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ビブリオバトル部第10回部活動 任意参加企画:紹介本を複数用意して他人に紹介本を選んでもらう

―2017年7月15日のイベント
visit:2017/07/15
§ 久し振りの常連さんから初参加の方まで、9名集合!

2014年から始まった練馬区立春日町図書館のビブリオバトル部、今回の部活動が記念すべき第10回です!といっても、私もこうして記事にしてはじめて、ああそうか、と思ったくらい(笑)。当日の様子も、回数より、人数の多さに盛り上がり。久しぶりの常連さんと、初参加の方も加わって、計9名によるビブリオバトルを行いました。たぶん、過去最高の参加者数です。

このビブリオバトル部は、文字通り部員が集まってビブリオバトルをする部活。最初の頃はテーマを決めて、それに沿った本を紹介していましたが、最近はテーマを決めずに好きな本を紹介しています。その代わりに、ということでもないのですが、遊び心で任意参加の企画を決め、企画に参加したい人はそれに乗っかって本を紹介、参加しない人は企画を気にせず普通に本の紹介することもあります。

今回の任意参加企画は「紹介できるお薦め本を複数冊用意し、その中からその場の誰かにリクエストされた本1冊を紹介する」というもの。いろいろなビブリオバトルに参加していると、本を複数冊用意してきて、その場の直感などで「では、今回はこの本を」と紹介する人がたまにいるのですが、それを企画でやってみよう、更にどの本にするかを本人以外の人がリクエストするかたちにしよう、ということになったのです。任意参加企画はいつもこんな感じで、部員の誰かが個人的にやってみたいと思っていることを、やりたい人は次の部活で一緒にやろう、という感じで決めています。

 
§ ときおり「複数冊用意」企画が挟まるビブリオバトル

今回「複数冊紹介本を用意」企画に乗ったのは9名中4人で、一番少なかった人は2冊、一番多い人は8冊のお薦め本を持ってきました。私は3冊持っていきましたが、手持ちのお薦め本が減っており(私は、自分自身がその本の話をすることに飽きてしまうので、1度どこかで紹介した本を他のところでは紹介しない)、3冊がやっと。でも、何冊も持ってきた人の本を見ると、その人らしいラインナップだったり、こういう本も読むんだという意外な本もあって、用意した本たちを見るだけでも面白かったです。

その中から紹介本1冊を決めるやり方は、「複数冊用意してきた人の直前に発表した人が、紹介して欲しい本をリクエストできる」というルールにしました。例えば、2番目の発表者が複数冊本を用意していたら、1番目の発表者が本をリクエストできるというかたちです。

初参加の方が来てくださったので、まずは全員で簡単な自己紹介をし、その場であみだくじを作って順番を決め、ゲーム開始。過去の部活では、8名1ゲームでやったこともありましたが、今回はそれより多い9名だったので、間に休憩を挟んで2ゲームにしてみました。

会場である会議室を部活用に確保しているのは2時間で、8名のときは時間オーバーにならないようにディスカッション時間を3分厳守にしたのですが、今回は時間をあまり気にせず質問が尽きるまでディスカッション時間を続けて、2ゲーム終わったところでちょうど2時間。紹介された本はこんなラインナップでした。

第1ゲーム
1番手 『彼女がその名を知らない鳥たち』沼田まほかる
2番手 『人生を危険にさらせ!』須藤凜々花・堀内進之介
3番手 『ブリューゲルとネーデルラント絵画の変革者たち』幸福輝
4番手★『日本語ということば』赤木かん子編
5番手 『MAPS』アレクサンドラ・ミジェリンスカ/ダニエル・ミジェリンスキ
第2ゲーム
1番手 『無私の日本人』磯田道史
2番手 『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』神田桂一/菊池良
3番手★『劇場』又吉直樹
4番手★『ナゲキバト』ラリー・バークダル
★がチャンプ本

それぞれの紹介本がどんな本かは、書名で検索するなり、リンクからAmazonに飛ぶなりすればわかるので、そちらをどうぞ。第1ゲームは、イヤミス小説、アイドル本にとどまらないアイドル本、ビジュアル本などが揃うなか、収録されている小学2年生の子が書いた感想文の話が印象的だった『日本語ということば』がチャンプ本に。第2ゲームは、ノンフィクション、パロディ遊びモノ、小説2つの中から、2つの小説本が同数票でチャンプ本になりました。

でも、ビブリオバトルは単に本の情報を交換するゲームではありません。どういう経緯でその本を読んだか、読んでどう思ったか、などの話のなかには、その人の好みや、性格、恋愛観、人生観、仕事観など、あらゆることが入ってきます。ビブリオバトルがプレゼン対決などではなく、コミュニケーションゲームであるというのは、こうした趣味嗜好や考え方を見せあうことになる(たとえ見せようと意図しなくても垣間見えてしまう)ゲームだからです。

ビブリオバトル自体がそういうゲームなので、このビブリオバトル部のように、毎回ほとんど同じメンバーで回数を重ねると、部員一人一人の人柄がかなりわかってきます。今回は特に、発表のなかでプライベートに関する大報告をした人がいて、部活後のバーミヤンタイム(部活後、時間がある人で近くのバーミヤンに行って更におしゃべりしています)もその話で持ちきり。思えば私たち、一緒にビブリオバトルをしているだけといえばそれだけの間柄なのに、かなり突っ込んだ話までしているなあ。

あ、こう書いてしまうと、興味はあるけどその話の輪に入れそうにないから、参加は見送ろうと思ってしまう人がいるかもしれませんが、無理に私生活を聞き出したりはしないのでご安心ください(笑)。普段は、最近話題のあの本読んだ?とか、身近にあった出来事とか、もっと軽い話をしています。

§ 次回の任意企画は、春日町図書館の棚から本を探して紹介

先に、部活後のバーミヤンタイムの話を書いてしまいましたが、部活でビブリオバトルをし終わったあとには、次回何をしようかという相談。相談というより、誰かの「こんなのやってみたい」発言が、自然と「やってみようか」に発展するかたちです。

今回は、久しぶりの常連さんが、自分が来られなかったときに行った任意企画「バトル前に春日町図書館の棚から本を探して紹介」の様子はどうだった?と聞いたことから、その企画をもう一度することになりました。詳しいルールを説明しますと、部活当日に少し早めに春日町図書館に来て、書棚から本を探し、その本を発表するというもの。

但し、会場となる会議室は、図書館エリアの外になるので、貸出不可(館内閲覧のみ)の本はNG。ただ、この日のビブリオバトル用の貸出枠を用意してもらうので、練馬区立図書館の図書館カードを持っていない人も参加できます。任意参加企画なので、企画に乗らずに紹介したい本を持ってきての参加もOKです。

ビブリオバトルには「実際に読んで面白かった本」を紹介するというルールがあるので、 「その場で本を探す」というルールとビブリオバトルのルールをいかに合わせるかが、この企画の肝。前回行ったときは、既に読んだことがある本を探した人、写真集の棚に行ったら好きな写真家さんの作品をちょうど見つけた人、句集の棚に行ってピンときた句が収録されている本を持ってきた人など、「実際に読んで面白かった本」という条件の満たし方も人それぞれで面白かったです。

次回の部活は約3カ月後(具体的な日時は1カ月ほど前に決定)で、新入部員も大歓迎。部員になる条件などはなく、来ていただければ誰でも即部員です。部員になっても参加義務などはなく、図書館にメールアドレスを教えておくと、次回の開催日の希望を出せる(皆の希望を集計するので希望が必ず通るとは限りませんが)というメリットがあるくらい。日時が決まったら、練馬区立図書館HP、春日町図書館館内で告知されますし、当サイトの東京都の公立図書館でのビブリオバトル開催予定リストにも情報を載せますので、ぜひいらしてください。