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府中市立押立図書館

府中市立押立図書館 訪問記

last visit:2013/08/17

府中市立押立図書館は、改修工事を経て2015(平成27)年2月9日からリニューアル開館しています。

私はリニューアル開館してからまだ行っておらず、以下は、リニューアル前の訪問記になります。
§ 図書館の場所

押立図書館は、府中市の南西の角、駅で言うと京王線飛田給駅の南西にある押立文化センターの2階にあります。飛田給駅といえば味の素スタジアムの最寄駅ですが、押立図書館に行く場合は味の素スタジアムとは逆の南口の階段を下りて、地面に出たら左へ進みます。最初の信号を越えた先で道が直角に折れ曲がっているので、それに沿って左折、次の突き当りで右折して、そこから道なりに坂を下っていきます。道が中央高速道に沿ってからもしばらく直進し、右折箇所からかれこれ500mほど進んだ「飛田給三丁目」交差点で左折、高速の高架下をくぐった先の「押立文化センター西」交差点で左折、すると右側やや先に砂場のある公園があり、その奥にある白い建物が押立文化センターです。

上の道のりだと1km以上あるので、あまり歩きたくないという方は調布駅から調51(車返団地折返場行き)へ乗るか、府中駅・艇場前駅・武蔵野台駅から府中市のコミュニティバス・ちゅうバスの押立町ルートに乗って、「押立神社」停留所で降ります。バスを降りたら高速の高架と反対方向へ進み、「押立文化センター西」交差点で左折、少し進んだ右側に押立文化センターが現れます。

この辺りは小さな神社と小さな文化センターのある静かな地域で、少し南に行くと多摩川が流れています。私は、2013年夏の土曜に押立図書館へ来て、帰りに多摩川沿いを歩いていったのですが、猛暑の中で本格的サイクリングやジョギングをしている人の多さといったら!府中市の多摩川沿いは野球場やサッカー場などスポーツ施設も多く、川のそばの広々とした空間でスポーツするのも気持ちいいだろうなと思いながら歩いていました(広々としている分、日差しをさえぎるものもないので、日焼けにはご注意を)。

§ 図書館内の様子

押立図書館は府中市立図書館の中で一番小さい図書館です。府中市立図書館の地域館のほとんどは市の文化センター内の一室というかたちなのですが、押立文化センター自体が府中市の文化センターの中で一番小さいんじゃないかな。数字上でも、他の地域館は約200㎡ほどの面積であるのに対し、押立図書館は48㎡。小さな空間に本棚がぎゅっと凝縮されています。

階段で2階にあがった右にある一室が押立図書館で、図書館エリアに入ると、左端にカウンター、カウンターの前に4人が座れるテーブルがあり、残りの空間に本棚がずらっと並んでいます。絵本や児童向けの本が奥の窓際、手前側が一般書架になっていますが、児童向け読み物が一般書架のほうにまで並んでいたり、低学年向けの読み物の上に大人向けの新書が並んでいたり、ゾーン分けできるほどのスペースがなく渾然としているのがちょっと面白い感じです。雑誌最新号をカウンター前の奥行きの薄いラックに並べていたり、新聞を棚上に立てかけて並べているのも、省スペースを意識した工夫ですね。

そんな小さい押立図書館、蔵書比率としてはやはり小説が多めです。日本の小説は著者名の五十音順、但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に、五十音順の並びに入れられています。例えば、青木淳悟(アオキ ジュンゴ)が書いたの本の隣に、10人の作家による『青に捧げる悪夢』(アオニササゲルアクム)という本が並び、その隣に碧野圭(アオノ ケイ)が書いた本がある、といった具合になります。外国の小説は、英米文学・ドイツ文学・フランス文学…と国・地域別に分かれた上で著者名の五十音順に並んでいますが、全ての国・地域の小説を合わせても冊数が少ないというのが実際のところです。

児童向けちしきの本にシリーズものが目立つのも、少ない冊数でいろんなジャンルを網羅した結果かな。蔵書数でいうと押立図書館の蔵書数全体(約1万2千冊)のうち半分が児童書で、やはり大人に比べて子どもは行動範囲が狭く、「たくさんの本が見たかったら遠くの大きな図書館へ」というわけにもいかないことを配慮している様子がうかがえます。

窓際にある絵本は日本の絵本も外国の絵本も一緒にして、絵を描いた人の五十音順で並んでいます。また、児童向け読み物は、1,2年生向けの黄色ラベル(請求記号にYがつく)の本、3年生以上向けの緑色ラベル(請求記号にGがつく)の本に分けたうえで、日本人作家の作品と外国人作家の作品に分けて、それぞれ著者姓名の五十音順に並んでいます。また、昔話は橙ラベル、推理小説は青ラベルと、ジャンルでまとめている分類もあるので、そちらの棚もお見逃しなく。

§ 小ささが面白い

地元の図書館として利用している方と、あちこちの図書館を楽しんでいる私とでは、感想が異なるかもしれませんが、私は押立図書館の小さな空間にギュッと詰まっている感じを楽しんでしまいました。例えば、新書がどこにあるかわからなくてさんざん探した挙句、結局職員さんに聞いて1,2年生向けの児童読み物の棚上にあることがわかったのですが、これがちょっと宝探しみたいな感覚で(笑)。もちろん、早く目当ての本を手に取りたかったら職員さんに聞けばいいわけで、そうしたことも多いのか職員さんも丁寧に教えてくださいます。

そういう意味では、押立図書館もそうだし、押立文化センター自体もそうなのですが、施設が小さくて人の出入りにすぐ気が付く分、入っただけで職員さんからご挨拶してくださったりして、フレンドリーな雰囲気なんです。小さい施設だからこその温かみがある。小さい施設で出入りする人も少ない分、説明なども丁寧にできるという面もあるんですね。

広くて開放的な図書館もいいのですが、ヒトって不思議なもので、狭いところの方が落ち着くという気持ちもありますよね。初めて来たのに、アウェイ感よりホーム感が湧いてしまうというか。そんな気分を味わえる押立図書館、ぜひ皆さんも小ささを堪能してください(笑)。

府中市立押立図書館 データ

住所東京都府中市押立町5-4 押立文化センター2階 →Google Mapで見る
Tel042-483-4122
開館時間9:00~17:00
定休日第1,3月曜(祝日・振替休日の場合、直後の平日を休館)
祝日
12月29日~1月3日
最寄駅 京王線 飛田給駅から徒歩17分
駐輪場建物向かって右手前に駐輪場あり
駐車場建物向かって左手前に一般用駐車場3台分、障害者用駐車場1台分あり
所蔵資料
図書所蔵数20,464冊(2017/04/01現在、出典『平成29年度 東京都公立図書館調査』)
音声資料
CDカセットレコード
なしなしなし

映像資料
DVDビデオLD
なしなしなし
※ DVD・ビデオは広報DVD・ビデオを除いた市販ビデオ・DVDの有無を表しています
設備
ブックポスト建物入口向かって左の壁面にブックポストあり
自動貸出機なし
自動返却機なし
セルフ予約受取なし
音声試聴設備なし
映像視聴設備なし
ネット閲覧PCなし
持参PC利用不可
飲食設備等なし
その他設備多機能トイレ内にオムツ交換台あり