大田区立久が原図書館
大田区立久が原図書館 訪問記
大田区立久が原図書館は、久が原の住宅街の中にある図書館。外国の絵本を集めた三枝コレクションがあります。児童室の窓には、アクリルボードにイラストを描く「あの人」が、実際に来館して描いた作品がありますよ。
久が原図書館は久が原駅から歩いて15分の入り組んだ住宅地の中。久が原駅を出てすぐの踏切をまたぐ道を右に進み、みずほ銀行が正面にある五叉路にいったら、みずほ銀行向かって右の道へと進みます。「久が原交番前」交差点に出たら、斜め左に延びている道に入り、次の信号「久が原三丁目」交差点で右折、ここから道がくねくねしますが道なりに進んでいきます。右に久原小学校が見えてくるので、小学校の先の路地へ右折、坂を下って一つ目のT字路(駐車場があるところ)で左折、50mほど歩いた道の右側に久が原図書館があります。
それにしても、この辺り静かな住宅地でいいですね。ちょっと耳にしたところだと、渡哲也もこの辺に住んでいるとか。確かに彼が歩いていても不思議でない、豪華すぎもせず、かと言え下町の庶民的雰囲気とも違う、落ち着いた雰囲気の住宅地。そんな中に久が原図書館はあります。そういえば、Blog版で愛想のいい猫がいると教えていただいたのですが、私は会えずじまい。久が原図書館へは2度行ったことがあるのですが、2度とも天気がよくない日だったので、外を出歩く気分にならなかったのかな。
久が原図書館は2階建てですね。書架は全て1階で、2階に閲覧室や多目的室があります。
1階の配置は、入口入ってすぐ左に新聞・雑誌コーナー。そこから少し進むと左にCD・カセットコーナーとカウンター。カウンター前から見て奥に一般書架があり、一般書架の左が児童コーナー、児童コーナー手前の一画が辞書類のある参考図書コーナーになっています。
新聞・雑誌コーナーの手前にはリサイクル本コーナーがあります。1人5冊までですね。また、2008年12月に行ったときには、入口入ってすぐ右に「書架・本の中に勝手な"しおり"(営業用)や"カード類"(いたずら書き)をはさみこむことは厳禁です。見つけた場合はすぐに警察に通報します。」という看板がありました。私、図書館を巡っていて、こんな看板は初めて見たのですが、営業用のしおりってどんなものなのでしょう。図書館を不正な営利目的に利用するケースで、私が思い浮かぶのは、宗教団体などが布教のための本を寄贈したり、リサイクル本コーナーに置いたりすることくらい。この"しおり"がどんなものなのか、ちょっと知りたいです。
2006年5月に行ったときには、新聞・雑誌コーナーの奥に喫茶室があったのですが、今は喫茶室がなくなって新聞・雑誌コーナーが拡張された形になっています。サイトをご覧いただいた方の情報によると、2008年4月くらいからそのようになったみたいですね。新聞・雑誌コーナー奥には、食事専用席が4席(2席×2テーブル)隅っこにひっそり用意されています。
雑誌ラックの上には、都内の美術館・博物館などのチラシがずらりと並んでいます。雑誌や書籍を読みたいときだけでなく、何かいいイベントがやっていないかを知りたいときに図書館のこうしたコーナーを使うという手もありますね。
書架の規模は中程度ですかね。各段の本がブックスタンドで左に寄せられていて、傾いたりせず本が並んでいます。大型本の棚は上部が書見台になっているのですが、大型本が表紙を見せて並べられていて、さながら本の展示台。でも、書見台として使いたかったらちょっと脇にどければいいし、何もない空間があるよりこの方がいいかも。
日本の小説は著者姓名の五十音順、但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に、五十音順の並びに入れられています。例えば、江川晴(エガワ ハル)が書いたの本の隣に、8人の作家による『エクスタシィ』という本が並び、その隣に江國香織(エクニ カオリ)が書いた本がある、といった具合になります。外国の小説は、国別分類などはなく、「外国の小説」でひとまとめにされ、著者の姓名の五十音順に並んでいます。
児童室との仕切りの壁沿いの棚には「三枝コレクション」とあります。海外の絵本がずらっと揃っていますね。これって、三枝さんという方の寄贈か何かなのでしょうか。三枝コレクションの中の一番手前の棚には復刻本の絵本がぎっしり。オズボーン・コレクションなどが並んでいます。箱入りの絵本で、字が多めの絵本ですね。小さいサイズの絵本が封筒の中に入って、それが更に箱の中に入っていたりして、それを空けていくだけでもワクワクしますね~。
復刻絵本の右には、復刻ではない一般的な外国語絵本がずらり。ストーリーによって「主に人間が主人公の本」「動物が主人公の本」「(ハロウィンなどの)行事の本」、、といった感じで分類されています。英語だけでなく、ハングル、フランス語、スペイン語、その他の言語の絵本もあります。棚の上には世界地図を描いた大型絵本や宇宙を描いた大型絵本が展示してあります。外国の絵本は絵のタッチがやっぱりどこか違って面白いですね。
外国語絵本の右には一般書の外国語図書。こちらもタイ語・ウルドゥ語・ハングル・タガログ語などありますが、これらは各1冊のみ。あとは全て英語です。一般の外国語図書の冊数は、外国語絵本の半分もないくらい。
そして、その三枝コレクションの後ろが、児童室と一般書架を仕切るガラス窓となっているのですが、ここににぎやかな絵が描いてあります。この絵、見覚えあるぞ、もしかして、、と思って児童室に入ってみると。。。
ガラス窓の間にある柱の掲示板に「ガラス絵を書く水森亜土さん 59.9.17」とあります。そう、水森亜土ご本人が久が原図書館まで来て、これらの絵を描いたんですね。59年って昭和59年ですよね。その際の写真もちゃんと展示してあります。絵が海の中のようなイラストだったり、音楽を奏でるイラストだったり、図書館だからと言って読書に固執せずに描いているのもいいですね。ギャラリーがいない場合でも歌いながら描いたのかなぁ。
児童室は、部屋一帯に本棚が並び、一番奥におはなしの部屋があります。絵本は、日本作家の絵本も外国作家の絵本も一緒になって、絵本のタイトルの頭文字で分類されています。児童向け読みものの本は、日本人作家と外国人作家を別にして、著者姓名の五十音順で並んでいます。
2階は閲覧室とその手前にロビー風の空間があり、そこでも読書ができます。ロビー風のスペースには、パソコン・電卓用の席も4つあります。1階から2階への階段壁とロビー風の空間には、地元サークルの作品と思われる写真、書道、短歌などが展示されていて、見ながらのんびりできますね。エレベーター・階段から見てロビーの右にある多目的室は、図書館行事だけでなく地元サークルの活動などにも使っているような雰囲気があります。純粋な図書館というより、区の文化センター的要素も持った施設なのでしょう。
特に施設が素晴らしいというわけでもないんだけど、落ち着いていてとても気に入ってしまいました。久が原図書館というよりそれを含めた久が原全体の雰囲気がいい。また行きたい図書館ですね。次は噂の猫に会えますように。
大田区立久が原図書館 特集・行事・図書館だより感想記
大田区立久が原図書館 データ
住所 | 東京都大田区久が原2-28-4 →Google Mapで見る |
Tel | 03-3753-3343 |
開館時間 | 9:00~19:00
1月4日は、10:00~19:00 |
定休日 | 第3木曜(祝日は開館し、翌日を休館) 12月29日~1月3日 |
最寄駅 | 東急池上線 久が原駅から徒歩15分 |
駐輪場 | 建物手前に駐輪場あり。また、建物向かって左奥にバイク用駐輪場あり。 |
駐車場 | 一般用駐車場なし。図書館手前に障害者用駐車スペースあり |
所蔵資料 | |
図書所蔵数 | 90,623冊(2023/03/31現在、出典『令和5年度 大田の図書館』) |
CD所蔵数 | 5,407点(2023/03/31現在、出典『令和5年度 大田の図書館』) |
カセット所蔵数 | 60点(2023/03/31現在、出典『令和5年度 大田の図書館』) |
DVD所蔵数 | 147点(2023/03/31現在、出典『令和5年度 大田の図書館』) |
ビデオ所蔵数 | なし(2023/03/31現在、出典『令和5年度 大田の図書館』) |
設備 | |
ブックポスト | 建物入口向かって左にブックポストあり |
自動貸出機 | なし |
音声試聴設備 | CD試聴機1台あり |
映像視聴設備 | なし |
持参PC利用 | 2階のパソコン席(6席)で持参PCの利用可能。電源あり。利用の際はカウンターに申込が必要。 2018/04/01に確認
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LAN接続 | 館内で大田区公衆無線LAN「Ota_City_Free_Wi-Fi_01」(暗号化なし)の利用可能。1回60分のネット接続可能。利用にはメールアドレスとパスワードの登録が必要です。詳しくは図書館へお問い合わせください。 |
飲食設備等 |
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図書館クイズ、リサイクル本フェア、バリアフリー絵本展など、館内のあちこちで展示・イベントを行っている、久が原図書館まつりを覗いてきました。