江東区立古石場図書館
江東区立古石場図書館 訪問記
江東区立古石場図書館は、門前仲町駅・木場駅・越中島駅を頂点とする三角形の真ん中にある古石場文化センター内の図書館。深川で生まれた小津安二郎にちなんで文化センターに「小津安二郎監督紹介展示コーナー」があり、その関連で図書館でも映画関連資料が充実しています。
古石場は東西線と京葉線に挟まれた隅田川の東の町で、最寄駅である門前仲町駅・木場駅・越中島駅のいずれから行っても水路を渡ることになるという、江戸の埋立て地ここにあり、という場所です。
個人的には、古石場図書館にいくなら深川不動尊・富岡八幡宮などに寄り道したいところ。先日、富岡八幡宮の節分祭で年女の友達が豆を撒く役になったので、私も撒かれる側として参加したのですが、江戸から続いている行事だと思うと時代小説の中に入ったような気分にもなって、とても楽しかったです。
古石場図書館に入る前に、古石場文化センターの話をさせてください。世界的にも高く評価されている映画監督・小津安二郎が江東区生まれ(旧・深川区亀住町4番地、現在の深川1丁目)ということで、古石場文化センター1階には「小津安二郎監督紹介展示コーナー」が設置されています。小さなコーナーですが、小津を知らない人でも年譜などからわかるようになっていますし、映画に登場した江東区のロケ地も示されているので、場所を確認して自分の目で現在の風景と見比べたくなります(大きな橋など以外はやはり当時と比べてかなり変わっています)。
ロケ地巡りや深川散策をするなら、風景漫画家の沖山潤氏が描いたマップがお薦めです。小津映画のロケシーンも描き込まれた門前仲町周辺お散歩マップは、ほのぼのとしたタッチが素敵。大きいものが文化センター受付前の柱に掲げられているほか、サイズはだいぶ小さいですが、このマップも含めた沖山潤氏の6作品の絵葉書セット「漫画で描く小津安二郎の世界」を受付で販売しています。その他、小津作品のDVDや関連本も販売しているので、映画好きの方はぜひお立ち寄りください。
前置きがかなり長くなってしまいましたが、4階の古石場図書館の話に入りましょう。4階全体が古石場図書館になっており、図書館エリア入口を入ると正面にカウンター、右に児童エリア、左に新聞・雑誌コーナーがあり、左から手前に折り返すかたちで一般書架が伸びています。閲覧席は一般書架エリアの壁際や書架内に点在しているほか、パソコン持込専用席やネット閲覧PCがカウンター向かって左奥に設置されています。
規模としては中規模図書館になるでしょうか。蔵書数の多さでも11館ある江東区立図書館のうち7番目と中間付近の順位です。休日などは机席が埋まっている率も高いですが、椅子席でもよければどこかしら空いていると思います。棚と棚の間も広くて本が探しやすいです。
一般書架は長方形の区画に書棚が同じ向きに並ぶシンプルな書架なのでわかりやすいです。但し、旅行ガイド・漫画・大活字本・外国語図書は、一般書架エリアではなく児童エリア入口付近に、CD付きの語学本はカウンター向かって左(カウンター内といった方がわかりやすい位置)にあるのでご注意ください。
一般書架の棚を見ると、「675 マーケティング」の棚に「経済・会社に関する本は、5番の棚(330~336)にあります」、「140 心理学」の棚に「心の医療に関する本は、9番の棚(493.7)にあります」といったように、関連ジャンルの情報をラベルライターで貼ってくれています。関連するジャンルでも図書館の分類だと別になってしまうものもありますが、こうした情報が棚にあるとわかりにくさが補えます。棚を見ても思ったような本が見つからなかったときは、ぜひ棚周りにこうした情報が貼られていないか見てみてください。
日本の小説は著者姓名の五十音順で並んでいます。但し、複数作家による作品集は「ン」に分類され、五十音順の並びの最後にまとまっています。外国の小説は、「中国文学」「その他の東洋文学」「英米文学」といったように国・地域別に分けたうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。
児童エリアは、手前に読み物やちしきの本があり、奥のおはなしの部屋に絵本があるという配置。おはなしの部屋の仕切りに描かれた、ガラスエッチングの読書するクマさんが印象的です。江東区では、東雲図書館も児童エリアのガラス窓に「だるまちゃんとてんぐちゃん」とガラスエッチングが描かれているので、ガラスエッチング好きなのかも(笑)?どちらも建物用ならではの大きな作品で印象に残ります。
絵本は、日本人作家も外国人作家も一緒にして、絵を描いた人の苗字の頭文字で分類されています。絵本が置いてあるおはなしの部屋は、おはなし会がないときは開放しており、仕切られた空間になっているので周囲を気にせず読み聞かせができます。棚上に大型絵本が表紙を見せて並んでいるので、小さいお子さんはいろいろ読みたくなるんじゃないかな。
児童読み物は、内容によって低学年向けと高学年向けに分けたうえで、外国人作家と日本人作家を交互にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。交互というのは、まず苗字が「ア」で始まる外国人作家の本が並び、次に苗字が「あ」で始まる日本人作家の本、「イ」で始まる外国人作家の本、「い」で始まる日本人作家…という並び順です。読み物やちしきの本があるエリアは飾り付けなどが少ないですが、壁沿いの本棚上部のブックエンドにつかまっているようなかたちでぬいぐるみを飾っていたりと、さりげなく可愛さが仕掛けられています。
古石場図書館の蔵書の特徴は映画関連本。古石場文化センターで小津安二郎の展示や映画イベントを充実させているのに合わせて、古石場図書館でも映画に関する資料を揃えています。本棚を見ると、「大島渚」「小津安二郎」「北野武」「黒澤明」など監督ごとに見出しがついており、各項目の本の冊数も平均的な公共図書館より断然多い。『日本映画史』『日本映画人名事典』『映画年鑑』といった事典・年鑑類も揃っていますし、映画関連の写真集も多数あります。
棚にある本を見ると、映画全般というよりは昭和の映画に重点をあてた蔵書というところかな。ただ、比較的少ないというだけで、最近の映画に関する本もありますし、アジアや欧米の映画に関する本も揃っています。
古石場文化センターでは映画イベント「江東シネマプラザ」を毎月行っているので、映画を観た後に図書館で関連本を読んだり借りたりするのもいいですね。実は私も10年以上江東区に住んだことがありながら江東シネマプラザを見に来たことがないので、いつか映画鑑賞と図書館を一緒に楽しみたいです。
江東区立古石場図書館 データ
住所 | 東京都江東区古石場2-13-2 古石場文化センター4階 →Google Mapで見る | ||||
Tel | 03-5245-3101 | ||||
開館時間 |
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定休日 | 第1・3月曜(祝日の場合は開館) 第3金曜(祝日の場合は開館し、第3木曜を休館) 12月29日~1月4日 | ||||
最寄駅 |
JR京葉線 越中島駅から徒歩10分
東京メトロ東西線 門前仲町駅から徒歩12分
東京メトロ東西線 木場駅から徒歩14分
都営大江戸線 門前仲町駅から徒歩14分
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駐輪場 |
2024/04/14に現地訪問にて確認
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駐車場 | 古石場文化センター入口向かって左に一般用駐車場11台分、障害者用駐車場1台分あり。8:30~22:00。最初の30分は無料、それ以降は20分ごとに100円。 2024/04/14に現地訪問にて確認
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SNS等 | |||||
所蔵資料 | |||||
図書所蔵数 | 108,502冊(2023/03/31現在、出典『令和4年度 江東区のとしょかん』) | ||||
CD所蔵数 | 2,992点(2023/03/31現在、出典『令和4年度 江東区のとしょかん』) | ||||
カセット所蔵数 | 48点(2023/03/31現在、出典『令和4年度 江東区のとしょかん』) | ||||
DVD所蔵数 | なし(2023/03/31現在、出典『令和4年度 江東区のとしょかん』) | ||||
ビデオ所蔵数 | なし(2023/03/31現在、出典『令和4年度 江東区のとしょかん』) | ||||
設備 | |||||
ブックポスト | 古石場文化センター入口向かって右の壁面にブックポストあり 2024/01/14に現地訪問にて確認
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自動貸出機 | ICタグ自動貸出機3台あり 2024/01/27に現地訪問にて確認
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自動返却機 | 図書館エリア入って右先に自動返却機あり 2024/01/14に現地訪問にて確認
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セルフ予約受取 | なし 2024/01/27に現地訪問にて確認
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図書の除菌 | 図書館エリア入って右先に、図書除菌機「和みの館」1台あり 2024/01/14に現地訪問にて確認
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音声試聴設備 | なし 2023/11/08に江東区立図書館ウェブサイトにて確認
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映像視聴設備 | なし 2023/11/08に江東区立図書館ウェブサイトにて確認
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ネット閲覧PC | カウンター向かって左にまわりこんだところにネット閲覧PC2台あり。利用は1回30分、待っている人がいなければ1回だけ延長可能。 2024/04/22に現地訪問にて確認
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持参PC利用 |
2024/04/21に現地訪問にて確認
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LAN接続 |
2024/04/22に江東区立図書館ウェブサイトにて確認
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飲食設備等 |
2024/04/22に現地訪問にて確認
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