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足立区立竹の塚図書館

足立区立竹の塚図書館 訪問記

last visit:2017/12/16

足立区立竹の塚図書館は、竹ノ塚駅の東にある竹の塚地域学習センター内の図書館。以前は、竹の塚図書館の企業支援レファレンスが新聞で取り上げられたこともあります。書架のあちこちに特集コーナーがあり、いろいろな本との出会いがあります。

§ 図書館の場所

竹の塚図書館は東武伊勢崎線竹ノ塚駅から東へ少し歩いた地点にあります(駅からの道のりはこちら)。竹ノ塚駅は、ついに高架化工事が始まり、通勤通学で駅を利用する人や、線路をまたいで東西を行き来する人はしばらく影響を受けそうですね。ただ、痛ましい事故が起きたこともあり、工事によってより安全な街になればと思います。ちなみに、竹ノ塚駅が最寄り駅となる図書館としては、駅の西方面に伊興図書館もあり、こちらは駅からの道のりが1.2km。駅から400mで行ける竹の塚図書館と比べて3倍以上の距離があります。

興味がない人にはあまり気にならない、でも、気になる人はなぜそうなのか経緯を知りたくなるだろうと思いますが、「たけのつか」は駅名だと「の」がカタカナ、地名だと「の」がひらがな表記になり、図書館も竹塚図書館という表記です。その経緯は私もわかりませんが、それこそ図書館で古い資料を調べたら発見があるかもしれません。

もう一つ、竹の塚について間違えられやすいのが読み方で、私も最近まで「たけのづか」と思っていたのですが、「たけのつか」(「つ」が濁らない)と読みます。現在の竹の塚図書館のマスコットキャラクター「たけピコ」が決まる前、いくつかの候補の中から利用者の投票で決めるという段階のときに、候補の中に「つか」が含まれている名前のキャラクターがあり、作成者のコメントとして「竹の塚」の読みが「つか」であることを広めたいということが書いてあるのを読んで正しい読みを知りました。まさに自分の知らなかった知識を教えてくれたこともあり、そのキャラクターに投票したのですが、集計の結果「たけピコ」に決定。図書館内の掲示にたけピコが活躍するのはもちろん、図書館のあるフロアへとあがる階段でもたくさんのたけピコが迎えてくれます。

§ 図書館内の様子

地名トリビア話から図書館の話に戻しましょう。3階にあがって図書館エリアに入ると、短い通路の先右手にカウンター、そこから左手前に児童エリアがあり、右手前に新聞・雑誌コーナー、奥一帯が一般書架です。図書館エリア入口からカウンターまでの短い通路にも大活字本や、新着図書、雑誌の一部などがあり、何かいい本がないかとチェックしながら通る人も多いと思います。

座席は右側の窓際に横2列になって細い机が並んでおり、こちらが北側なので晴れた日も眩しさをそれほど感じずに読書ができます。昔は一般書架に椅子もあったと記憶していますが、現在の閲覧席は窓際の机席のみ(児童エリアには児童用の机席があります)。ちょっと見るだけなので本棚のそばで読みたいというときにはやや不便ですが、皆が窓に向かって座る向きで誰かと向かい合うことがないため、意外と集中できます。

§ 児童エリア

児童エリアは、窓に近い方に児童読み物があり、その奥にちしきの本、一番奥に絵本があるという配置です。角には絨毯敷きの靴脱ぎスペース、その手前に大きなテーブルが2つあり、くつろいで本が開ける空間。このテーブル席で読書している大人もおり、本来は児童エリアなので児童の利用を優先しないといけないのですが、気持ちとしてはここで読みたくなるのがわかる、そんな居心地のいい空間です。

絵本は、日本人作家の作品と外国人作家の作品を分けて、タイトルの頭文字で分類しています。児童よみものは、対象年齢で「幼年どうわ」と「物語」に分けて、それぞれで「日本の物語」「中国の物語」「イギリス・アメリカの物語」と国・地域別にして著者姓名五十音順に並んでいます。「幼年どうわ」と「物語」は離れたところにあるので、どちらの本も読みたい場合は注意してください。

§ 一般書架

一般書架は、その棚に何があるかを示す看板にたけピコが登場しており、それを手掛かりにすれば読みたい本がどこにあるかわかります。利用が多くて内容が多岐にわたる家事関連本は、分類が細かくて本が探しやすい。「和食」「季節の料理」「アジア料理」「西洋料理」「初心者向け」「おもてなし」「おつまみ」「TV・タレント・ブログレシピ」など、項目が細かいだけでなく、数字やシールの色を使って分類されているので、検索機で見つけた本を棚で探す際にも見つけやすいです。

日本の小説は、苗字2文字+名前1文字という3文字をとって、その五十音順に並べています。例えば、姓名五十音順だと朝倉かすみ、浅田次郎、あさのあつこ…という順序になりますが、竹の塚図書館では苗字2文字+名前1文字をとるので、朝倉かすみ=アサ・カ、浅田次郎=アサ・シ、あさのあつこ=アサ・アとなり、この3文字で五十音順に並べると、あさのあつこ、朝倉かすみ、浅田次郎という順序になります。また、複数の作家による共著本は、姓2字+名1字の五十音順の並びの後に、タイトル五十音順で並べています。また、外国小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」のように原作の言語別に分けたうえで、著者苗字の頭文字五十音順で並べています。

壁際の棚は、最上段が蓋付の棚になっており、全集などの一部はここに収納されているようです。検索機で見つけた本が「屋内倉庫」となっているのが、ここにある本のよう。もし読みたい本が屋内倉庫になっていたら、自分で取ろうとせずに職員さんにお願いしてください。

上で書きましたが、竹の塚図書館では図書館エリアに入ってすぐの場所に大活字本があり、それはとても珍しい配置です。よく考えると、大活字本は視力の弱い方のための本なので、大活字本のある場所自体が視力の弱い方でもわかりやすくなっていないと意味がない。なのに、奥にひっそりと置いてある図書館の方が多いです。その点、竹の塚図書館は誰もが通る場所に置くことで、大活字本という本の存在が無意識のうちに頭に入ります。小さい頃から視力に困難がある人の場合、それでも読書できる方法があるという情報も入ってきやすいですが、大人になってから視力が困難になると、そのまま読書をあきらめてしまう人も多い。でも、そんなとき、図書館には大活字本をはじめとした、視力が弱い人の読書を支えるものがあることを思い出してくれたらと思います。

§ 特集コーナーがあちこちに

正面奥の突き当たりの壁にはビジネス関連資料コーナーがあり、一般的な図書館分類の垣根を越えて、ビジネス関連の本を集めています。例えば、図書館分類での「33 経済」だと経済思想などの本も含まれてしまいますが、そのなかでも実際のビジネスに関する本、また、「159 人生訓」にはいろいろな人生指南本が並びますが、そのなかでもビジネス面での人生訓の本などは、ビジネス関連資料コーナーになります。

竹の塚図書館は以前日経新聞の夕刊の「図書館を通じて起業を支援」みたいな特集で取り上げられたことがあり、この頃から図書館でのビジネス支援が世間一般にも注目を浴びはじめたという経緯があります。昔はその記事の切り抜きを竹の塚図書館内で掲示していて、確か、起業を考えていた人がその専門分野に関する情報を探していて、図書館司書さんの力を借りて見つけることができた、みたいな事例だったと記憶しています。

ただ、これは竹の塚図書館だけでなく多くの図書館のビジネス本コーナーがそうなのですが、一般的な図書館分類に従って分類された本棚から、ビジネスに関連がある本をピックアップしただけというのが現状。ビジネス本コーナー以外にも書架のあちこちにビジネス本があるので、ビジネス本を読みたい人が本を探す場所を増やしているだけという気がします。せっかく作るなら「ビジネス」という広すぎるくくりではなく、もっと範囲を狭め、どんなときにビジネス本コーナーを見て、どんなときは通常分類された棚を見ればいいのか、わかりやすくした方がいいように思います。

このビジネス関連資料コーナーは大きくて、「コーナー」というより「分類」という様子ですが、竹の塚図書館にはこれ以外に小さな特集コーナーが、一般書架も児童エリアも含めて書架内のあちこちに設置されています。こうした特集コーナーは入口近くに設置している図書館が多く、竹の塚図書館にも入口そばの特集コーナーがあります。でも、竹の塚図書館には書架内にも特集コーナーが点在しており、目当ての本を探している途中でふと目に留まって、手に取ってみたくなります。

最近は、ネット書店や図書館ネット予約など便利なものが増え、実物の本を見なくても本を選ぶことができます。でも、目当ての本を探すついでに面白そうな本が目に入ったりして、思わぬ本との出会いがあるのが、図書館のような実物の本がたくさん並んでいる場所の面白さ。更に、書店と違って売れ行きのいい本ばかりに集中して置いていないので、存在さえ知らなかった本とも出会える。書架内にある特集コーナーにどんどん寄り道して、たくさんの本に出会いたいと思います。

足立区立竹の塚図書館 データ

住所東京都足立区竹の塚2-25-17 竹の塚地域学習センター3階 →Google Mapで見る
Tel03-3859-9966
開館時間9:00~20:00
※12月28日・1月4日は9:00~17:00
定休日月末日(土・日曜・祝日の場合は開館し、直前の金曜に休館)
毎月1回施設点検日
12月29日~1月3日
最寄駅 東武伊勢崎線 竹ノ塚駅から徒歩7分
駐輪場建物入口手前に駐輪場あり
駐車場建物入口手前右に一般用駐車場9台分、障害者用駐車場1台分あり
SNS等
所蔵資料
図書所蔵数55,895冊(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
CD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
DVD所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
ビデオ所蔵数なし(2023/03/31現在、出典『足立区の図書館 令和4年度事業報告書』)
設備
ブックポスト竹の塚地域学習センター入口手前左に青い箱型ブックポストあり。開館中の使用は不可。
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
図書の除菌書籍消毒機「デンネツ殺菌ブッククリーンCOCOCHI」あり
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCカウンター向かって左の窓際にネット閲覧PC1台あり。利用は中学生以上、但し保護者同伴の場合は小学生以下も利用可能。9:00~19:30までの申込みが必要で、00分と30分を区切りに、30分単位での利用。次に待っている人がいなければ延長可能。
持参PC利用持参PCが利用できる席が1席あり。電源なし。
LAN接続
  • 館内用無線LAN「あだちFreeWi-Fi」の利用可能
  • 館内や公式サイトには明記されていませんが、ソフトバンクWi-Fiスポットに竹の塚図書館が登録されており、館内にいると実際にWi-Fiの電波が入ります
飲食設備等
  • 竹の塚地域学習センター1階に売店と飲食自販機3台あり
  • 蓋付き容器(ペットボトル・水筒など)の飲料に限り、館内での摂取可能。但し、飲むとき以外は鞄にしまってくださいとのこと。