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台東区立くらまえオレンジ図書館

台東区立くらまえオレンジ図書館 訪問記

last visit:2012/02/01

台東区立くらまえオレンジ図書館は、2012(平成24)年2月1日に移設開館した図書館です。図書「館」というより図書「室」というのがふさわしいような小さい図書館で、「環境ふれあい館ひまわり」内にあることから環境関連の資料を多く収蔵しています。

§ 図書館の場所

くらまえオレンジ図書館は都営浅草線の蔵前駅の近く、江戸通りと国際通りが分岐する地点の北にある「環境ふれあい館ひまわり」の中にある図書館です。

都営浅草線蔵前駅から行く場合は、A3出口を出て右にぐるっと回りこんで、国際通りを北上(右進)します。1つ目の信号で左折すると、左先の建物にオレンジ色の文字で「環境ふれあい館 ひまわり」という看板があります。それが目指す建物です。建物の入口はそこからさらに左に曲がった側(西側)にあるので、そちらへどうぞ。

都営大江戸線の蔵前駅や銀座線田原町から行く場合は、国際通りを南下して「蔵前小学校」交差点の次の交差点で右折すると、左先の建物にオレンジ色の文字で「環境ふれあい館 ひまわり」という看板があります。

蔵前は小さいビルがたくさん並ぶ町並みで、環境ふれあい館ひまわりも細長~い建物。ここにそういう施設があると知らないと見逃してしまいそうなくらい地味な建物です。初めていくときには見逃さないように注意してくださいね。

§ 図書館内の様子

建物自体もそれほど大きくありませんが、くらまえオレンジ図書館は建物6階のそのまた一画。エレベーターからみて左奥、階段からみたら右奥の区画が図書館エリアです。広さでいうと、図書館というより図書「室」と言ったほうがしっくりくるような規模で、同じフロアにキッズルームもあって、図書館エリアのドアが開放されているため、子どもの声も聞こえてきます。

図書館エリアに入ると、左手前にカウンターがあり、奥一帯に本棚が並びます。椅子は4つしかなくて、滞在型ではなく貸出主体といえる図書館ですね。蔵書は大部分が子ども向けが全体の2/3、残り1/3が大人向けといったところでしょうか。CDやDVDなどは所蔵していないし、新聞・雑誌もありません。もちろん、台東区立図書館の1館なので、他の館から取り寄せての貸出はできるようになっています。

§ 一般書架

一般書架は数少ない冊数の中、メリハリをつけた内訳になっています。環境関連施設内の図書館ということで、やはりそれに関連した資料が多いんですね。例えば、「哲学(1類)」に分類される本は10冊未満、対して、「地球・地学」「生物科学」「衛生・都市」「電気」「農林水産業」「林業」「公害・環境」などの本は多めに揃えています。家事関連本なども、エコにつながる内容の本が多いです。

小説などの読み物も、図書館の規模に応じた冊数ですが、ちゃんと所蔵しています。日本の小説は、台東区立図書館共通の分類法なのですが、著者名の姓の頭2文字+名の頭1文字を五十音順に並べてます。例えば、赤川次郎(アカガワ ジロウ)なら「アカジ」、浅田次郎(アサダ ジロウ)なら「アサジ」、あさのあつこなら「アサア」となり、その3文字が五十音順になるように並べてある。つまり、名前の五十音順だと 赤川次郎→浅田次郎→あさのあつこ という順になるところ、この3文字の五十音なので 赤川次郎→あさのあつこ→浅田次郎 という順になるのでご注意ください。まあ、並び順が不明で見つからなくなるほどの所蔵数ではないのですが(笑)。外国の小説は、「東洋文学」「英米文学」「ドイツ文学」といった形で国・地域別に分類した上で、著者の姓名の五十音順に並んでいます。

§ 児童向け

大人向けの本が環境関連の本を多めにしているのに対し、児童向け図書は少ないながらも図鑑などもあり、いろいろなジャンルの本を揃えています。ただ、いかんせん座席が4つしかないし、すべて椅子席なので、館内で本を見るより貸出が主体とした利用にならざるを得ない面がありますね。

絵本は、日本のおはなしと外国のおはなしを別にしてそれぞれ絵を描いた人の姓名の五十音順に並んでいます。むかしばなし絵本も絵を描いた人の頭文字で分類されているので、同じむかしばなしでも絵を描いた人が違えば離れた場所に入れられています。まあ、むかしばなし絵本の棚はそんなに大きくないので、むかしばなし絵本を読みたいときは棚全体を見て、好きな絵の絵本を選んでくださいね。

くらまえオレンジ図書館がどうして児童向け図書が多い図書館かというと、おそらく前身の姿を継承したのだと思います。実は、このくらまえオレンジ図書館は、2011年12月18日までは現在の建物の北西にある蔵前小学校内にあったんです。蔵前小学校内にあった頃、私も見学させていただいたのですが、セキュリティ面を考慮して入る際には専用カードの提示が必要という、なかなかユニークな図書館でした。図書館エリアの中に和室もあったり、仕組みだけではなく内装なども独特で面白かったです。

環境ふれあい館ひまわりに移設された今は、専用カードなどの提示も不要になり、開館日も増え(移設前は土日だけの開館だった)、周辺の方にはかなり使い勝手がよくなったと思います。蔵前小学校HPの沿革によると、くらまえオレンジ図書館が移転した後は、その部屋に学校図書室を移して(くらまえオレンジ図書館が小学校の中にあった頃は、くらまえオレンジとは別に学校図書館があった)、旧学校図書室と旧パソコン室に新教室を増設したそう。2016年には教室不足に対応するために小学校が建替になるので、以前の名残さえも見られなくなってしまいます。

そんなかたちで、小学校にあった頃のくらまえオレンジ図書館は記憶の中だけのものになってしまいますが、実はこの名前に小学校の中にあったという歴史が刻まれています。「オレンジ」というのが蔵前小学校のキャッチフレーズで、「オ」大きな夢や理想に燃え、「レン」連帯意識をもち、「ジ」実行力のある児童の育成を目指し続けていますとのこと。蔵前小学校HP

ただ、率直に言って、蔵前なら中央図書館浅草橋分室も近いし、書棚でいろいろな本を見たい大人だったら、浅草橋分室を利用するほうがいいと思います。くらまえオレンジ図書館を利用するのは、周辺の住民の予約受取館としての利用や、学校図書室では物足りない蔵前小学校の生徒さんなどかな。実際にそのような形の蔵書構成になっていますし。

別フロアに不用品を譲ったり譲られたりできるりリサイクルコーナーなどもあるので、図書館利用ついでにそちらも利用すれば、環境にやさしい暮らしを実践できるかも。暮らしの知恵・工夫などの本も多いので、予約本受取ついでに書棚を見てそこからも1冊借りてみる、なんてのもいいですね。せっかくなので、図書館だけでなくこの施設全体を利用しましょう!

台東区立くらまえオレンジ図書館 データ

住所東京都台東区蔵前4-14-6 環境ふれあい館ひまわり6階 →Google Mapで見る
Tel03-3865-3201
開館時間10:00~18:00
定休日月曜(祝日は開館し、直後の平日を休館)
12月29日~1月3日
最寄駅 都営浅草線 蔵前駅から徒歩3分
都営大江戸線 蔵前駅から徒歩7分
都営浅草線 浅草橋駅から徒歩11分
東京メトロ銀座線 田原町駅から徒歩11分
都営大江戸線つくばエクスプレス 新御徒町駅から徒歩13分
JR総武線 浅草橋駅から徒歩13分
都営浅草線 浅草駅から徒歩15分
駐輪場建物入口向かって左奥に駐輪場あり
駐車場なし
所蔵資料
図書所蔵数6,453冊(2017/03/31現在、出典『台東区の図書館 平成29年度事業報告』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物が開いている時間帯(火~日曜の9:00~21:00)だけ入口向かって左にブックポストを設置
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用不可
飲食設備等なし