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北区立神谷図書館

北区立神谷図書館 訪問記

last visit:2008/06/17

北区立神谷図書館は、南北線の志茂駅と王子神谷駅の中間にある図書館。一般書架エリアと区切られている新聞・雑誌コーナーが、神谷区民センターロビーとつながっている構造のため、建物ロビーでくつろぐ気分で新聞や雑誌を読むことができます。

§ 図書館の場所

神谷図書館の最寄駅は、東京メトロ南北線の志茂駅と王子神谷駅のどちらとも決めかねないくらい、本当にちょうど中間辺りにあります。JRでいうと、赤羽と東十条の間のやや東だといえば、何となくの位置がイメージしやすいでしょうか。細かい路地が広がる住宅密集地の中にある神谷区民センターの1階にある小規模な図書館で、わざわざ遠くから行くようなタイプのところではないですが、こういうところは人の出入りが少ない分落ち着けて穴場ともいえます。

§ 図書館内の様子

神谷区民センターは地下1階から地上3階までの建物で、1階の施設としては図書館のみ。「ここからここまでが図書館エリア」と明確な区画分けをしているのではなく、入口ロビーの一部のような雰囲気で新聞・雑誌を置いているブラウジングコーナーがあり、さらに奥へ進むと、右にカウンター、左に児童エリアがあり、奥一帯が一般書架となっています。一般書架手前にはCDも並んでいます。建物ロビーと新聞・雑誌エリアがつながっている造りは、同じ北区の豊島図書館にも似ており、ロビーでくつろいでいるような気分で新聞・雑誌を読むことができます。

この新聞・雑誌コーナーを見ていて不思議なのは、外国語雑誌が多いこと。北区立図書館では、全部で15館あるうち、中央・赤羽・滝野川の3館をそれぞれの地域の中心館として資料を充実させており、外国語雑誌・図書も多く揃えていますが、残りの12館は蔵書数が比較的少なく、外国語図書・雑誌も1種類あるかないかという程度。それなのに、神谷図書館は英語雑誌が2種類、中国語雑誌が1種類を所蔵しています。神谷地域は外国人の住民が多い地域なのかな。日本人利用者である私も語学学習などに活かしたいです。

新聞ラックのそばの壁に手描き地図が貼られているので見てみたところ、「語り継ぐまちづくり(昭和の神谷)」と題して、今は勢いがなくなってしまった商店街を記録した地図のよう。この地図によると、南北線が地下を通る北本通りより西側に鎌倉往還道という通りがあり、戦前から昭和25年頃まで商店が並んで賑わっていたそうです。これらの商店は大型スーパーの登場によって廃れてしまったようですが、こうやって記憶を残そうとする人もいる。膨大な本を所蔵している図書館というのは、そうした記録の宝庫でもあり、それを象徴するいい地図だと感じます。

児童コーナーは入口に、ヨダレあふれる恐竜の口の大きいイラストが吊り下げられていて、インパクトあります(笑)。児童コーナーは模様替え中とのことなので、これもそのうち変わっちゃうかもしれませんが。児童コーナー奥のソファは、皮の破れ目がミッフィーやかいけつゾロリのイラストで塞がれていて、いかにも公共児童施設っぽい修繕が微笑ましいです。

絵本は、日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして、絵を描いた人の姓名五十音順に並んでいます。児童向け読みものは、日本or外国という分類ではなく、中国のおはなし、英米のおはなし…といったように、外国人作家については更に国・地域別に分けたうえで、著者姓名五十音順になっています。

児童室と書架の間の仕切りが上半分が透明になっていて、書架側の仕切り沿いの棚が家事関連本になっています。これだと、子供を連れた親御さんが、児童コーナーの子供を見ながら料理本を選んだりできますね。でも、そうするにはちょっと児童コーナーの棚が高いかな。

ちなみに神谷図書館の料理本は、各国料理別、素材別での分類のみならず、酒肴、調味料、保存食、ヘルシー料理、器具別料理(レンジ・鍋など)とかなり細かいです。

一般書架の方に目を向けると、面積は広くないのに対して冊数が多く、本密度が高いですね。入口から見て右手前の壁の隅が、ちょっと花瓶でも置きたくなるようなコーナーになっているのですが、そういうところにも本が詰まっています。

書架の見出しは、全部ではないのですが、白い板にそれほど大きくない文字のものが多く、本の背のタイトル文字に紛れてちょっと見にくいですね。文字を大きくしたり、文字部分だけ色を変えたりすると見やすくなるのではないかと思います。

日本の小説・エッセイは一緒にして、著者姓名の五十音順に並んでいます。但し、複数の著者による小説・随筆集は、タイトル名をとって五十音順の並びに入っています。例えば、赤染晶子(アカゾメ アキコ)が書いたの本の隣に、8人の作家による『赤に捧げる殺意』(アカニササゲルサツイ)という本が並び、その隣に赤羽建美(アカバネ タツミ)が書いた本がある、といったかたちになります。外国の小説は、「中国文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように国・地域別に分類したうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。

一般書架エリアに入って目に留まるのは、カウンター前の「神谷図書館に集まってくる本」。北区立図書館では、「これは神谷図書館の蔵書」と決まっているものと、所属館が決まっていない「北区立図書館共通資料」があり、共通資料は最後に借りた人が返却した館の棚に戻されます。その共通資料のうち、北区全体でもそんなに所蔵しているわけではないのに、神谷図書館に返却された本をこの「神谷図書館に集まってくる本」コーナーに集めているんです。この地域の人に読まれている本の中から選ぶのは、共通資料という仕組みがあってこそできることで、面白いです。

神谷図書館で際立っているのは漫画の棚でしょうか。文庫版からコミックスまで、たくさんの漫画が家事関連本の斜め向かいの棚に並んでいます。『磯野家の謎』のような漫画に関する本や漫画家のエッセイなんかも同じ棚にあります。

閲覧席も少ないし、決して大きくはない図書館ですが、新聞・雑誌コーナーが比較的広いので、区民センターでのんびりする感覚で利用できますよ。

北区立神谷図書館 データ

住所東京都北区神谷3-35-17 神谷区民センター1階 →Google Mapで見る
Tel03-5249-1200
開館時間
火~金曜9:00~19:00
土・日曜、祝日、12月28日9:00~17:00
定休日月曜
3,12月を除く毎月第4木曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)
3月31日(土・日・月曜の場合は直前金曜休館)
12月29日~1月4日
最寄駅 東京メトロ南北線 志茂駅から徒歩14分
東京メトロ南北線 王子神谷駅から徒歩14分
駐輪場建物入口手前に駐輪場あり
駐車場建物入口向かって右手前に一般用駐車場1台分(予約制)、障害者用駐車場1台分あり
所蔵資料
図書所蔵数68,785冊(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
CD所蔵数6,581点(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』※北区図書館共通資料(所蔵館がない資料で、返却された館の書架に配架される)の数字は、各館の所蔵数に比例するよう配分して加算
カセット所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
DVD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『北区の図書館 令和5年度』)
設備
ブックポスト建物入口向かって右の壁面(入口とつながっているガラス壁部)にブックポストあり
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用カウンター横の机席(4席)で持参PCの利用可能。電源あり
LAN接続なし
飲食設備等なし