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府中市立新町図書館

府中市立新町図書館 訪問記

last visit:2013/05/29

府中市立新町図書館は、府中市の北側中央付近にある図書館。小さな区画に本棚がぎっしり並んでいますが、入れ方の工夫で圧迫感がなく、適度な「本に囲まれている」感が楽しめます。

§ 図書館の場所

新町図書館は、最寄駅である府中駅からも2kmあるので、バスで行くのがいいでしょう。バスの場合は、府中駅から国分寺駅南口行き(寺92)に乗り、「新町文化センター」停留所で降ります。新町文化センターというのが、新町図書館が入っている建物なので、停留所からはすぐ。バスを降りて、バスの進行方向を向けば、目の前に「←新町文化センター」という看板が見えるので、矢印に沿って進むと、右先に新町文化センターが現れます。

もう少し北にいけば小金井市に入るという、府中市の中でも北にあたる新町は、鉄道駅から離れていることもあってか、のんびりとした雰囲気の住宅地。南西に少し行けば、広大な東京農工大学の敷地も広がっています。私は府中駅から歩きでいったのですが、中低層のマンションが並ぶなかに、おいしそうなパン屋さんや大判焼きのお店などがぽつりぽつりとあったりして、のんびりした時間を楽しみました。

§ 図書館内の様子

新町図書館は、新町文化センター3階の一画を占める小さな図書館です。図書館エリアに入ると、すぐ右にカウンターがあり、左側に書架が広がっています。カウンター寄りの絵本が並ぶ辺りと、カウンターと反対側の窓際に机席が並ぶほかは、書棚がぴっちりと並んでいるシンプルな空間です。

この狭い区画に本棚がぴっちり並ぶ様子は、圧迫感を感じてもおかしくない配置なのに、意外とそんな感じがしません。というのも、本棚自体は背が高いのに、一番上の段が163cmの私の目線よりちょっと上くらいと比較的低い位置に固定されており、棚の上の方が空いているんです。さらに、図書館でよくある「大きい本は最下段へ」という本の並べ方ではなく、大きさに関わらず分類記号通りに本を並べて、大きい本がある段はその大きい本に合わせた高さに固定しています。つまり、書棚の中に適度な空間があるので、余計な圧迫感を感じないんです。

日本の小説は著者名の五十音順です。但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に、五十音順の並びに入れられています。例えば、青木奈緒(アオキ ナオ)が書いたの本の隣に、10人の作家による『青に捧げる悪夢』(アオニササゲルアクム)という本が並び、その隣に青山七恵(アオヤマ ナナエ)が書いた本がある、といった具合になります。外国の小説は、英米文学・ドイツ文学・フランス文学…と国・地域別に分かれた上で、著者名の五十音順に並んでいます。

小説を借りようと棚からいろいろ見て気づいたのですが、本を買ったときについてくる帯が見返し部分に貼ってあることがあります。全部の本ではないので、どんな本がそうなっているのかあれこれ開いてみたところ、比較的最近入荷した本をそのようにしているみたいです。本の帯にはその本に関する情報がいろいろ載っているけど、図書館ではそれをとって棚に並べられてしまう、それを見返しに貼ることで本選びの参考になる情報を残してくれているんですね。面白そうな小説がないかなと新町図書館の棚をぶらぶらするときには、見返しの情報で選ぶという手もありますよ。

カウンター向かって右の棚の最下段に「八ヶ岳コーナー」があるのは、府中市立小学校のセカンドスクール(移動教室)で八ヶ岳府中山荘に行くからでしょう。八ヶ岳のガイドブックがいろいろあるので、お子さんがセカンドスクールに行く前や後の勉強に活用できますし、家族の方々も一緒に八ヶ岳について調べてみるのもいいですね。

§ 児童コーナー

カウンター付近にある絵本の棚は、大人にはやや見づらいくらい棚と棚の間が近いです。お子さんが自分で本を出し入れできるくらい大きくなったら、それを逆手にとって「自分で好きな本を探してごらん」と選ばせてみるのもいいかも。絵本は、日本人作家の作品も外国人作家の作品も一緒にして、絵を描いた人の姓名五十音順で並んでいます。

児童読み物は、日本人作家のものと外国人作家のものに分けたうえで、下2段に1,2年生向けのおはなし(Y:黄色シール)、上3段に3年生から中学生向けの物語(G:緑シール)と分けて、著者姓名の五十音順に並んでいます。また、児童読み物のうち、古典(A:赤シール)・昔話(O:橙シール)・SFと推理(B:青シール)は、それ以外の読み物とは別にジャンルでまとめられています。

ジャンル別読み物分類の隣には、漫画もいろいろあります。新町図書館が所蔵している漫画は、『サザエさん』『はだしのゲン』といった物語の漫画より、歴史の「学習漫画」やちしきの本を漫画にしたような「学研まんが」の方が多いです。漫画ばかり読んでなかなか勉強しないお子さんには、こうした学習漫画で興味を惹くのもいいかもしれませんね。

§ 「本に囲まれている」感が味わえる小さな図書館

最初の方で書いたように、新町図書館は本棚が狭い区画にぎっしり配置されているのに、本棚への本の入れ方のおかげで圧迫感が和らいでいる、それが適度な「本に囲まれている」感につながっていて、意外と居心地がいいんです。大きさによって別置きしていないために、特定のジャンルの本をサイズに関わらず一覧することができるので、本探しの点でも便利。棚を見るのが楽しくなって、お目当ての棚以外の場所も回ってしまいます。

整然と並ぶ本棚の中からどんな本と巡り合えるか。新町図書館にお越しの際は、「本に囲まれている」感を楽しんでください。

府中市立新町図書館 データ

住所東京都府中市新町1-66 新町文化センター3階 →Google Mapで見る
Tel042-360-6336
開館時間9:00~17:00
定休日第1,3月曜(祝日・振替休日の場合、直後の平日を休館)
祝日
12月29日~1月3日
最寄駅 京王線 府中駅から徒歩31分
駐輪場建物南側と西側に駐輪場あり
駐車場建物西側に一般用駐車場10台分、障害者用駐車場1台分あり
所蔵資料
図書所蔵数41,708冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物北玄関の右側面の壁にブックポストあり
自動貸出機なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用不可
飲食設備等建物1階ロビーに飲料自販機2台あり