ビブリオバトル部第5回部活動 テーマ「初恋・青春を思い出させる本」
visit:2015/11/14
公共図書館で開催されるビブリオバトルの多くは、多数の観覧者の前で少数のバトラーが本を紹介するイベント型ですが、それはビブリオバトルの形式の一つに過ぎません。本来は、東京都立図書館が作ったビブリオバトル説明 を素直に読んで想起されるような、参加者皆が本を持ち寄って紹介するやり方が基本だと思いますし、実際に参加していてもその方が楽しいです。
練馬区立春日町図書館には、そのように参加者が本を持ち寄って紹介しあう部活動「ビブリオバトル部」があり、私もその部員の一人です。その部活動が2015年11月14日に行われたので、私も参加しました。今回のテーマは、「初恋・青春を思い出させる本」。こう言っては申し訳ないですが、前回の部活動後に次のテーマを決める際、一人の熱い部員の希望でこのテーマに決まり、その方以外の部員はやや引いていたような…(笑)。それを踏まえたうえで、このテーマをどう料理するのかも楽しみです。>
そのビブリオバトル部活動の様子は…とご紹介したいところですが、私は1時間遅刻して途中からの参戦となってしまいました。この時期は会場にしている春日町図書館2階会議室の利用が多く、これまでの部活動が土日の午後だったところ、今回だけ午前10時からの活動だったのを、11時からと思い込んでいたのです。なので、半分は後から聞いた伝聞、もう半分が実際に見聞きした部活動の様子となりますが、男性3名・女性3名が集まるなか、男性陣が自分の初恋の話で盛り上がるなか、女性陣が一歩引きながら笑って聞いているという構図になりました。私にしてみれば、初恋の話なんて遠すぎてどうでもいいのですが、男性3名は女性陣にひかれているのを自覚しつつ語っていたようです(笑)。
部員6名が紹介したのは、以下の本。
1人目 | 『アラスカ物語』新田次郎 |
2人目 | 『くちびるに歌を』中田永一 |
3人目 | 『スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編』スティーヴン・キング |
4人目 | 『遠くでずっとそばにいる』狗飼恭子 |
5人目 | 『三月の招待状』角田光代 |
6人目 | ★『オリンポスの果実』田中英光 |
自分が青春時代に読んだ本、ストーリーが青春や初恋の気持ちを感じさせる本など、切り口はさまざま。今回は新入部員がおらず、部活を広げたいという点では残念だったのですが、既に知ったメンバーでビブリオバトルをしたこともあり、ディスカッション時間には恋愛話などでとても盛り上がったようです。「ようです」というのは、私がいなかった間の2人のバトラーの発表でその雰囲気ができたようで、私が到着した頃には「盛り上がる男性陣、それをあきれながら笑って聞いている女性陣」という構図が出来上がっていました(笑)。
ビブリオバトルは「人を通して本を知る.本を通して人を知る」をキャッチコピーにしていますが、こうして定期的に集まり本を紹介しあうと、その相乗効果がより強くなります。ここに集まる部員は、図書館でのビブリオバトルがなかったら互いに顔を合わせることさえなかったかもしれない。そのように知らない人同士が本を通じて仲良くなっていくのは、とても楽しい体験です。私が知る限り、ビブリオバトル部のような活動は、都内の公立図書館では春日町図書館でしか行っていないのですが、いろんな図書館にビブリオバトル部ができたらいいなと思います。
ちなみに、春日町図書館ビブリオバトル部では、バトルで紹介する本以外にも、紹介本の候補にしたけどやめた本、ビブリオバトルとは別にその日たまたま持っている本、その日春日図書館で借りた本・返す本なども一緒にテーブルに出す人が多く、そちらの本についても話が広がります。図書館利用者はいろいろな本を読んでいますが、一人で図書館に来て、借りて読んで返すという行動では、それを共有する機会はない。その点、読書する人が集まる空間であるだけでなく、その集まった人同士を繋げる企画を行ってくれる春日町図書館は、素晴らしいです。
部活の最後は皆で案を出し合って次回のテーマを決定。今回がやや恥ずかしいテーマだった変動か、「理性」「お金」「老後」のような案も出ましたが、2月という開催時期を踏まえて「卒業」に決まりました。このビブリオバトル部は誰でも参加可能で新入部員大歓迎なので、ご興味ある方は今のうちからぜひ次回の紹介本を考えておいてください。日時は今のところ「2月頃」としか決まっておらず、もう少し日付が近づいてから部員の希望を集計して図書館が活動日を決めます。決まったら、練馬区立図書館HPや春日町図書館館内掲示で告知されるので、部員でない方はそちらをご確認ください。同じ図書館の利用者同士、図書館で読んだ本を紹介しあう楽しい部活。ぜひ私たちと一緒に本の話で盛り上がりましょう。