2012年夏の館内展示
visit:2012/08/04
江戸川区立篠崎図書館は、読書週間や夏休みなどに館内の書架のあちこちにミニ展示をちりばめて、館内全体を賑やかな雰囲気にしてくれます。2012年夏もそうした館内展示を行っていることを「BLOGしのざ記」(篠崎図書館スタッフのブログ)を見て知り、私もさっそく見に行ってきました。
今回の展示は、特にテーマを設けているわけではなく、書架のいろんなところで夏に合った本を中心にお薦めするスタイルです。図書館の入口で、どの棚でどんな展示をしているかの館内MAPを配布しているので、それを手掛かりに書架を回ってもいいし、ミニ展示をしている棚には三角の旗が立っているので、それを目印に気分にまかせて書架を歩くのもよし。好きなスタイルで楽しめます。
例えば、CDの棚で怪談噺のCDを展示していたり、写真集の棚では「海の世界へ」と題して、中村征夫氏など海の景色を撮った写真集を展示していたり、冠婚葬祭の棚では「夏祭りに行こう!」と題して、お祭りに関する本を展示していたり。そうそう、私がこの展示を見に行ったのが2012年8月4日だったのですが、この日は都立篠崎公園の先で江戸川区花火大会が行われた日だったんです。篠崎駅周辺は花火を観に行く人で大賑わい!最近って若い女性はもちろん、男性も浴衣を着る人が増えましたよね。これからも花火大会やお祭りはたくさんあるし、老若男女浴衣で日本の夏を楽しみましょう!
料理の棚では「辛っ!」と題して、インドカレーの本や韓国料理の本を紹介していました。面白かったのが、『麻婆豆腐大全』という本。128ページあるのですが、本当に1冊まるごと麻婆豆腐のことしか書いていないんです。レシピページは少なくて、麻婆豆腐のおいしいお店の紹介や、市販の麻婆豆腐の素の歴史など、中には丸美屋の麻婆豆腐の素のCMに出演している関連で三宅裕司のインタビューなどもあります。ページをめくるうちに、今日のご飯は麻婆豆腐にしようと思うこと間違いなし。でもホント私も、節電しながら涼しく過ごそうとしてて思うに、汗をかかないようにしようとするより、汗をかいてもいいようにする、汗をかくことを楽しむ方が、ストレスなく夏を過ごせるように思う今日この頃。辛い料理って気分も高まっていいですよね。
そうした季節にちなんだ展示のほかにも、まとめて休みがとりやすい時期だということで、社会福祉の棚では「夏のボランティア読本」という特集も。ボランティアに関する本を紹介しているのはもちろん、江戸川区公式サイトの「東日本大震災被災地への災害ボランティアについて」というページをプリントアウトしたものも配布しています。このページ、ボランティア受け入れに関する情報のほか、ボランティア保険や内閣府が作った防災ボランティアの「お作法」集へのリンクなどもあり、必要な情報がコンパクトにまとまっていていいですね。篠崎図書館では、カウンター前の自動貸出機の脇にも、江戸川区に避難している方に対する情報をプリントアウトして掲示しています。篠崎付近に避難している方はぜひ活用してください。
学生さんにとっては、遊ぶだけでなく、夏休みの宿題をしないといけない時期ですよね。ティーンズコーナーでは「夏休みお助け本」と題して、課題をこなすのに役立ちそうな本を紹介してくれています。先に私が行ったのが江戸川区花火大会の日だったと書きましたが、花火の音が館内に聞こえてくるなかでも、机で本を広げて頑張っている学生さんがいたもんなあ。上手に息抜きもしつつ、図書館本も参考にしながら、夏の勉強も頑張りましょう!
また、哲学の棚では「哲学カフェで哲学的なことをちょっとだけ考えてみる」というタイトルの長い特集をしていました(笑)。『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』という本など、言われてみれば他の言語では「また会いましょう」などの意味の挨拶が多い中、独特の挨拶ですよね。『アキレスとカメ』という本は、哲学で有名なパラドクスの命題「アキレスとカメ」についての本。「アキレスとカメ」などいろいろな命題を取り上げるのかと思いきや、ほぼ1冊まるごと「アキレスとカメ」の問題に終始している本なんです。家に帰ってAmazonレビューを見たら、内容が薄いという低評価が多いので、入門編として読むのがちょうどいいかもしれません。
そして、入口入ってすぐ左の大きな特集コーナーで行っているのは「この夏はノンフィクション」。数多く展示されているノンフィクションには、書店で売っているときのような帯、といっても篠崎図書館で作ったオリジナルの帯が巻かれていて、その説明を参考に本を選ぶことができます。実は、私が今回の館内展示の中で一番涼しくなってしまったのが、この大特集に展示されていた『我思うゆえに我あり 死刑囚・山地悠紀夫の二度の殺人』というノンフィクション。山地悠紀夫の言動は、言葉としては頭に入ってくるけど理解できなくて、ぞっとしてしまうんです。ざっとページをめくっただけでこれですから、きちんと読んだらどんなことになるか…私はもう怖くて借りられません(笑)。
このほか、変わった旅のミニ特集や、今年が生誕150年のドビュッシーの特集もあるので、行けば自分に嗜好に合う本が見つかると思います。夏の図書館は子どもが多くて行きにくいという大人も、児童コーナーのない篠崎図書館なら落ち着いて本が選べますよ。ぜひ図書館で、夏の読書を楽しみましょう!