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図書館に寄贈で恩返し

予算の限られた公立図書館は本をはじめとした資料を潤沢に購入できるわけではありません。そこでほとんどの公立図書館では寄贈を受け付けています。図書館の資料を利用するばかりでなく、たまには寄贈で恩返しというのもいかがでしょう。

寄贈と言っても、大層な蔵書じゃなくても全然大丈夫。東京の公立図書館でよくみかけるのは、予約多数本の寄贈のお願いですね。人気のある本は、図書館が複数冊所蔵しても、それ以上の予約が入るのでなかなか回ってきません。そこで、そういった本を読み終わっている方に、もしよかったら寄贈をお願いしているというわけです。

実は私も先日、地元の城東図書館に寄贈をしてきたのでその時の体験談を。
この間、全3巻の本、いや正直にいうと漫画なんですけど(笑)、1巻予約のやや後に2,3巻を予約したのですが、先に2,3巻が届いたんですね。で、1巻は一向に回ってくる気配がない。結局自分で買ったのですが、その1巻だけを持っているのもなんなので、2,3巻を図書館に返すついでに1巻を寄贈してきたんです。

カウンターで、本の返却と一緒に「この本を寄贈したい」という旨をお話したら、職員さんが1枚の紙を取り出し、「寄贈していただく方にはこれをお渡ししているのですが、これでよろしいですか」と。転載しますと

 本日は、資料を寄贈していただきありがとうございました。ご寄贈いただいた資料は、江東区内の図書館や公共施設などで活用させていただきます。
 なお、資料の程度が良好でないものにつきましては、残念ながら廃棄させていただく場合がありますので、ご承知おきください。
 この書面をもちまして礼状に代えさせていただきます。
という内容。構わないです、と伝えて終了。特に何の手続きもいりませんでした。

数冊程度でしたら、このようにいきなり図書館に持参して大丈夫だと思います。もっとたくさんの資料をまとめて寄贈したい場合などは、あらかじめ問い合わせの連絡を入れるといいと思います。
また、北区立滝野川図書館では「文庫本匿名寄贈箱」を用意して、そこに入れればいいだけになっています(但し、最近出版された、あるいは購入した文庫本に限る)。寄贈を募って資料を充実させようとしている図書館は、寄贈しやすい工夫をしているのですね。

ここで心に留めておきたいのは、寄贈すれば必ず図書館の蔵書になるわけではない、ということです。状態が悪いものについては廃棄することもあるし、既に充分所蔵している資料と重複しているものは図書館の蔵書以外の利用をされることもあります。また、布教活動や宣伝のために寄贈する人達も中にはいるので、図書館はそういったことも配慮した上で図書館の蔵書として受け入れるかどうかを判断していると思います。

まあ、図書館への寄贈に限ったことではありませんが、『こちらが善意でやっているものなのだから、何が何でも受け入れろ』というのはただの傲慢ですよね。『もしよかったら利用してください』ぐらいの気持ちで寄贈するといいと思います。

貴重な資料の場合は、大量の寄贈のときと同様、事前に相談するといいと思います。受け入れるかどうか事前に判断してくれると思いますし、場合によってはその図書館で受け入れることができなくても、他に受け入れてくれる施設等を紹介してもらえるかもしれません。

また、寄贈したい蔵書があるわけではないけど、何らかの貢献をしたいという場合は、資料以外の寄贈という道もあります。図書館を回っていると、たまに本棚に寄贈と刻まれていたりするんですよね。こういった備品を寄贈するというのもありでしょう。

ただ、こういったものは資料の寄贈以上に、図書館側が必要としているかどうかを確認しないといけませんね。私が見かけた本棚なども、現物を寄贈したのではなく、寄付したお金で購入したものなのかもしれないし。

数冊程度の寄贈はお気軽に、そうでない場合は事前に相談する、といったところでしょうか。せっかくですから図書館側に喜んでもらえるようなことをしたいですよね。でもホント、大層なことじゃなくて、私みたいなほんのちょっとの寄贈でもいいと思いますよ。