本の福袋

―2013年1月13日からの企画
visit:2013/01/13
§ 中身がわからない「本の福袋」

図書館の「本の福袋」という企画をご存知ですか?図書館なので貸出本が入っており、でも「福袋」というだけあって中身に何が入っているかわからない、図書館職員さんが詰め合わせた袋を借りるという企画です。といっても、何が入っているか全くわからないのではなく、袋ごとにテーマを決めて中身を選んでいるので、利用者はそのテーマで選ぶというわけ。どうです、面白そうでしょ?

私はtwitterで富ヶ谷図書館のアカウントをフォローしていて、富ヶ谷図書館のイベント告知つぶやきで2013年の年始に「本の福袋」イベントを実施していることを知り、さっそく借りに行ってきました。

渋谷区富ヶ谷図書館 本の福袋 外観

左の写真が私が借りてきた福袋で、富ヶ谷図書館カウンターの脇にこうした福袋が並んでいます。真っ赤な福袋が館内で一際目立っており、ちょうど日曜から企画が始まったので家族連れで来館している人が多く、「見て、見て!図書館で福袋だって。面白いね~」と連れ立って寄って行く人が多数。富ヶ谷図書館では去年も「本の福袋」を行ったそうで、見た人もすぐに「中身を見ないで本を借りるアレだな」とわかる人が多かった感じでした。

左の写真では小さくて読めないと思うのですが、「福」の文字の上にその袋のテーマが書かれています。皆が楽しめるよう福袋には大人用と子ども用があって、大人用の福袋は「現か幻か」「う~ん、あったまるねぇ」「ダーク短編集」といったテーマ、子ども用の福袋は「へびどしだけど、うさぎがいっぱい」「よみがえりの本」といったテーマがありました。

渋谷区富ヶ谷図書館 本の福袋 テーマ

どれも面白そうな袋が並ぶなか、どれにしようかなと迷って結局私が借りたのは「現か幻か」という福袋。テーマが書かれたカードをアップにしたのが左の写真で、「うその様な…本当の様な…信じてみるのも楽しい本たち」というサブタイトルに惹かれました。上に挙げた大人用テーマだと、「ダーク短編集」はおそらく3冊とも短編集でしょうが、「現か幻か」「う~ん、あったまるねぇ」はどんなジャンルの本が入っていてもおかしくない。どんな本が入っているか、ワクワクしてしまいます。

袋をカウンターに持っていくと、職員さんが「おっ、福袋ですね」という顔で手続きしてくれました。中身は家に着いて袋を開けるときのお楽しみ…と言いたいところですが、渋谷区立図書館は貸出票に貸出した本のタイトルが印刷されるので、さっそく貸出票を見て、へぇ~と楽しんだが実際のところです(笑)。

渋谷区富ヶ谷図書館 本の福袋 中身

中に入っていたのは左写真の3冊で、左から『幻獣標本博物記』『妖怪を科学する!』『じつは、わたくしこういうものです』。中央奥のオレンジ色のものは富ヶ谷図書館からのメッセージで、この企画に対する思いが綴られているとともに、福袋といっても本を差し上げるのではなく貸出本ですという注意書きも書かれています。確かに勘違いする人もいるかもしれないので、こうした説明文も大事ですね。

とりあえずページをめくってみたのですが、どれもざっと見たぐらいでは、どこまで本気でどこまで遊びなんだかわからないような不思議な本なんです。まさに「現か幻か」にふさわしい3冊。いやあホント、世の中には面白い本があるもんだなあ、私がこれまで読んだ本なんて数多ある本の一部にすぎないなとつくづく思いました。富ヶ谷図書館さん、こんな面白い本を教えてくれてありがとうございます!

この「本の福袋」企画はいつまで開催しているかわからない、というか、用意している福袋がなくなったら終わりだと思うので、面白そうと思った方はぜひお早めに富ヶ谷図書館へ。大人用・子ども用とあるので、家族で行ってもそれぞれ楽しめますよ。

「福袋」といっても、お買得の商品を入れたお店の福袋とは違い、あくまでも「中身を隠して貸し出す企画」なので、中に入っている本は期限までに返却する必要があります。返却の際は普通の貸出本と同様に1冊ずつで構わないし、紙袋は返却する必要はありません。

図書館を利用していろんな本を読んでいるつもりでも、知らない本ってホントにたくさんあるし、こうやって目隠し状態でテーマで選ぶのも面白いですよね。ぜひ、図書館職員さんの導きで、未知の本との出会いを楽しんでください。