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移設前の旧・港区立青山生涯学習館図書室

旧・青山生涯学習館図書室は2014年7月22日を最後に移転のための休館に入りました。その後、現在の青山生涯学習館図書室が2015年11月2日に移転開館しました。

以下は、移設前の旧・港区立青山生涯学習館図書室の訪問記です。

移設前の旧・港区立青山生涯学習館図書室 訪問記

last visit:2013/01/04
§ 図書室までの道のり

青山生涯学習館の最寄り駅は、東京メトロの表参道駅。地下鉄から出るときはA4出口を出るのが便利です。「表参道」交差点から根津美術館方面(明治神宮方面の反対側)に進んで350mほどいくと、左側に青南小学校が見えてくるので、小学校の先で左折します。その道の正面に、壁にトンボやカメやウサギが描かれた建物があるのが青山生涯学習館。1階が青南幼稚園なので、そんな可愛い壁画が描かれているんですね。青山生涯学習館は建物の2,3階です。

表参道から来ると、プラダやカルティエなどのブランド・ショップが並ぶ先に、こんなに質素な区の施設があることにびっくり。逆に乃木坂駅方面から来ると、この青南小学校付近が静かな青山霊園と華やかな表参道の中継点という感じです。いらっしゃる方は、ぜひこの風景の変化も楽しんでください。

§ 図書室の配置

1階の青南幼稚園と2,3階の青山生涯学習館は、入口が別になっています。上に書いた道のりできた場合の正面(建物南西面)に幼稚園の入口があり、その左側(建物北西面)に回ると青山生涯学習館の入口にあがる階段があります。エレベーターはないので、車椅子の方や足の悪い方などには不便です。

2階の入口を入ると、左に受付、正面にこども図書室、右におとな図書室という配置になっています。左にある青山生涯学習館の受付で、図書館資料の貸出・返却も行うスタイルですね。もちろん、港区立図書館の予約受取館をこちらにすることも可能です。こども図書室は長方形の小部屋で、おとな図書室はこども図書室の4倍くらいはありそうですが、二部屋合わせても図書「室」の名にふさわしい程度の小さな施設です。

§ こども図書室

こども図書室に入ると、四方の壁に背の低い本棚が並んでいて、中央にはテーブルが2つあります。室内の右の一画が床より一段高くなっているのですが、低い部分と同じカーペットなので靴脱ぎスペースというわけではなく土足スペースなのかもしれません。

ちしきの本はあまりなく、絵本と児童読み物、その中でも児童読み物の占める割合が高いです。小学校が近いことで、児童資料の中でも小学生向けのものに特に力を入れているということなのかな。絵本は日本のおはなしも外国のおはなしも一緒にして、絵を描いた人の姓名五十音順に並んでいます。児童読み物も、作者が日本なのか外国人なのかに関わらず一緒にして、著者姓名五十音順にならんでいます。

所蔵冊数も少ないし古い本が多いですが、小学校の図書室の本を読み尽くしちゃうくらいの読書好きの子どもには、もう一つの図書室になりそうですね。小さい頃から図書館を使っている子どもは検索機も上手に使いこなしますし、この小さな図書室を窓口に港区立図書館のたくさんの本に触れて欲しいです。

§ おとな図書室

おとな図書室は、入って左に4人掛けの閲覧机が4つあり、入口周辺には新聞・雑誌と文庫・新書の棚、奥の壁に垂直に一般書架の棚が並んでいます。左手前の角には港区立図書館の検索機があり、検索・予約できます。CD・DVD等は置いてありませんが、漫画は横山光輝の「三国志」のみ所蔵しています。

本棚をみると古い本が多く、港区立図書館ネットワークに入る以前からの所蔵本と思われるものだと、ブッカー(図書館の本を保護するための表紙コーティング)がかかっていないものもあり、本を開くのにも慎重になってしまいます。壁に垂直に並んだ棚は、真ん中あたりの1列を除いて棚と棚の間が狭く、リュックを背負っていると横歩きをしないといけないくらいです(棚間で方向転換しにくい)。

日本の小説はエッセイと一緒にして著者姓名の五十音順で並んでいます。但し、複数の著者による作品集は、タイトル名を元に五十音順の並びに入れられています。例えば、小野稔(オノ ミノル)が書いたの本の隣に、いろんな人のエッセイを集めた『おやじの値段』(オヤジノネダン)という本が並び、その隣に折原一(オリハラ イチ)が書いた本がある、といったかたちになります。外国の小説は、国や地域で分類することなく、外国の小説でひとまとまりにしたうえで、著者姓名の五十音順に並んでいます。

ただ、この並び、本棚の列の端から端まで使っているのでご注意を。図書館の本棚って、複数の棚を横に並べて長くしている場合でも、一つの本棚の上段から下へと順に並べて、下段までいったら続きを右隣の棚の上段へ…という並べ方をするのが一般的ですよね。でも、青山生涯学習館図書室の本棚は、左の棚の上段から右隣の上段へ続き、右端までいったら左の棚の一段下の段へ…と幅広く折り返していく感じなんです。普段の図書館の棚と同じ感覚で本を探していると見逃すこともあるのでご注意を。

§ 小規模図書室ならではの利点

こういう小さな施設の利点は、やはり利用者が少ないこと。発行日から間もない雑誌や当日の新聞が、他の人に利用されている可能性も低いです。

また、時間や曜日にもよると思いますが、席を利用している人が少ないので周囲の利用者に煩わされる確率も低そうです。ただ、図書室が青山生涯学習館の入口のすぐそばなので、サークル活動等で青山生涯学習館を利用した人が、利用前後に入口付近で話したりする声が聞こえてしまうことはありますね。

それにしても、表参道という華やかな場所のそばに、小さな図書室がひっそりと存在していることが、それだけで何だか嬉しくなってしまいます。表参道の人波に疲れたら、静かな図書室で本を開いて一休み、なんていかがでしょうか。