ちしきの本の棚見出しは、二つの葉っぱのマークがついた可愛い見出し。壁沿い手前の棚には、漫画もあります。

§ さっぱりすっきりコンパクト

とにかく今はリニューアル開館したばかりでさっぱりしています…と、リニューアル開館直後に行ったときに書いたのですが、リニューアルから2年以上経った今もさっぱりしています。リニューアル前より棚間が広がってゆったり見やすくなった分、所蔵数は減っていそうだと思って調べてみたら、リニューアル前の2011年3月31日時点の図書資料数が53,633冊、リニューアル後の2013年3月31日時点の図書資料数が45,317冊と、確かに減っていました。

とはいえ、検索&予約の仕組みを使えば、二葉図書館を通じて品川区立図書館の資料全体を利用することができますし、大井町サービスセンターも含めて、図書館ネットワークをうまく使いこなしたいところ。品川区立図書館でもっとも貸出冊数が少ない、つまり来館者数が少ないといえる図書館でもあるので、当日の新聞や雑誌の最新号も待たずに読めるというメリットもあります。カウンター向かって右の棚の端には特集展示コーナーもあるので、それら展示を通じていろんな本に出会いたいです。

品川区立二葉図書館 特集・行事・図書館だより感想記

  「みつめよう 身近なくらし」
―2007年3月の展示

品川区立二葉図書館 データ

住所東京都品川区二葉1-4-25 2階 →Google Mapで見る
Tel03-3782-2036
開館時間
月~土曜9:00~20:00
日曜・祝日9:00~19:00
定休日第2木曜(祝日も休館)
12月29日~1月3日
最寄駅 東急大井町線 下神明駅から徒歩2分
JR京浜東北線東急大井町線TWRりんかい線 大井町駅から徒歩13分
東急大井町線 戸越公園駅から徒歩14分
駐輪場なし。建物手前右の駐輪場は二葉保育園用、建物手前左の駐輪場はたぶん建物上の住民用です。
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数53,865冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
ありなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト1階階段前にブックポストあり
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCネット閲覧PC2台あり。利用は1人1時間まで。
持参PC利用PC持込席(5席)で持参PCの利用可能。電源あり。
LAN接続館内用無線LAN「しながわFree Wi-Fi」の利用可能
飲食設備等蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)の飲料に限り、館内での摂取可能。但し、飲むとき以外は鞄にしまってくださいとのこと。