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「We love Jazz」

―2009年9月18日からの展示
visit:2009/09/23

三田図書館の特集コーナーは、入口から見て、新聞・雑誌コーナーの左。1階書架の中央から2階へつながっている階段の下にあります。2009年9月18日からの特集は「We love Jazz」。

入口から特集コーナーを見ると、上から音符のモビールがぶらさがっています。特集コーナーを正面から見ると、棚上にはジャズメンが楽器を奏でるシルエットに音符が舞う看板。棚に向かって左脇には、ジャズの年表もあります。ブラスバンドもジャズの系譜に入るんですね。何でも、お葬式でのブラスバンドが、お葬式後にそのまま陽気な音楽も演奏していたそうです(『Jazz It Up!マンガまるごとジャズ100年史』より)。看板も年表も格好いいデザインで、大人のための特集コーナーという雰囲気です。

特集棚は、「ジャズ入門」「ジャズの巨人たち」「日本のジャズ」「聴いてみよう」「もっと楽しむために」の5つのコーナーで構成されています。港区立図書館公式ホームページこの特集の説明には、「ジャズは敷居が高いと思っていませんか?」とありますが、私はまさにそのクチ。ジャズを聴くのが好き、な~んて言えたら格好いいなと思うものの、聴いてもよくわからないという現実(笑)。

そんな私は、まず「ジャズ入門」コーナーからですね。ここにあった『JAZZ聴きかた入門!』という本が、まさに我が意を得たり!著者自身も最初、人に薦められた曲を聴いてもつまらない、ミュージシャンや用語のカタカナ羅列に混乱、という状態だったそうなのですが、まさに今の私はそんな感じなんです。

で、そんな初心者に送る著者の言葉がなかなか核心をついてます。ずばり、気に入る曲に出会うまでひたすら自分で探せ、と(笑)。考えてみれば、「お薦めのジャズは?」という質問は、「お薦めのJ-POPは?ロックは?演歌は?」という質問と同じくらい、あまりにもいろいろありすぎて、結局回答者の好みに依った回答になってしまうのかもしれませんね。

そうは言っても、本当にとっかかりがつかめない、という人には、著者のもう一つの主張が参考になるかも。それは「ジャズ人生、マイルスだけでやっていける説」。マイルス・デイビスといえば、私が真っ先に浮かぶのは映画「死刑台のエレベーター」。そんな風に好きな映画で使われている曲から入ると、ジャズの世界に入門しやすいかもしれませんね。ただ、私の場合は、その「死刑台のエレベーター」で使われていた曲で止まってしまって、その先のマイルスの曲には入っていけなかったけど(苦笑)。後述しますが、私、ボーカルがある曲の方がいいんですよね。

曲がわかってきて、知識も増やしたいという入門者には、『Jazz It Up!マンガまるごとジャズ100年史』がお薦め。韓国のジャズ・ジャーナリストが書いたジャズ史のコミックの和訳本です。まえがきに、自分はジャーナリストで本職の漫画家ではないと書いてあるのですが、本職じゃない人が何故にこんなに絵が上手なの?!と言いたくなるような、ちゃんとした漫画なんです。しかもかなり分厚い。知識ばかりではなく、いろんなミュージシャンのエピソードがふんだんに盛り込まれているので、それこそ「ジャズ・ミュージシャンのカタカナをやたらと挙げられても、誰が誰だかわからない」という方が、各ミュージシャンの人物像を掴むのに最適な本だと思います。

「ジャズの巨人たち」のコーナーには、ビリー・ホリデー、レスター・ヤング、グレン・ミラー等々の、ジャズ無知な私でもわかるような大物に関する本がずらり。『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』という本なんて、本の厚さが5.6cmも(思わず、定規を取り出して計っちゃいました 笑)!
ビリー・ホリデーの本なんかは、不幸な話が多くて、ちょっといたたまれなくなってしまいました…。「辛い経験によって、名作が生まれた」みたいな言葉で片付けたくはないくらい、もっとどうにかならなかったものかなあ、って。

「日本のジャズ」には、植草甚一のスクラップ・ブックがずらりと並んでいたり、坂田明などジャズ・ミュージシャンが執筆した本など。ここにあった『綾戸智絵ジャズレッスン―課外授業ようこそ先輩・別冊』を読んだのですが、文章で読んだだけでも綾戸さんの授業は音楽の面白さが実感できそう!NHK総合テレビの「課外授業ようこそ先輩」という、各界著名人が母校を訪れて課外授業をする番組を文章に起こしたものなのですが、頭ではなく感覚に訴えてくる授業って感じで、読んでて自分も歌いたくなりましたもん(笑)。いやあ、この人、人に教える・伝えるのが上手!

「もっと楽しむために」コーナーは、『コードから始めるジャズピアノ入門』のように聴くだけじゃなく演奏する本や、『新装版 世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーを作る』のように聴くのを極める本、はたまた『住まいの照明』『香り高く味わう珈琲』『椅子づくり百年物語』など、自宅ジャズ喫茶化計画を実行したくなるような本がずらり。いい音楽を聴くためのいい環境作りって、極め始めたらキリがなさそうですね(笑)。でも、ちょっとずついいアイテムを揃えていくのって、絶対に楽しい。

さて、そんな風にいろいろな本を見たところで、私もさっそくジャズ・リッスン実践編へ。「聴いてみよう」はジャズのCDがたくさん並んでいます。ここは、どうせ聴かなきゃわからない、『JAZZ聴きかた入門!』にもそう書いてあったしね、と開き直り、直感で『夏ジャズ』と『サッチモ・ベスト/この素晴らしき世界』の2つのCDを借りてみました。

家に帰って聴いたところ、『夏ジャズ』の方はやっぱり何だかわからなかったけど、ルイ・アームストロングはいい!というか、私はたぶんボーカルがある曲の方が好みなんですね。たぶん、マイルス・デイビスがあまりピンと来なかったのもそこって気がします。わかってくれば、ボーカルがあるジャズを選べばいいわけで、これで私も少しはジャズの世界に入れる…かな(笑)?