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江戸川区立図書館サテライト 船堀小学校

江戸川区立図書館サテライト 船堀小学校 訪問記

last visit:2022/12/18

江戸川区立図書館では、2022年5月から区立小学校のうちいくつかで、予約資料受取、返却、予約、貸出期間延長、利用登録・再発行といった窓口業務を行う「図書館サテライト」を行っています。そのサービスを行っている小学校の一つ、船堀小学校を利用してみました。

図書館サテライトは開いているのが水・日曜のみ。更に開館時間も、水曜が17時から20時、日曜が9時から16時と、江戸川区立図書館が9時から21時半まで開いているのに比べたら短いです。利用する際には、それを踏まえて行く必要があります。

§ 受取館をサテライトにした予約

まずは、行くにあたって、船堀小学校を受取館にした予約をしました。別の図書館で借りた本を返すことを目的に船堀小学校に行こうかとも思ったけど、返すだけならブックポストでできる、というより、江戸川区立図書館はコロナ感染防止の観点から、返すだけなら窓口ではなくブックポストを推奨している(そのために、コロナ禍前は「開館時には返却ポストを使えない」としていたのを、「開館時も返却ポストを使える」に運用変更している)くらいなので、サービスをしっかり使うために予約受取館に指定したのです。

予約してみて、考えてみればこうなるかと納得したのが、予約した資料が「取置済」になるタイミング。私が予約したのは、『江戸川区図書館事業概要 図書館のしおり 令和4年度』という、ほぼ全館で所蔵しており、かつ、そのほとんどが借りられていない資料なので、受取館がサテライトではなく図書館であれば予約した翌日くらいには取置済になるはずです(※)。が、受取館を船堀小学校にして2022年12月14日(水)に予約したところ、予約資料がご用意できましたメールが着いたのが2022年12月18日(日)の日中。モノとしてはもっと前に確保できていたのでしょうが、サテライトの開館日になるまではずっと「回送中」でした。

※試しに、同じ資料の平成29年度版を、あえて所蔵のない篠崎図書館を受取館にして2022年12月18日に予約したところ、翌19日に取置済になりました

つまり、サテライトを受取館とした予約の場合、予約した資料が取置済になるのは水・日曜のみ。そして、取置期限は取置済となった日の7日後(江戸川区立図書館の取置期間は連絡した翌日から7開館日ですが、サテライトの場合は開館日換算ではなく日付換算となる)。なので、予約資料を取りに行けるのは、取置済になった当日、その次の開館日、取置済になった日の1週間後、の3日ということになります。でも、もし水・日曜以外でも確保できれば取置済になる仕組みだったら、そこから1週間=取りに行ける日が2日になってしまうので、この仕組みでいいんですね。

§ 学校図書室の窓口で区立図書館のサービスを提供

さて、ご用意できましたの連絡を受けたはいいものの、どこから入ればいいなどの情報が江戸川区立図書館ウェブサイトには全くなく、着けばわかるだろうという見切り発車精神で行ってみました。江東区の我が家から徒歩で船堀橋を渡っていたので、北側から船堀小学校に近付くかたちになったのですが、ちょうどその北側の裏門(トヨタレンタカーの向かいの門)が図書館サテライト用の入口となっています。日曜に行ったので小学校は閉まっていますが、「江戸川区立図書館サテライトはこちらです」の案内がすぐわかるように出ています。

案内に従って進むと校舎の裏口に着き、そこに職員室用と図書室用の2つのインターホンがあります。そこで図書室用のインターホンを押し、サテライトを利用しに来たと言えば、職員さんが遠隔操作で扉を開錠してくれて中に入れます。校内は土足禁止とのことで、入口に用意されているスリッパに履き替えて、エレベーターで2階へ。ちなみに、エレベーターのボタンはサテライトへの行き来で使う階以外のボタンが隠されており、「他の階に行くとセコムが鳴ります!」の警告が書かれています。

2階で降りると、職員さんがこちらを向いて待っていてくださって、こちらへどうぞと学校図書室へ案内してくれます。学校図書室はエレベーターから右斜めを向いてすぐのところにあり、案内なしでもわかる場所ですが、インターホンで利用者が来るとわかっているからか、ちょうどお手すきの職員さんがいたからか、わざわざお出迎えしてくださったのが嬉しいような恥ずかしいような(笑)。

予約資料が届いているはずだと図書館カードを出すと貸出手続きしてもらえる手順は、サテライトではない図書館と全く同じ手順です。図書室を見回すと、全体的な雰囲気や棚に並ぶ本が乳幼児から対象としている図書館の児童エリアより少し年上感がある様子が、やはり「小学校の図書館」という感じ。学校図書室にある本は貸出はできませんが、図書館サテライトが開いている時間にここで読むことはできるそうです。

また、この記事を書くために船堀小学校のことを調べていて見つけたのですが、平成24年度に行った船堀小学校の改修工事後の新校舎の資料を見ると、この学校図書室とは別に「絵本コーナー」があるらしい。この記事を書いている時点で51歳の私の小学生時代と比較したら当然なのかもしれませんが、いやはや最近の小学校は図書設備だけをとっても、私が子どもの頃よりずっと充実しているんですね。

こうして学校図書室を区立図書館窓口として機能させているほか、ブックポストが船堀小学校東側(船堀街道に面した側)の門脇に設置されており、こちらは年末年始を除く24時間利用可能です。

§ 公共施設としての小学校

船堀小学校の周りにはマンション・住宅が多いですが、この辺から近い図書館となると、道のりで1km強ある葛西図書館か、2km弱ある松江図書館で、「気軽に行く」よりも「わざわざ行く」感じになってしまう距離。そこに週2日しか開かないとはいえ、近くで予約資料を受け取れる施設があれば、急いで読みたい本は受取館を図書館に、それほどでもない本は受取館をサテライトにするなど、選択することができます。

それと、入口に用意されていたスリッパが10組だったので、同時にサテライト内にいる人が最大でもその程度だということでしょう。絶対に欠席できない用事を控えていて新型コロナにもインフルエンザにも感染したくないなど、できる限り密を避けたいときなどにも使えそうです。私が閉館時刻の20分前に裏門をくぐって5分前に裏門を出る間に、門付近も含めて一緒になった利用者が4人(門付近であった人は利用者ではなく学校関係者かもしれませんが)。職員さんに聞いたところ閉館前の時間帯は来館者が多いとのことなので、早い時間帯ならもっと人が少ないはずです。

…と、図書館の窓口業務施設としての機能に注目して語ってしまいましたが、それは視野が狭いのかもしれません。私が行った日にサテライトにいた職員さんが顔見知りの葛西図書館の職員さんだったので、少しお話を聞かせていただいたのですが、船堀小学校は前項で触れた改修工事によって、施設老朽化などへの対策だけでなく、緊急の際の避難所になることへの対策も充実させたそう。つまり、小学校は、小学校としての機能だけを考えた建物ではないんですね。

その点は、図書館も一緒でしょう。図書館はこう、学校はこう、という別個の存在ではなく、公共施設が補完しあって総合的に機能することを前提とした存在とでもいうか。いや、今までも学校と図書館は比較的近い存在だったと思うし、図書館と公民館なども同様ですが、少子化や高齢化などの人口動態や、それを受けての持続可能な社会を作るためには、これまで以上に総合的に機能することが求められるのかも。

こうした考えは取り立てて新しい考えではないでしょうが、子どもがいなくて学校とは縁遠く暮らしている私にとっては、あらためてそうした構想に思いを馳せるきっかけとなりました。

江戸川区立図書館サテライト 船堀小学校 データ

住所東京都江戸川区船堀2-22-22 →Google Mapで見る
Tel03-3687-6811(葛西図書館)
開館時間
水曜17:00~20:00
日曜9:00~16:00
定休日月、火、木~土曜
学校の夏休み閉校期間
年末年始
最寄駅 都営新宿線 船堀駅から徒歩5分
駐輪場なし(図書館サテライト利用者は学校の駐輪場は使えません)
駐車場なし(図書館サテライト利用者は学校の駐車場は使えません)
設備
ブックポスト船堀小学校東側(船堀街道に面した側)の門向かって左にブックポストあり
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
図書の除菌なし